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パソコンが異世界と繋がったから両世界で商売してみる  作者: フェフオウフコポォ
新世界の調査と基盤作り編

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28話 転ばぬ先の杖の勇者対策

「オークのレバーはもう食わん。」


 敢えて決意を声に出すことで、ただ思うだけよりも、それはずっと強い思いになる気がする。

 ちらりと時計を見ると深夜1時。


 物悲しいため息をつき、眠る事にした。

 あぁ……とても……むなしい。


 布団に横になり目が覚めてから、やるべき事を考える。

 『アデリーをどうするか』というのはどうしても頭に過るので一旦思考から除外する。


 まずは何よりも優先するは


 『勇者対策』


 これに尽きる。


 もし勇者対策がまるでできない場合は、異世界は封印すべきという結論になる。なんせチート勇者に狙われるなんて怖い怖い。

 ただ、その場合でも最後にせめてアイーシャたんか、女神のペロペロチャンスは欲しい。


 勇者対策ができる場合は、会社の加藤さんにイケメン写真を提供して、やる気を漲らせた上で経費の交渉。

 その後、アイーシャたんの好きそうな道具を探す。

 その他、勇者売買用超高級品の検討。

 ……例としては、昔の乾電池で動くゲームとかもいいだろう。

 消耗品の乾電池の販売で定期収入も見込めるし、ソフトも売れる。


 チョコレート作戦および靴下作戦も継続ってところか。

 チョコレート作戦は今日は中央広場とかを、そんなにうろつけなかったような気がするし、気になった屋台の人がいたとしても、俺に声をかけることができなかっただろうしな。

 そろそろ誰か声をかけてきてもおかしくない頃合いだろう。


 後は靴下作戦。


 ……アデリーだよな。

 ぶっちゃけさっきの対応は女に恥かかせたみたいなもんだろ?


 まぁ『結婚する相手以外とそういう事はしない』とか『誠実でありたいんだ』とか『君の身体の事を考えて……大事にしたかったんだ』とか言っておけば納得してくれるだろう。うん。


 すっぱり切るとかになると最悪ポリポリ食われることになりかねんからな。……怖い。

 なにより靴下の販売に向けて少し動き始めてるし、動く拠点になるような所があるのは嬉しい。

 てゆーか。万が一そういう関係になったとしたら、アラクネとはどうやったらいいだろうな?


 ……ちょっと興味湧いてきたけど、コエーもんはコエー。むりー。


 なにはともあれ。

 勇者対策次第だな。


 …………


 ……



 「……オークレバーすげぇな。」



--*--*--



 だいぶ日が高くなってから目が覚める。

 時計を見ると10時。


 「……オークレバー……『すげぇ』とか言うレベル超えてんな。」


 とりあえずシャワーを浴び、インスタントコーヒーを飲みながら頭を働かせる。


 充電していた電話を取り『神様』に発信する。

 2コール目で電話が繋がる。


「おぉ。なんだか久しぶりじゃのう。楽しんでおるか?」

「ご無沙汰しております。我らの父たる神様。矮小な私めの電話に出て頂き感謝に堪えません。有難うございます。あぁ有難うございます。」


 ん? どうして無言になるんだ神様よ。


「……な、何が望みなんじゃ! 気持ち悪いのう!」

「そんなっ! 神様に願い事だなんて滅相もございません! 偉大な神様に対して素直な気持ちを述べたまででございます。」


「もういいわいっ! いいから本題を言え! むずがゆくて仕方ないわ。」


「えっとですね。昨日知ったんですが、今ニアワールドだと能力とかの売り買いが行われるようになっているのは……神様は当然ご存知ですよね?」


「……はぁ。あぁ、もちろんじゃな。」

「勇者が作った秘術らしいんですが、もしかすると俺の現実とニアワールドの行き来できる能力って狙われるんじゃないかと思ったんですよ。それでチート満載の勇者に狙われるなんて怖すぎて、もう行けなくなりそうで相談に乗って頂きたかったんです。」


「あ~……なるほど。確かにそういう可能性もありじゃな。フェッフェッフェ。」


 笑い事じゃねーよ。とは思うだけにしておく。


 ………


 あれ? もしかして思った事伝わった? と思うような無言が続く。


「え、えっと……神様?」

「ん。言わんとする事は分かった。」


「勇者に狙われんようにすればいいんじゃろ?」

「あ、はい。もし可能であるならば。ですけれども……」


「まぁワシとしても、今更勇者に別の世界に行かれても困るからの。

 お主の『行き来できる能力』は『譲渡不可』と制約をつけておくことにする。それでよいか?」

「あ、はい。有難うございます!

