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何もかも完璧に生まれた二人は許婚。  作者: レオナルド・ダック
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ブラコンシスコンブルーノ兄妹と一大プロジェクト。

この村でよく見る木と竹で出来た一軒の家の前に驚く程肌の白いガリガリな少女が立っていた。


その少女を見た瞬間堪らずブルーノが走り出す。


「寝てなきゃ駄目じゃないか、妹よ。」


「兄さん!ごめんなさい兄さんが帰ってきたと村人達の声が聞こえて来て。」


二人は再会を喜び抱擁する。


「兄さん。」

「妹よ。」


「無事に帰って来てくれてよかった。」

「俺は必ず帰ってくると言ったじゃないか。」


「兄さん。」

「妹よ。」


「さあベットに戻るんだ。」

「今日は大丈夫よ、それに兄さんが帰ってきたらなんか元気が出たの。」


そんな二人を見た俺がつい「シスコンとブラコ…」と言いかけるとローニャに止められた。


そうだった、ブルーノの家は貧乏だし妹さんは病弱だったんだ。

厳しい家庭環境のせいで兄妹支え合って生きているから一般的な兄妹よりも仲が良いんだ。

俺は無理矢理そう想おうとするが…。


「兄さん。」

「妹よ。」


二人は未だに抱き合いながら再会を喜んでいる。


俺は兄妹でイチャイチャする二人を見ていられずにブルーノに話しかけた。


「妹さん身体弱いんだろ?

早くローニャに見せた方が良い。」


二人だけの世界で抱き合っていたブルーノはようやく俺の存在を思い出し妹に俺とローニャを紹介してくれた。


妹の名前はシート。

俺は今二人の家の前でローニャが妹の診察を終えるのを待っていた。


しばらくすると隙間だらけの竹と木で出来た家の中から回復魔導の光が漏れてきて、ローニャが出てきた。


俺はすぐに確認する。

「どうだった?」


「予想通り長い期間の栄養失調とただの風邪でした。」

ローニャは浮かない顔でそう答えた。


「何だただの風邪か、ブルーノの奴も大袈裟だなぁ。」

俺がそう言うとローニャは首を振った。


「深刻な長期間の栄養失調により身体が育っておらず、ただの風邪ですら自己免疫力が及ばずに治らない状態です。

おそらくこの村の他の患者も…。」


ローニャは村人達に気を使い小さな声で俺にそう説明した。


その後ローニャと一緒に重症患者を回ったがほとんどが親の居ない獣人だった。


もちろん人の重症患者もいたが別の症状だった。


広場に戻るとサニーが治療を行いながら、患者に炊き出しを食べさせていた。


えらく手際がいい、きっと世間知らずな俺以外は最初から何となくこの状況がわかっていたのだろう。


ふと周りを確認すると体調を崩してはいないが、痩せこけた子供達がサニーの炊き出しを羨ましそうに眺めていた。


俺はポケットからラムネを取り出すとその子供達の方へ歩きだす。


俺がラムネを片手に子供の達の方へ歩き出したのを見てローニャはすぐに俺を止める。


「やめて下さい。」

いつになく厳しい目で俺を諌めるローニャ。


「何でだ?」

俺は訳がわからなかった。


「これから先彼等は何度も飢饉の度に餓死の恐怖に晒されながら、二度と食べる事が出来ないラムネの味を思い出して泣きながら震える夜を過ごすんですよ。」

ローニャの言葉に俺は何も言えなかった。


何も言えずにただ立っていた俺を気遣ってローニャが役目をくれる。


「まもなくサニーの診察が終わるので、病気じゃない孤児達にも炊き出しがあるから並べと伝えて下さい。」


俺は孤児達に炊き出しがあるから並べと伝えてまわった。


今度は失敗しない様に注意深く子供達を観察する。


すると子供の列にある特徴がある事に気づいた。


痩せてはいるが比較的食べれていそうな人間の孤児が列の先頭に並び、いつ病気になってもおかしくない程痩せている獣人の孤児達が後ろに並んでいた。


俺は村長や村の重役達を呼び問いただす。


「これはどういう事だ?

なぜまだ幼い孤児達の中にまで獣人の差別が浸透している?

我が国ではドーヘンタイーナド王により獣人差別は禁止されているはずだ。

返答によってはお前達の逮捕はもちろん、獣人だけに食べ物と薬を施して俺達は帰る事になるぞ。」


「そっそれは…。」


ーーーその夜ーーー

晩御飯を食べながら世間知らずな俺はローニャに説明してもらった。


我が国では奴隷制度が禁止されているため資源の乏しい辺境の村では、就職にも不利で奴隷として売る事も出来ない獣人の孤児は助けるだけで村の損失に繋がるため見捨てる事があるそうだ。


もちろん畑仕事などはむしろただの人間より獣人の方が優れているのだが、街に売りに行くのは普通の人間の方が良い為人間の孤児を優先した方が村の収入になるそうだ。


俺は考える。


「とりあえず身体の強い獣人に剣を教えて街道の整備と魔物狩りの仕事を授けよう。

各村と街にフレズベルク商会を設立して、街道の整備と魔物狩りの給料の配布と、適正価格による商品の流通と孤児院の経営をさせよう。」


「剣を教えても剣の購入や維持費にコストがかかります。

まずは何人か武道家に育てましょう。

幸い国内は弱い魔物で安定しているので、万が一強い魔物が出た時は今まで通り兵士に対応させる様にすればいいでしょう。」


正義感の強いリザベルが燃えている。


「諸々の許可は私の方で処理しておきますわ。

出来るだけ早く許可が取れる様にドーヘンタイーナド・フレズベルクの名前で通しても良いですか?」


フレズ小隊の書類関係の仕事はローニャが居ないとはじまらないくらいローニャは優秀だった。


軍付きの俺達が自由気ままにしているのも、俺達の身分もだがローニャの後付け書類のおかげが大きい。


「それじゃあ奴隷伝達魔法でわかる奴隷達の詳しい情報を回してちょうだい。

商会の人員整理は私がするのが良さげね。」


サニーが多過ぎて困っている俺の奴隷達の仕事先を考えてくれる。


「それじゃあ私は…、………。

何すれば良いの?」

レナが固まる。


「ローニャ、商会の経営者に俺以外にもリザベル・サニー・ローニャ・レナを加えてくれ。

連名の方が顔も聴きやすいし少ないが利益分配もしよう。

平等に20%ずつでいいか?」


平等に20%ずつ。

それを聞いて相変わらずこの隊長は何を言っているんだろうという顔を四人全員がした。


身体は強いが不当に安く商品を買い叩かれている獣人の商品を全て一括管理し、農業・林業・魔物狩りとその素材はもちろん、街道の整備で一気に流通を牛耳ろうとしているのだ。


誰もが絶対に儲かるとわかっているのにしないのは獣人差別主義者の貴族と既存の商会の反発が予想されるからだ。


それを国王一族の名前で捻り潰すから出来る大プロジェクト。


貴族としてプロジェクトに名前を連ねるだけでも大変な価値があるのに平等分割だ。


0.1%でも莫大な利益になる。


いくら世間知らずでもそれが計算出来ないフレズではない。


平等分割、それはフレズベルクが四人を仲間だ思っている何よりもの証拠だった。


そしてその四人の中に新しい仲間ブルーノがまだ入っていないのもフレズベルクらしい選択だった。


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