第0ページ プロローグ
「とある異世界シリーズ」2作目です。
「とある冒険者~」に成長した主人公がでてきますが、このお話は「とある冒険者~」が始まる前のお話となります。
少年はどこにでもいる普通の高校生だった。
何の取り柄もない平凡と言ってもいい少年は、ある日突然その短い人生を終える。
どこにでもある交通事故。
飲酒運転の被害者。
それが少年の最後だった。
最後の瞬間、少年の脳裏には17年の人生が走馬灯のように駆け巡った。
そこから奇跡的な回復をするわけでもなく。
少年の人生はあっさりと幕を閉じる。
はずだった。
目が覚めたとき、そこは見覚えのない天井だった。
「―――?」
なぜだか声が出しづらい。
言葉として発声できないのだ。
そんな俺の声に反応したように突然女性が視界に現れた。
女性は幸せだと言わんばかりの笑顔で何事か語りかけてくる。
「――――!―――!!」
それは知らない言語だった。
訳がわからず少年はあたりを見回す。
体も動かしづらい。
そこで少年は不自然なことに気がついた。
体が小さいような気がするのだ。
現に自分の手を動かしたはずなのに動いたのはまるで赤子のような小さな手だった。
「――――!?」
女性が自分を軽々と持ち上げる。
金色の髪をした美しいこの女性は、とてもではないが男子高校生を軽々抱きかかえれるとは思わなかった。
そして少年は気づく。
自分は前世の記憶を持ったまま転生したのだと。
あの時死んで今赤ん坊になってしまっているのだと。
体を自由に動かすことも声を出すこともできず、少年はすべてを悟って諦めた。
おそらくこの綺麗な女性が自分の今世での母親なのだろう。
ならば自分はこの人の子どもとして育ててもらおう。
幸い優しそうな人だ。
悪いようにはならないだろう。
少年はどうして自分がこんなことになったかを考えていた。
考えても考えても答えは出なかったが。
少年がここは地球とは違う異世界なのだと知るのは、もう少し先のお話。
この小説は週1金曜日更新で頑張ります。




