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パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
新世界の調査と基盤作り編

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39話 LEDランプ5個精算

本日5話目



 「っんが。」


 珍しくバチっと唐突に目が覚める。朝の5時半だ。

 休むのも早かったし、しっかりと眠った感覚はあるので問題はない。


 まずはデジカメの盗撮画像をPCに移して選定。選んだ写真を大容量ファイル転送サイトを使って加藤さんのメールに送る準備。

 時間もあるのでゆっくりシャワーを浴び、ご飯を作って食べのんびりとした時間を過ごしてからアップロードが終わったURLを連絡する。


 なんとなくテレビをつけてみたり久しぶりにコーヒーを淹れたりしながら、昨日考えた通りに進める準備を始めた。


 LEDランプ5個、勇者に渡してもらう日本語で作った枠のある手紙2枚。もちろん1枚は予備。ノベルティボールペンに手紙を入れる封筒。20個入りのチョコ2袋を鞄に詰めると、結構パンパンになったが、まぁ、モニターは問題なく通れるだろう。


 だらだらrネットを見たり通販サイトを見たりしながら、買ったら良い物を眺めていると髪染めとシャンプーとかを買うのを忘れていたのを思い出した。


「まぁ……追々でいいか。

 髪洗うとことかも要るし……あ。生活魔法とかで、クリーンの魔法とかあったな確か。」


 クリーンの魔法が使えるのであれば特段の施設を必要とせずに髪染めして洗髪できるかもしれない。


 クリーンの魔法――初期の便利魔法だから、街には普通に使える人がいるって感じだったから、ついでに探してみるか。

 というか、谷間のおねーさん。アニが魔法使いっぽいし使えそうだよな。聞いてみよう。


 などと考えていると8時になろうとしていた。


「ん。そろそろ行くとするかな。」


 PCを落としアプリを起動する。

 モニターを通してアデリーがテーブルでご飯を食べているのが見えた。


「あ、おはよ。アデリー。」

「あらおはよう。ダーリン」


 おおっと。

 この蜘蛛、日に日にパワーアップして行きやがる。末恐ろしいわ。


 なんて思いつつモニターをくぐる。


「え~っと。

 ダーリンはやめてください。」

「……ハニー?」


 不思議そうな顔をして首を捻りながら呼び方を変えるアデリー。

 いかにも『なにかオカシイこと言ったかしら? 言ってないわよね?』ってツラだ。


「俺はイチですよ。アデリーさん。」

「さん付けはやめてよう。」

「じゃあ俺の事も名前で呼んでよう。」


 ふくれる真似をして返すと、少し不貞腐れながら了承するアデリー。

 テーブルを見ると卵とパンとスープを食べている。


 遅い朝ご飯に思えるけれど、きっと持ち回りの奥様も自分の家族に提供してから持ってくるんだろうし、その分の差があるんだろう。


「あ。そうだ。

 アデリーってクリーンの魔法使える?」


「ん~、胸をはって使えると言えるほど使えないわね。

 どちらかというと私は攻撃とか補助が得意なのよ。」

「補助?」


「うん。毒とか麻痺でサポートとか。」

「へ~。なるほど。」


 さっすが危険色カラーの蜘蛛。

 イメージまんまで、ある意味ほっとするわ。


「さぁて。じゃ、ちょっと行ってくるわ。」

「は~い。気を付けてね。って、その前に――」


 テーブルの横にずれ手を広げるアデリー。

 これはハグの催促ですね。はい。もう諦めるしかないので大人しくハグされに向かう。


 ……むぅ。

 やはりこのフニョンフニョンは、嫌いじゃない……嫌いじゃないぞ! こんちくしょう!


「今日は戻りはどうなの?」

「……また夕飯時かなぁ?」


 昼前に戻るとか言ったら絶対一緒にメシになるもんな。余計な事は言わないに越したことはない。

 フニョンから解放され、ニコニコ手を振るアデリーを背にブライアンの所へ向かうと、朝も早いが、店の戸は全開になって換気が行われていた。


 昨日いなかったアイーシャは居るかな?


「おはよーございまーす。」

「おう。おはようさん! はえーな、イチ。」


「えぇ。ブライアンさんがLEDランプ買ってくれるのが嬉しくて、つい張り切っちゃいました!」

「はははっ! 商魂逞しいなぁイチは。」


 店内を見回す。

 カウンターに時計が壊れずに残っているのが目に入る。


「お? 時計そのままですね。

 ブライアンさん壊すんじゃないかと少しハラハラしてたんですよ。」

「オイオイ。流石に前で懲りたよ。

 アイーシャに渡した後にアイーシャから借りればいいんだからな。ちょっとの我慢だ。」


 壊す気マンマンかよ。

 ってーかアイーシャはまだ来てないって事だな。


「じゃあ早速ですが、LEDランプなんですけど3個の注文でしたが、予備含めて今5個持ってます。

 全数置いていく事も出来ますけど……いかがですか?」

「ほう……」


 ブライアンは黙って考えている、きっと売り先の段取りをしているんだろう。

 こういった時は何も言わず黙しておくのが一番だ。


「うん……問題ねぇな。よっしゃ! 全部売ってもらっていいか?」

「有難うございます。そうしたら、1個銀貨2枚で行くと……金貨1枚ですかね?」

「おう、そうなるな。手持ちは一応あるが銀貨は多めに取っときたいから金貨で支払いでもいいか?」

「えぇ。構いません。」


 ブライアンが奥に消えていく。

 LEDランプを鞄から取り出し、カウンターに並べチョコの袋を開封し7個取り出しておく。


「おはよーっ……てイチじゃないっ!」


 後ろからアイーシャの声がしたので振り向く。


「あぁ、おはようアイーシャ。

 ブライアンさんにLEDを納品にきたんだよ」

「イチー! お酒ありがとうね!!

