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失せモノ妖精と隣のパン屋  作者: 大鳥 俊
第一章:パン屋の娘
1/28

0.プロローグ

新連載です!

よろしくお願いします!



 





 街の中を風が通り抜ける。

 虫の音と木々の葉音しか聞こえてこない今は夜。

 日中の暑さはやわらぎ、人々は健やかな眠りについている時間帯。


 月明かりに照らされ、細い影が一つ浮かび上がった。

 柔らかく吹いた風に髪の毛先を遊ばせながら、街のどこかを眺めているらしい。


 その立ち姿は、一言で言って華奢(きゃしゃ)

 背のころは伸びる影で判別しにくいが、あまり高くなさそうだ。ひょっとしたら、子供かもしれない。


「さてと、始めますか」


 ひとり言をつぶやく影。

 周囲にはこの影以外の気配はなく、夜警の者もこの辺りにはいないようだった。


 また、風が吹いた。

 虫の音が、葉音が染み渡るように夜空へと広がってゆく。


 ――ここはメイブリック公爵領、クラエス。

 アスタシア王都より北西に位置するこの街にはいま、人々を騒がせているうわさがある。


 それが単なるうわさなのか、真実なのか。

 人々はもちろん、木々も、虫たちも。闇夜を照らす月すらも、誰も知らない。


 ――数時間後、夜が明ける。

 街はゆっくりと目覚め、一人の男は歓喜に沸いた。

 どうやらまた、噂が真実に近づいたらしい。


 もちろん影は、跡形もなく消えていた。







お読みいただきましてありがとうございました!!



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