表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
新世界の調査と基盤作り編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/166

70話 章 エピローグ&プロローグ

 ジャイアント討伐からはあっという間に時間が過ぎ、俺の周りも大きく変化し始めた。


 まず最も大きく重大な変化としては『アプリを使う拠点』が増えたことがあげられる。

 俺がアプリを使う事で日本へ行き来する事ができる事を知っている新たな協力者を作ったのだ。


 といっても、俺の帰るところがアデリーの店じゃなくなった! やったぜ! ……というわけじゃない。

 アデリーに対して「俺もうお前の店には来ないわ」とか迂闊にそんな事を口にして『ポリポリされるかも』という恐怖に対抗できる自信も勇気も俺にはまだ無い。

 日本へ帰る際は基本的には、これまで通りアデリーの店を主にしている。


 新たな協力者が誰かと言えば、商業街区にあるゴードンの商館にいるメイドケンタウロスのエイミーだ


 というのもニアワールド内においてゴードン商会の力は俺が思っていたよりも大きく、ギルドへの納品のみならず衣食住に関わる商材を雑多に取り扱い、この街で大きく商売をしていた。


 雑多に取り扱えるという事は、それぞれに販路を確立しているという事であり、俺としては販路が確立されている所に対して合うかもと思う物を提示するだけでゴードンが飛びついてくれて非常に楽。だが商材が増すという事は、大量に運び込む必要があるということ。

 全てをアデリーの部屋から運搬するのはとても面倒だった。

 その為、簡易倉庫もあるゴードンの商館で直接アプリを起動して商材を運び込む事を考えて、手伝ってもらえて秘密を守ってもらえそうな協力者が必要になったのだ。


 要するに「アデリーん家から運ぶの2度手間じゃね?」から「色々面倒だから、もうここも拠点にしちゃえ」と考えたわけだ。


 増えた取扱い商材については、A4用紙、シャーペンに替え芯、消しゴム、ノートに付箋、メモ帳等の文房具から、ウイスキーに焼酎、ブランデーといった大容量販売の酒類。

 さらにチョコレートに砂糖、ホットケーキの粉、ドライイースト、ゼラチン等のスイーツ関連用品や乾麺や乾物等の保存に優れた食材。

 その他、シャツやパンツ、靴下といった衣類にベルトやポーチ、鞄に小銭入れといったファッション小物なんかも少量ずつ。

 生活雑貨は業者から大量に安く購入できる瓶や硝子容器を主体に扱っている。ちなみに日本の業者の硝子容器のカタログを見せた時のゴードン達の目の輝きっぷりは心底やばくてかなり引いた。


 ゴードン商会は街の外れにもいくつかの倉庫を所有しているらしいのだが、俺の持ち込む商材は価値が高く、且つ市場に対しての流動性も高かった為、特別扱いとなり全て商館の倉庫に納品している。


 もちろん納品はアデリーの下僕、馬メイドのエイミーに手伝ってもらっているが、流石にケンタウロスというだけあって、俺より働き者だ。俺の指示に嫌な顔一つせずに従ってくれて大変らくちんです。


 というのも、ゴードンと握手を交わして以降、アデリーがエイミーに対して何度か『刷り込み』を行ったのが大きい。

 まぁ……刷り込みがナニかは……ね。


 しっかり刷り込みができていて、俺もご主人様と認めてもらえているので、情報漏洩の心配はほぼない。ただ……「ご主人様のご主人はご主人様なのです。何ならムチを! ハァハァ。」とか、変な事を口走るのは止めて欲しい。


 尚、商売の流れとしては、ニアワールドでゴードン商会が注文内容をまとめて、夜にアデリーの家から俺が日本に帰る前に、エイミーがッカカポっとやってきて俺に内容を連絡。

 俺はソレを受け取ると日本に戻って加藤さんへメールして就寝。

 翌日日本で起きると、アデリーの家に行って一緒にご飯食べてからゴードン商会の倉庫に移動して日本に帰る。日本に帰ると、その前までに注文していた納品物を自宅で受け取り、アプリを起動してわっせわっせと日本からニアワールドの倉庫へ運びこむ。と言う流れだ。


 まぁ、こんなことをしていればゴードンだって俺の能力に薄々というか、はっきり気が付く。

 なんせエイミーと倉庫に一緒に入って出てきたら荷物が全部積んであるんだから当然だ。


 ただし、そこは「探ったり突っ込んで来たら問答無用でもう取引しない」と伝えてあるので、ゴードンは見て見ぬフリをし深く追及してくる事はない。


 ゴードンにしても俺は金の卵を産む鶏なのだから、かなり大事に扱ってもらっていると思う。

 というか常に接待のように過剰な事はあれど、絶対に不足が無いように接されて大変心地ようございます。……なんとなく、やんわり囲いこまれているような気もするが不自由は感じないので問題ない。


 ちなみに馬メイドのエイミーは、アデリーから「イチが何かしら不利な状況になったら、何があってもすぐに私の所に連れてこい。」と言われているのを公言しており、元ご主人様よりも現ご主人様を優先することをゴードンがきちんと理解しているからだろう。

 ……おかげで接待の内容にお色気の項目が一切ございません。綺麗なおねーさんのいるお店で飲むとか……ないんです。全然。まったくもって。くそう。


 つまりどういう事かというと『アデリーにチクる監視役が俺についた』とも言える。


 エイミーは俺もご主人様と認識していて、なんでも言う事を聞いてくれるが、真のご主人様はあくまでアデリーなのだ。だから俺が「言うな」と命令してもチクる。怖くて試してないけれど絶対チクる。

 ゆえに、アイーシャたんペロペロ作戦も、アニの謎レッスンについても、どちらもまったく進行していない。進行させようがない!