 アレすっごく美味しかった! 私あんなに美味しい物があるなんて知らなかったわ! 本当にありがとう!」


 アイーシャが俺の手を掴みピョンピョン跳ねながら物凄いテンションで話している。


「あぁ。これだけ喜んでもらえれば俺も嬉しいですよ。」

「でもあんまりにも美味しいからね! もうちょっと、もうちょっとって少しずつ飲んでたハズなのに、気が付いたら無くなっちゃってたの。」


 『しゅーん』と音が聞こえそうなくらい落ち込んでいる。


「あはは。流石ドワーフ。

 あのキッツイ酒を一本すぐに空にするなんて中々できませんよ。

 まぁ手に入れる事が出来ますから、欲しくなったらいつでもお譲りしますよ……流石にタダと言うわけには行きませんけど。」


「……ねぇイチ。

 あのお酒はどれくらいのお値段がする物なの?

 容器からして高そうなだなとは思ったんだけど。」


 少し怖い物を覗くような顔で聞いてくるアイーシャ


 俺は飯屋に4リットルの安ウイスキーを銀貨2枚で売ろうとしている。

 アイーシャに贈ったのは、値段的には4リットルより上質で結構高い。

 今後の売値を考えると……


「まぁ、銀貨1枚ってとこですかね。あの酒。」

「ぎっ……」


 アイーシャの顔が絶望の色に変わる。

 LEDランプを銀貨2枚で買おうとしてたくらいだから、余裕があるのかと思ったが、そうでもないのか?

 絶望からハっとした顔に戻るアイーシャ


「って、イチはそんな高い物を私にくれたのっ!?」

「あぁ……えぇ。そうですね。なんせアイーシャ可愛いですから。」

「ばっ!」


 ボンっ!と聞こえそうな感じでアイーシャの顔が赤くなる。


「おーう。待たせたなイチ。」

「あ、いや。全然ですよ。

 アイーシャが相手してくれてましたんで。」


「おうそっか。おはよーさんアイーシャ。」

「お、お、おはいアン」


 変な顔をするブライアン。


 ……きっと『おはようブライアン』が略されたんだな。

 くっそ可愛い。


「まぁいっか。

 イチ。ほら、金貨1枚だ。確認してくれ。」


「有難うございます。

 ブライアンさんも品物を確認してください。

 あとチョコも個数分とお二人の分を置いていくので、良かったら売り先の人と話のタネでもしてください。」

「へぇ。わりぃな」


 ブライアンはチョコをすぐに一つ食べ微笑んだ。

 俺は手の平にある金貨を眺める。初の金貨。


 結構ずっしりとした重みがある。

 20グラムくらいはありそうだ。


 純金の値段はグラム約5000円くらいだから、現実の世界でも約10万円程の価値があるんだろう。

 一瞬金貨を持ち帰って現実世界で売る事を考えたが、純金の個人売買になると税務署が黙っていない。

 会社に流すにしても『俺から会社が買う』処理になり、結局俺からは個人売買だ。


 確か高額の売却の場合、売却先が税務署に申告する制度があったはずだから非常に面倒な事になりかねない。


 なぜなら俺が日本で純金を売っても、純金を購入した証拠が無いのだ。

 つまり税的には俺が売った純金は全額が利益となるから全額課税対象となってしまう。非常に無駄に税金の支払いが増えるような事は考えたくない。


 金貨をつまみ、目の高さに持ってくる。


 この金貨はニアワールド内で使おう。そうしよう。


「イチって……お金持ちなんだね」


 アイーシャが俺の様子を見て、何となくポーっとしている。


「あぁ、そうだアイーシャ。

 イチがな。昨日お前にってこんなもん置いてってたぞ。」

「え?」


 アイーシャがカウンターに行く。


「それ時計です。あぁ。説明が少し面倒ですね……まぁ、ネジを巻いておくと規則正しく針が回るので、時間の指標にできるんですよ。

 そのローマ数字……模様が数字の1~12を表してます。2周回ると丸1日が過ぎてるって感じです。慣れると非常に使い勝手がいいですよ。」


 興味深そうに触り、そしてネジを巻いてみて時計に耳を当てるアイーシャ。

 動いている事が分かったのかキラキラした顔をして俺に向かって走ってきた。


「ありがとーーー!! イチーーーっ!」

「うぉう!」


 アイーシャが俺に抱き着いた。

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