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光と陰の。

作者: 碧井うみ


この世界には、光と陰がある


光の世界の住人は、とても幸せに暮らしている

悲しいことも、苦労もほとんどなく

ただ笑って暮らしている


光の世界の住人は

暗く悲しい話が大嫌い

陰の住人の話なんか聞きもしないで

「明るくやろうよ」なんていう


陰の世界の住人は、光の世界を遠くから眺めるだけ

彼らは近寄れないし

闇に慣れすぎた目には光がまぶしいと言う

そうしてまた、光の世界に赴くことを断念する


時折陰の世界の住人が光の世界の住人に出くわすと

光の世界の住人に汚い目で見られる

そうして、しまいには「あっちに行け」と言われるんだ


なぜかって?

光の住人からしたら

陰の住人たちは見ているだけで暗い気分にさせられるからさ


光の世界の住人は

陰の世界の住人に目もくれない

そもそも陰の世界が存在することさえ知らずに(知らないように)生きている


光と陰の世界を統制する者たちは

光の住人が陰の住人に気が付かないように

新しいおもちゃを次々に与える

世界を映す画面には、今日もくだらない笑い


光の世界の住人はいう

「楽しかったらそれでいいじゃないか」

「暗い気持ちになってもつらいだけだよ」と。

陰の世界の住人の暮らしや人生には目をくれず

今日もバカみたいな、なんの記憶にも残らない画面を見て笑っている


光の世界の住人はいう

「陰の世界の住人は暗くて付き合えない」と。


陰の世界の住人が「死にたい」とつぶやけば

「生きたくても生きられない人がいるのに」なんて偽善

彼らの現状なんてお構いなしに、ただ突き放すだけ


「死にたい」なんて考えたこともない住人と

毎日を「死にたい」と思って暮らす住人


本当は同じ世界で暮らしているはずなのに

決して彼らが交わることはない

それはまるで、世界が分裂しているかのよう




この世界には光と陰がある




あなたはどちらの住人ですか?




ちょっと過激すぎたかもしれませんね。先日あるドキュメンタリー番組をみて、自分がどれほど幸せかを知り、同時に日本社会の悲惨な現状からどれほど目を逸らしてきてしまったかについて考えさせられました。批判をする前に、彼らの話も聞いてあげてほしい。そんな思いから今作に至りました。お読みいただきましてありがとうございました。よろしければご意見・ご感想等お聞かせください。

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