12/13
12 ゆりかご
…………………………………
………………………
………
ゆりかごが優しくゆらゆらと揺れている。
もう少しで眠れそうなのになかなか寝つけないとゆりかごの主は苛立つ。
誰かの独り言が響く。
──ようやく世界が一段落したわぁ…何度もハラハラさせられちゃって困ったわぁ。紅螢も幸せそうで何よりね。
貴方達ももうすぐかしらね、と声が近くで聞こえる。
──本当はダメなのよ?こんな贔屓は。でも紅螢も貴方も頑固なんだから少しくらい我儘言ってくれた方がこちらも楽なのよ?
ゆりかごの主の瞼が落ち始めていた。
──現実世界には干渉できないけど、現実世界からはずれた魂には少し干渉できるの。だから少し弄って来世で貴方達も……あら?随分早いのね?そんなに一緒にいたいなら前世から頑張りなさいな全く…
大きな独り言も子守唄のように聞こえる。眠気に抗う気はなく、ゆりかごの主は瞼を閉じる。
──おやすみなさい、漣
来世では死ぬまで幸せになりなさい
*




