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とある貴族の成長記録  作者: 安芸紅葉
第1章 幼年期・修行
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第8ページ ステータス

三歳になりました。

精霊と契約を結んでから一年。


この一年は、ひたすら精霊魔法の練習だった。

どうにも俺は、自分自身で魔法を使う才能がないようだ。

どの基本属性も使うことができなかった。

でも、これは俺の独学だったのでやり方が違っているのかもしれない。


何故だか母さんも父さんも、俺が魔法を使うことを大反対したんだ。

危険だからというのが理由らしいけれど、だったら精霊魔法はどうなの?っていう話だと思う。


ただ、精霊魔法は早めに使えるようにならないといけないらしい。

使い方を知らないと、精霊に魔力を渡して暴発させてしまう危険性があるからだとか。


そう言われると納得するしかなくて、俺は精霊魔法をひたすら練習していた。

セレナ先生も偶に顔を見せて教えてくれたし、何よりサラの存在が大きかった。


精霊自身に精霊魔法を教えて貰えるというのはとてもタメになった。

コツというか魔力の流れを意識して、より効率よく精霊魔法を使えるようになったんだ。


そんなこんな一年間で俺の精霊魔法の実力はかなり伸びてセレナ先生からも認めてもらって免許皆伝と言ってもらえた。

セレナ先生は、サラを見てブツブツと何か言ったあと、学校を休職したらしい。

今は中位以上の精霊と個別契約を結べるように旅しているみたいだ。

なんだか申し訳ない。


---


そして今日。

三歳になった俺は教会へと向かっていた。


この世界の常識として、子どもは三歳になったら教会でステータスカードと呼ばれる物を作ってもらい、自分のステータスを知るのだそうだ。


俺はやっと自分のステータスを知ることができるということで、今日を待ちに待っていたのだ。


精霊が持つ固有スキル「真実の瞳(スピリチュアル・アイ)」は、相手の本質を視ることができるそうだが、詳細なスキルなんかは視えないそうだ。

もし視えても教えてくれたのかはわからない。


俺と契約してくれたサラは、気分屋なところがある。

だいたいは力を貸してくれるのだが、そちらの方が面白いと思ったら放っておかれることがある。


サラの友達だという精霊たちが一気に大量に押しかけてきたときは、あまりに突然なことでなんにも反応できなかった。

もみくちゃにされているところを、偶々来てくれたセレナ先生に救出されなければどうなっていたことか。


閑話休題。


そんなこんな待望の教会へとやって来た俺は、父さんと母さんと一緒に、王都の教会で一番偉い人物の所に挨拶に行く。


「これはこれは、ようこそいらっしゃいました。シュレルン公爵家の皆さま」


60代くらいの白髪頭を綺麗にセットしたおじさん。

王国の創造教会をまとめているマタイ・サルディデーラ大司教だ。


物腰柔らかで、一見人畜無害に見えるけれど、腹の中で何考えているかわからないから注意が必要な人だ、と父さんに言われた。

三歳児に言うことではないと思うけど、最近父さんは俺のことをあまり三歳児と見なくなっていた。

まぁ色々やったから発育がいいとかいう問題ではなくなってしまったのだろうと思っている。


「こ、こんにちわ。シュレルンこうしゃくけじなん、ベンジャミン・ハイリッヒ・フォン・シュレルンです。きょうは、よろしくおねがいします」

「はい、こんにちわ。こちらこそよろしくお願いしますね、小さな紳士さん」


俺の頭を優しく撫でてくれる大司教を見ると、そんな風には思わないけれど、そこがこの人の怖ろしいところであるのだろう。


俺達は、大司教自らの案内で小さな部屋へと通される。


どうやら俺のステータスカードはそのまま大司教が作ってくれるようだ。


このステータスカードを作ることができるのは、教会か冒険者ギルド、それぞれの領地の領主なども作ることだできるらしい。


大司教に言われるまま、ハンドボール程の大きさがある水晶を利き手に持ち、反対の手に銀色のカードを持つ。


すると、水晶が輝き始め、それと同時にカードに文字が浮かび上がり始めた。


三年間の勉強のおかげで、俺はこちらの文字の読み書きを一通りできるようになっていた。

字が下手だからあまり書かないようにしているけど。


水晶の光が止んだ後、ナイフで指を少しだけ切って血を一滴垂らす。

これで、このカードは俺だけを認識するようになったはずだ。


気になるカードの中身の方はこうなっていた。


―・―・―・―・-・-


ベンジャミン・ハイリッヒ・フォン・シュレルン 男 3歳

種族:人族

HP:4000

MP:2500

魔法属性:空間

<スキル>

格闘術、空間魔法、精霊魔法、並列思考、空間感知、魔力制御

<ユニークスキル>

精霊眼(スピリチュナー)

<称号>

「精霊を視る者」、「精霊の友」

<加護>

「精霊王の加護」


―・―・―・―・-・-

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