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とある貴族の成長記録  作者: 安芸紅葉
第1章 幼年期・修行
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第1ページ 状況確認

目を開けて、知らない金髪女性が嬉しそうにはしゃいでいたらあなたはどう思いますか?

俺の場合はこう思いました。

「うわー綺麗な人だなー」


正直意味がまったくわからなくて、それ以外の感情湧いてこなかったです。はい。

え、これどういう状況?


俺は確か交通事故に遭って…

この人は看護師さんとか?


でもそういった感じはまったくない。

見栄えのいい赤い服を着たその女性は、嬉しそうに俺を抱いている。


ん?

抱いている?

そこで俺は更におかしい状況に気付いた。

俺は今この女性に抱かれている。

いや、性的な理由ではなく物理的にね?


現在高校生の俺は、そりゃ大きくはなかったのだが、だからと言って女性の細腕で抱けるとは思えない。

それになんだか体が重い気がする。

うまく動かせないのだ。


首が回らないというか。

指示がうまく伝わっていない感じ?


どうにかこうにか自分の姿を見ようとして手を挙げてみる。

どうにもおかしい。

自分が意識して挙げたはずの手は、赤ちゃんの手のように小さかった。


あれ?これって…もしかして…転生ってやつ?

そっか俺一度死んだのか…

気付いたらすんなりと納得してしまった。


何故前世の記憶があるのか、とか。

ここはどこなのか、とか。

疑問はたくさんある。


けれど、死んでしまったなら仕方ない。

こうなってしまったなら仕方ない。


たぶん、目の前の人が今の俺のお母さんなんだろう。

綺麗な人だ。

それに優しそうな人だ。

この人なら、きちんと育ててくれそうだ。


でも、この金髪は地毛みたいだ。

俺は外国に転生したのだろうか?

それはそれでいいな。

英語は覚えないといけないかな。

苦手なんだけどなぁ…

まぁ住んだら覚えるっていうし大丈夫かな?


よし、新しい人生!

今度は悔いのないように生きよう!


---


えっと…

どうやらここは異世界のようです。

何言っているかわからないって?

俺もです。


初めにおや?って思ったのはメイドさんたちだ。

いや、この時点でおかしいとは思ったけど、かなり裕福な家なのかなと思っていたりもした。

でも、メイドさんたちが物を浮かせて運んだり、手から火を出したりしてたらさすがにわかる。


俺が転生した世界は地球とは別の異世界で、魔法がある世界なのだと。


衝撃だった。

地球じゃないこともそうだけど、魔法があることそのものが、だ。


これは俺にも使えるのでは!と期待した。

すぐに脱力したけど。

だって使い方がわからないから。


まぁ今はいいか。

いずれ教えてもらう機会もあるだろう。


しかし、赤ん坊というのは暇なのだ。

魔法練習することもできないし、動くこともままならない。

加えて言語もわからないときてる。

身体をゆらしえ寝てることくらいしかやることがない。


せめて言語はどうにかならないだろうかと必死になって覚えようとしているのだが、なかなかうまくいかない。

俺の名前がベンジャミンであることくらいはわかった。


言語はわからないがなんとなくで自分がどういう立ち位置にいるのかはわかってくる。


メイドや執事と思われる人たちが俺のことをものすごく丁寧に扱う。

とても大事にされてるのがわかる。


それに、父親や母親もよく顔を見に来る。

その度に笑ってやると強面の父さんの顔がだらしなく歪む。


そう、父さんの顔は怖い。

冗談抜きで怖い。

最初見たときどこの組長かと思ったよ。

俺は母さん似だといいのだけど…


それと、俺には歳の離れた兄がいるようだ。

偶に来ては笑いながら俺の頭を撫でてくれる。

前世では一人っ子だったから照れくさいけど嬉しい。


どうやらうちは、所謂貴族らしい。

着ている服はいいものだとわかるし、偶に人が訪ねて来て、父さんや母さんに恐縮しているのがわかる。

尊敬されているようで子どもとしては嬉しい。


でも、貴族かー

生活は問題ないだろうけどしがらみとか多そうだなー…

まぁそんな先の話より、今は言葉を覚えることが先だな。


赤ちゃんの時から意識があると、大変だ。

自然と覚えるはずの言葉も、意識して覚えないといけない。

何より、自分のことが自分でできないというのが辛い。

食事や排出の世話をこの歳になってやられると物凄く恥ずかしい。

いや、まだ0歳みたいだけどね。


とにかく、早く自分のことは自分でできるようにならないといけないな。

よし!

とりあえず言葉を覚えることだ。

それからなんとか行動できるようにしよう。

目標を決めるというのはいいことだ!

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