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パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
新世界の調査と基盤作り編

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46話 飯屋にウイスキーを宣伝しよう。

本日4話目




 ドワーフって……いいよね。

 なんていうか、うら若き乙女な外見に関わらず、見た目に反してそこそこ落ち着いていて気遣いもできるんだもん。

 そしてなにより腕を組んでるはずなのに、俺の手首に胸がちょいちょい当たるのが素晴らしい。


 ぷにぷにと。


 ぷにぷに。

 ぷにぷに。


 もう無意識に手首ひっくり返して鷲掴みにしてしまいそうで自分を抑えるのが大変。

 鎮まれっ! 俺の左手っ! 今暴れだしたら色々と終わるぞっ! 耐えるんだっ!


 なんて思いつつ、アイーシャにプレゼントしたウイスキーの話をしながら酒について情報収集をしてみる。


 読んだ物語では、主人公のメインストーリーがヒロインとのキャッキャウフフとモンスターバトルが主だったから、合間合間にエールやワインの宴会の描写があった程度。そんなに強い酒が取り上げられている感じもなかった。

 だから、まずはウイスキー系の蒸留酒が『有るのか』『無いのか』から確認しなくてはいけない。


 ――結論から言うと、アイーシャはウイスキーのような濃度のアルコールの酒は聞いたことも無いとの事。


 まぁ、アイーシャは最近まで酒を知らなかったわけだから特別かもしれないが、それでもドワーフだし、そういった情報は耳にしやすいのではないかと思う。

 そのドワーフが聞いた事も無いというのは、もしかするとニアワールドにおいて『蒸留』の設備や概念がまだ無いのかもしれない。

 ワインやパンがあるから『発酵』や『熟成』については知識や技術を身につけている者がいるだろう。


 そいつを見つけ出して協力を要請しニアワールド内完結型の事業の一つとして『蒸留酒製造』をやるのも良いのかも……なんせ可愛いドワーフと左手がつながっているから、どうしてもアイーシャが好きそうなウイスキーやブランデーをニアワールド内で手にすることができるようにして、ついでにアイーシャを手に入れようという考えばかりが頭を巡る。


 そうこうしている内に店に着いた。


「いらっしゃ~……ぃ? あ~れ?」


 店員の女神が中途半端な挨拶をしてくる。

 俺とアイーシャを交互に見て手に持っていたお盆で口元を隠し


「うふふ。真昼間まっぴるまから仲良くデートですかぁ~? うふふふふ。」


 と、冷やかした。


「なっ、そ、ち。」


 アイーシャがまた謎の言葉を放ちながら固まる。


「あはは。残念ながら、まだデートじゃないんですよ。」

「おやおやイチさん~? 『まだ』って事は、これからするんですか~? それともしたいんですか~?」


 お盆を下げニヤニヤしている口を見せる。

 うむ。ニヤついて冷やかしてても女神は女神だ。


「あぁしまった……つい、本音が。」

「なっ!」


 また、アイーシャからボンっと音が聞こえ固まる。


「あららら、なんだかご馳走様~。

 ウチはご飯出すところなのに先にご馳走になってちゃ『飯屋エラド』の名折れだわ~。さぁ! お熱いお二人さんをテーブルにごあんな~い!」


 スキップでもしそうな軽快なステップで案内をはじめるかと思たら、くるっとターンをして、こっちを向く女神。


「ちなみに今日のお勧めはオークステーキ。

 珍しいところだと漁師さんが干物持ってきたから、刀魚とうぎょのハーブ焼きがあるよ。」


 同じくらいの年の子だと間違いなく惚れてしまうであろう笑顔でオススメを伝えられながら奥のテーブルへと案内され座る。


 女神はまだ運ぶものがあったのか、それとも何を注文するか話し合う時間を持たせたのか、すぐに離れていった。


「ここって『飯屋エラド』って言うんだ。」

「うん。そうよ。

 ニンニのお父さんがエラドさん。」

「ニンニって、もしかして店員のの名前?」

「そう。飯屋エラドの看板娘ニンニちゃん。

 元気で可愛いよね…………大きいし。」 


 ニンニを目で追いながらニコニコしていたアイーシャが、なぜか最後だけテンションが下がったように言う。


「……そうだよね。

 まだ若いだろうに……身長…大きいよね。」


「あ…………あ、うん。そうそう。

 私一応ドワーフだから、憧れちゃうのよね。うん。身長。」


 うん。

 アイーシャが最初に大きいと言ったのは、違う所だというのは分かっている。


 でもアイーシャ。

 それは違う。断じて違う。


 おっぱいは、小さかろうがおっぱいなんだ。

 どのおっぱいも幸せを運ぶんだよ。

 それに『アイーシャのおっぱい』という価値は計り知れないのだよ。

 おっぱい最高っ!