 じゃあエイミーを遠ざければいい! と思うのは当然。

 ……だがこの馬メイド、根が真面目で何事にもしっかり取り組む性格をしていて、かなりいい子なの。

 それに大量に増えた取扱い品から生まれる俺の利益等の経理面についても積極的にこなしてくれて、めっちゃいい子なの。

 ゴードン商会についても勝手をしっているから、俺の取り分をきちんと把握して商会を銀行のように扱って、俺が使いたい時に現金を用意してくれたりするのだ。

 普通に街を歩いててちょっと気になる買い物をしたい時なんか「支払い? エイミーが。」的に、エイミーがクレジットカードのような存在になり、かなり楽に行動できて非常に便利で手放せないのだ。


 しかも半身馬だから荷物も持たせ放題。

 それに加えて人部分はスレンダー美人。眼福。

 悩みどころなのだ……くそう。


 さて、ニアワールドで大きく変化しているということは、もちろん日本においても立場や関わる人間等が大きく変化している。


 まず最も大きな変化は使える予算が大きく増えた。


 これは剛腕オバちゃんの采配により、回復魔法の巻物1本につき30万円の予算をつけてくれることになったのだ!


 原価を考えれば余りの大盤振る舞いだから、少し動揺しつつも、すぐさまアニには作れば作った分だけ回復魔法の巻物を買い占める旨を伝えた。今は7日毎に日本に15本を納品する形でオバちゃんの了承を得て全数の納品を行っている。


 つまり俺は毎週450万もの予算を使う事ができ、ニアワールドでゴードン商会に卸す品々については、予算を元手にして仕入れをして商品を卸している。


 また仕入れ作業は加藤さんへ任せる事ができるけれど、運搬は俺だけでは大変な為、ピッチピチの若さ溢れる中村君という「~~ッス」という語尾が口癖の男の子を新たに会社で雇ってもらった。彼に納品予定の品々を自宅へ運ぶのを手伝ってもらっている。


 日本での仕入れの取り扱い量が増えているので、俺が買い物に走るよりも、基本的に加藤さんが業者から一括して仕入れるような形が安く利幅が大きい、加藤さんが仕入れるまでもない少量の物なんかは中村君に買いに行ってもらったりしている。

 つまり、中村君はほぼほぼ「配達人」だ。


 時折「毎日毎日結構運んでますけど、どこに消えてるんッスかね? ……まぁ、別に俺が考える必要ないッスよね。あはは。」と、疑問を口にしたりするが、短時間の労働と簡単な仕事で正社員の扱いをしてくれる仕事は、彼にとっても非常に美味しい物であり失いたくは無いらしく、ぽつりと口にするだけで深くは聞いてこない。俺も答えず笑ってごまかすだけだ。秘密は秘密のままの方が良いこともある。


 中村君には俺の家に物品を運んでもらった後、俺から会社への納品物である巻物や動画、写真データの入ったメモリカード、ニアワールドで俺が職を奪ってしまった可能性のある職人が作る魔物の皮紙や、インク壺、羽ペンなどを運搬してもらっている。

 もちろん巻物は重要なので、加藤さんに「何本中村君に渡した。」と電話連絡は欠かさない。


 オバちゃんからは俺がニアワールドから持ってきた物は、日本でもマニア向けに価値があり、それなりの稼ぎにはなっているから何でも持ってこいとの御達し。


 また工業試験場に出していたアデリーの糸の試験結果は異常な物だった。

 工業試験場の研究員兼担当者がなんとか詳細を聞きに来ようとしたが、おばちゃんが「企業秘密だから。」と誤魔化した。

 なにやら担当者の話では、俺が考えていた防刃防弾だ釣り糸だのそんなレベルの話ではなく、飛行機や宇宙開発、船舶などの素材になりうる可能性を感じさせる物らしい。


 アデリーにそこまでの大量の糸を出させると……絶対に離れられなくなりそうなような、めちゃくちゃ後が怖い気がしたので、その話はどうしてもやらなくちゃいけなくなる時まで、そっと閉じておくことにした。


 アニの魔法の動画については、加藤さんがとりあえず「いきなり会社でやっても失敗したら怖いから、個人のアカウントでやってみていいか?」という事で、俺もオバちゃんも「まぁいいんじゃない?」と、了解。

 動画については収益が上がったら加藤さん個人から動画の提供という事で報酬をもらう事に落ち着いた。ぶっちゃけ予算があるから加藤さんのお小遣いになればいいや的に思ってるけどね。


 日本についてはこんな感じだ。


 なにはともあれ、回復の巻物1巻の価値が本当に有り難い。

 アニ様様、オバちゃん様様である。


 さて、話はニアワールドに戻るが、とうとうスペシャルギフトのオークションが翌日に迫っている。


 勇者はまだ戻ってきておらず、俺は勇者様と商売はできていない。

 だが、俺はもう勇者を相手に商売する必要はない。思わず笑いがこぼれる。


「ねぇ、エイミー。」

「はい。ご主人様。」

「明日のスペシャルギフトのオークションなんだけど……今、俺が使える予算ってどれくらい?」

「まだ未精算の物がございますので、現金としては白金貨8枚と金貨6枚です。」


 俺。明日……能力買います。


 もう……ポリポリに怯えなくていい……安心を買うんだ。

 そしてペロペロレッスンを……この手にペロペロレッスンをっ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