 ……あと、もし可能であれば『いいなりにさせる系』の秘術とか奴隷契約とかも無効化してもらえると非常に有り難いです。なんせ俺の自由を奪って奴隷にさせられて従わさせられるなんて事も考えられますし。」


「……用心深いのう。まぁ『行き来できる能力を目的とした場合に限って』ならば、良いかの。」


 ふむ。奴隷になる可能性はある。という事か。でも上々だ。


 できればこれらの事を全部勇者に告知して欲しいとも少し思うけれども、そこはもう自力でなんとかするしかないか。


「うむ。それではまぁ、ニアワールドを楽しむがよいぞ。」


「あぁ。有難うございます神様。すごいです神様。最高です神様。有難うございます。有難うございます。」

「だからむずがゆいんじゃー!」


 電話が切れる。

 嫌そうにしながらも、きっとあの神様の事だから喜んでいるだろう。

 また何か世話になるかもしれないからな。うん。


 よし。とりあえずの一番大きな懸念は60%くらいは解消された気がする。

 折角楽しくなってきたところだったから封印処理にならなくて何よりだ。


 さて……となると昨日考えた予定の通り、まずは会社に向かおう。

 加藤さんにイケメンの写真を渡すんだ。


 昨日はPCに移すだけで選り分けはしてなかったけど、時間ももったいないのでアデリー以外の写真を全部USBメモリに移動し、会社に向かった。



--*--*--



 人って興奮すると、鼻血が出る事って本当にあるんだな。素でビビったわ。


 会社についてオバちゃんは出かけてたから、そのまま加藤さんの所に行き

 「戦利品にございます。」とUSBメモリを差しだして中身をチェックしてもらった。

 屋台のイケメン写真。まぁ~喜んで頂けましたよ。うん。

 力こぶと腹筋写真は、それはそれは興奮されてましたとも。上半身裸もまぁ~好評でした。鼻息荒いの伝わってきたもん。


 ちなみに鼻血はどこで出たかと言うと、葡萄を運んでもらったオーファンの男の子の写真ゾーンに入った時だ。

 「ンフーンっ!」

 っていう鼻息が聞こえたと思ったら、チロっと鼻血も『こんにちは』してた。


 で、鼻にティッシュ詰めながら、逆に「一眼レフなり、解像度の高いカメラを買ってきなさい」と加藤さんからお達しを受ける始末。やったね男の子撮っておいてよかった。

 その後は加藤さんがどうやらじっくり鑑賞したいようで早々に追い出されてしまいましたとさ。


 追い出されたので言いつけの一眼レフを探すついでに勇者関連の物も買いたかったので、中古品販売店に寄り、一眼レフと白黒の電池で動くゲーム機とソフトを購入

 アイーシャ用になんかないか探すと、アナログのネジ式の時計が目についたのでそれも購入。


 チョコレートは安い物はストックがまだあるので靴下を買いに行き、ようやく家に帰ると諸々じっくりと見回って買い物したせいか16時を回っていた。


 今日はもうニアワールドには行かずに家でのんびり過ごそうかな? とも思ったけれど、確実にアデリーになんか言われそうな気がしたので、少し憂鬱になりつつも、せめて顔だけは出しておくことにした。


 夕食の時間も近いし、きっとアデリーの家からは出ないだろうし、ニアワールド衣装は着ずにジャージのままで炊飯ジャーからご飯をタッパに移し、卵を1パックと靴下を持って向かう。


 ご飯と卵、靴下をお盆に乗せてPCモニタの前に置き、アプリを起動する。


「いたっ!」


 とアデリーの声がしたので、とりあえず首を突っ込み。


「大丈夫? アデリー?」


 と、声をかけた瞬間。

 アデリーに抱きしめられニアワールドに引きずり込まれた。


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