「おっp……オークステーキと、刀魚のハーブ焼きがオススメらしいけど、アイーシャはどっちが好き?」


「う~ん……刀魚…はちょっとお高いから、オークステーキかな。」

「そっか。」

「おっふたっりさん。おっ決まりですか?」


 ようこそ弾むおっぱい。


「おっp……うん。

 ねぇアイーシャ。俺、刀魚が食べてみたいんだけど、どう?」


「う~ん……うん…いいよ。」

「あぁ心配しないでね。自分の分は自分で出すからさ。」

「え? でも、誘ったの私だし。それにこの御飯はお礼だし。」


 ニンニに聞こえないように、アイーシャに耳打ちしようと顔を近づける。すると、アイーシャが察して耳をよこして来た。……耳をはむはむしたいれす。うひひ。いや。違う。


「実は、そのお礼分を料理じゃない形で手伝ってほしいんだ……コレの件でね。」


 床に置いたウイスキーを指す。


「水割りとかでエールの代わりに使えると思うんだ……ただ、俺。この店の常連でもなんでもないからさ、ちょっとどう話したらいいのか分からないし、そもそも誰に話したらいいかとか分からなくて困ってるんだ。」


 アイーシャは合点がいったように頷く。


「わかった。まかせといて!

 あ、でも、やっぱりご飯は私だすよっ!」


 そう言ってニンニに笑顔を向けるアイーシャ。


「ちょっと奮発して2人とも刀魚のハーブ焼きをお願いするわ。あと、エラドさんの手が空いたら一度来てもらっていい? と~~っても美味しい物があるの。」

「は~い、かしこまりました~。お熱い二人は食べる物も豪勢だね~、いいなぁー。お父さんには伝えておくね。」


 ニンニが前かがみになって小声を発する。

 ぷるんたわわがたわわで素晴らしいです。はい。


「ところで美味しい物って、あのお菓子のこと? アレすごく美味しかったよ~。ありがとねイチさん。

 まぁ……お父さんに全部取られちゃって、あんまり食べれなかったけどね。

 お父さんったら、あのお菓子に興味津々だったから、私が伝えたらきっと飛んでくると思うよ?」


「あぁ。そのお菓子もありますけど、またちょっと別のモノなんですよ。」

「へぇ~。なんだか楽しそうね。じゃ、オーダーと伝言に行ってきまーす。」


 女神はいいのう……後ろ姿を見ているだけで幸せになれる気がする。

 だが目の前にちみっこドワーフがいるのだ。迂闊にじっと見たりはしないぜ!

 アイーシャに礼を言い、時計やウイスキーの話をしながら料理を待つことにした。


 やがて幅15cm、長さ20cm、厚さ4cmくらいのステーキのような焼いた切り身とマッシュポテトを乗せた木の皿を2つニンニが持ってきた……ので早速食べる。


 おお、真っ白なシャケっぽい。

 ほろほろと崩れる身は食べやすく、噛むほどに旨みが染み出してくるような味わいは中々見事。

 さりげなくハーブがいい仕事をし塩が全体を引き締めて大きくてもしっかり全部食べ切れそうだ。


 アイーシャは魚が好きなようで嬉しそうな顔で食べている。その姿を見ているとちょっと幸せになる。


 はむはむ食べているアイーシャの顔を眺めていると、

 『お金の心配せんでもええんやで。オッチャンが全部払ったるさかいな。安心して食うんやで。』

 と思わずにはいられない。


 アイーシャは結構ゆっくり食べるようでペースを合わせながら食べ進めて3分の1を残す頃になると、口ひげハゲが店の奥からやってきた。


「よう。なんか美味いもんがあるんだって? そういう話は大歓迎だぜ。」


 おっと、アイーシャたんお楽しみタイムはここまで。ここからはビジネスだな……なんて思ってたらアイーシャがまるでどこぞのテレビ通販顔負けのテンポで、ウイスキーがどれだけ美味しかったかを語りプレゼンしてくれて、エラドがぐいぐい食いついてきた。


 なので俺は


「その品がこちらです。」


 と言って、ウイスキーをドンっ!っとテーブルに乗せただけで、なぜか周りを巻き込んでの宴会が始まっていた。

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