表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
新世界の調査と基盤作り編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/166

63話 理由をきいて考えよう

本日3話目



「わたしぃ……ゴードン商会に仕えるメイドなのですぅ。」

「そのゴードン商会さんは俺に用があるんですか?」


「はいぃ。うちぃの商会ではぁ……この街のギルドの御用聞きを行っておりますのでぇ…消耗品のインクが要らないと言われ……なぜそうなったかを調べておりましたぁ。」

「あ~~……そういう事だったのかぁ…ちなみに俺をつけてどうするつもりだったの?」


「それはわぁかりませぇん。

 ご主人様に報告して……指示を待つつもりでしたぁ……」


 アデリーが糸をまるでムチのように使い、ピシィっと床を鳴らす。


「あはあぁあん! 申し訳ありませぇん! 元ご主人様でしたぁ。」

「ん。よろしい。」


 後ろで聞いていたアデリーが満足そうに頷く。

 方法はどうあれヘロヘロになっている馬メイドから自分がつけられていた理由を聞けた。

 腕を組み右腕を顎に当てて熟考する。


 どうやら俺がボールペンを販売したことで既存の商売をしていた人が割を食う形になったらしい。

 俗にいう既得権益を害したという事だろう。これはあまり好ましい状態では無いように思える。


 これまでの商売を奪ってしまい、商品が売れなくなるという事は、その人の収入がなくなり、結論として恨みを買う事になる。


 俺はこの街では新参者であり、そのゴードン商会がどんなネットワークを持っているか分からない。

 ギルドを相手に御用聞きが出来るのであれば、それなりに信用もあり規模も大きい商会なのだろう。


 で、あれば尚の事、敵対するべきではない。


 むしろ逆にお互いに利用し合って『win‐win』の関係を築いた方が良い。


 例えば俺は今運搬を自分で行っているが、それをその商会の小間使いにやらせたりとかができれば、だいぶ楽ができる。他にも倉庫なんかも持っているだろうし、そこに貯蔵させてもらうこともできたりするはずだ。


 ……それに、なんというか、俺はこの街に持ち込む日本の商材について正しい値をつけられているとは思えない。


 ボールペンにしろアンジェナが飛びつく値段という事は安価だったという事だ。明らかに適正じゃない。

 協力関係を築けばそういった事は任せてしまっても良いわけだ。


 ただ一つ気を付けた方が良いと思うところは、俺の自由を阻害されないよう気を付けるくらいだろうか。飼い殺しだけは勘弁してもらいたい。


 うまく使われないようにとか、そういった事はどうでもいい。

 俺が十分と感じる金が入って思ったように行動ができればそれで充分だ。

 それを保証してくれるのであれば、逆にうまく使ってくれればいい。


 どちらにしろコレはピンチでもあるがチャンスとも思える。

 俺がニアワールドで楽をするチャンスだ。


 考えをまとめアデリーに向きなおる。


「ねぇアデリー。ちょっと相談に乗ってもらってもいい?」

「モチロンよ。頼ってくれて嬉しいわ。」

 

「えーっと、あのエイミーさんだっけ? にはあまり聞かれたくないんだけど。」

「あ、うん。わかったわ。」


 言うが早いか、エイミーの目と耳を覆うように糸がグルグルと巻かれる。


「あひぃいぃ! ま、またですかぁ!

 も、もう堪忍してくださいご主人様ぁ~ぁ――」


 息が荒くなり身を悶えさせる馬メイド。


「うわぁ……」 


 思わず声が漏れる。


「これで大丈夫よ。で?」

「あ……ああ…うん。えっと。ゴードン商会ってメイド抱えるくらいだから大きい商会だと思うのね。

 俺って今一人で販売してるけど大きく稼ぐために、そういった商会に協力してもらうってのはアリかな?」


「う~ん……後をつけるように指示を出すようなご主人なんでしょ? 目的の為なら何でもしそうで、ちょっとイチが心配だわ。」

「それもそうか……なら俺をつけて居場所を見つけて何がしたかったのかを知る必要があるね。

 で、俺に危害を加えるような考えを持っている人間だったら話す意味もない……と。」


「そうね。それにもう、このお馬ちゃんがココに来ちゃってるくらいだし、今何もしないで放っておいても、それはそれでまた問題になりそう……早めに相手の意向を確認する必要があるわね。」

「なるほどなー。うーん……どうやって探ったらいいと思う?」


「……これからお馬ちゃんを帰して、逆につければいいんじゃない?」

「いや、俺そういう尾行とかやったこと無いし、荒事とか無理なんで。」

「私が一緒に行けばいいじゃない? もう外も暗くなってるし私こういうの得意だし。」

「えっ!? アデリーって外に出れるの?」


「なによそれ。気分が向いたら出るわよ? 別に出ちゃいけないわけじゃないし。」

「えっと、じゃあ、お手数かけますが、お願いしてもいいかな?」


「喜んで♪ じゃ、お馬ちゃんを放出するのは今日は糸いっぱい出しちゃたし御飯食べてからね。」

「あ、うん。で……アレもうなんかピクンピクンし始めたけどいいの?」


 馬メイドを指さす。

 ヒクヒクンと細かく痙攣している。


「あらま……一人で器用な子ね。別に放っておいて大丈夫よ。

 イチは夕御飯食べたんだろうけど付き合ってね。」

「手伝ってもらうんだし、もちろんだよ。」


 その後、アデリーはトーリさんが持ってきた夕飯を2階に運んで食べ始めたが牛丼を買ってきてあったのを忘れていたのでアプリを起動し自宅に取りに戻る。

 今日はまたこれから頑張って貰う事もあり卵も1パック一緒に持ってきて牛丼をプレゼントした。


 馬メイドのエイミーの拘束も解いてもらい少し話をするとアデリーが食べているのを少し羨ましそうに見ていたので、俺が食べる予定だった余った牛丼を食べれるか聞いてみた。

 すると食べられるという事でエイミーにもあげる事にしたら不思議な味わいで美味しいと喜んでいる。


 ただ、味付けは濃すぎたらしい。


 エイミーが「ちょっと塩が濃いですね」と言ってしまい、アデリーが「イチからもらって文句いうの?」とキレかけ、糸をムチ化して謝罪マシーンへと変身させるという一幕もあった。

 まぁおかげで、馬メイドにとって、ご主人様アデリーと同格以上の存在として認識されたわけだけれども……


 ちなみにエイミーのヘロヘロ状態はアデリーの毒……媚薬によるものなので時間がたてば正気が戻ってくるタイプらしい。


 食事の終わりの頃には大分話し方も戻り普通の会話ができるようになっていて、真面目そうな馬メイドである事が分かった。……が、アデリーに植え付けられた快感は凄まじかったらしく、とりあえずアデリーと話す時は目が泳いだり口調が詰まったりする。いわゆるキョドった感じだ。


 一体どんなことをしたんだろうか。

 こんな芯がしっかりした真面目そうな人が自分を保てなくなるような事だなんて……


 『資料』は確保できているはずだから日本に帰ってからしっかりと研究をする必要がある。

 あくまでも研究だ。私欲ではない。


 食後一息ついたアデリーが馬メイドに元ご主人様の意向を聞き出すように言いつけ放出した。


「じゃ、イチ。行きましょ。」

「えっ?」


 アデリーにお姫様抱っこをされる。


 ……なにこれ恥ずかしい。




修正しながら投稿していると、色々と考えることも多いですな。それがなんだか楽しいです。

もう少し登場人物がはっきりして落ち着いたら、閑話でも作って差し込みたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