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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話だったハズなのに!?  作者: VANRI


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漆黒の招待状

 私宛に真っ黒な手紙が届いた。

それをトニーとアーシュが難しい顔をして見ている。


「こんなところに国があったか……?」

トニーがアーシュへ問いかけている。


「この地図近辺の国はわかるけどここは知らないな……」

アーシュも首を傾げている。


 その漆黒の招待状には差出人は書かれていなかった。国の位置が書かれている地図のみ。

怪しい匂いしかない。


「相手にしない手もありますよね……?」

ミアがテーブルの手紙を見ながら控えめに発言をする。


「目的がわからない以上近付かないに越したことはないが……」

と、トニー。


 アーシュは何も答えない。


 アーシュが気になり声をかける。

「アーシュはどう思う?」


「俺は……」

アーシュは手を顎に置き考えている。


 皆の目が向けられる。


「なぜかわからないし、上手くは言えないんだけど……

 行かなければいけない気がする」

「私も!」

思わず言葉を発してしまう。

「なんだか胸がざわつくというか……落ち着かない感じがして。

 でもここに行けばはっきりする気がするの」


 何の確証もない。気がするだけ。

それはここに行く理由になるのかわからない。



 その時、ルナがどこからともなく現れ、手紙の方へ飛んで行った。

「なんだろう、この手紙……嫌な感じしかしない」


 私を振り返りながら言葉を発する。

「でも行くんでしょ?」


「え……うん。やめたほうがいいと思う?」

「思う。危なそうだし」

ルナの即答に気持ちが揺らぐ。


「思うけど、行くなとは言わないわよ」

パタパタと羽根を羽ばたかせて私の顔の前へ戻って来た。

「そのかわり! 私が一緒に行けないから何かあったらすぐ帰って来ること!」


 そして、三人を振り返り、

「ちゃんと連れて帰って来てよ! あなた達が!」

と強い口調で言い放った。


 ルナは三人が頷いたのを見て落ち着いたようだった。



 地図を見ると、丸二日はかかりそうだった。

招待状に応えるわけではないので、王女ということを隠して行くことにした。

 一般の旅行客を装うために、馬車も質素な物を調達。ちよっとした令嬢の旅行くらいには見えるかもしれないがそのくらいなら大丈夫だろう。


 念の為に魔力封じの石も持っていくことにする。

今となっては役に立つことがあるのか疑問だが。

 人数も多くては怪しまれるので、トニー、アーシュ、ミアと御者で行くことになった。


 この国に何があるのか。招待した目的は?

今回も楽しい旅行とはいかなさそうだ。




――――――



 最初は緊張して静かだった馬車の中だが、少しずつ会話が出てくる。

 私とミアは隣同士に座り、反対側にトニーとアーシュが座っている。


「メアリーは大丈夫なのか……?」

トニーがぽつりと呟く。


 フランとあんな再会をしたから精神的にどうかということだろう。直接聞きにくいので漠然と聞いているのだろうと予測出来た。


「うん、大丈夫。

さすがに昨日は眠れなかったけど」

あえてフランの名前は出さない。話したい気分ではない。


「そうか……まあ大丈夫なら……」


「それより! どんな国なんだろうな、今度の国は」

アーシュが唐突に疑問を皆に投げる。


 ミアが静かに話し始めた。

「あちこち廻ったことがある御者の方や、年配の方にも聞いてみましたが、その国について知っている方はいませんでした……」


「不思議ね……じゃあ見てみるまでわからないってことね」

自然と言葉が出る。


「不思議というか不自然だ」

アーシュが難しい顔をしている。



――――――



 一つの村に差し掛かった時、御者が「わっ!」と声を上げ馬車を止めた。


 トニーとアーシュがすぐに外に出ようとしたが、

その前に馬車の扉がドンドンと激しく叩かれた。


「助けてください!!」

子供の声だ。


 扉を開けるとボロボロの服の幼い少年が立っていた。

10才前後だろうか。今にも泣き出しそうな顔をしている。


 御者が少年の背後から声を発する。

「馬車の前に突然この子が飛び出して来て……」


 少年はトニーの服にしがみつきながら叫んだ。

「助けてください!! 妹が死にそうなんです!」


「行こう!」

トニーを押しのけて少年の前に出て行った。

 少年は迷わず私の手を取り走り出した。

「こっちです!!」


 冷たく小さい手、腕も細く全身痩せていることが容易に想像出来る。

 木で作られた小さな小屋に案内され中に入る。

小屋の中、一番奥にこの少年より小さい少女が横になっているのが見えた。

 身体の上に薄い布がかけてある。

近付くと少女の目が開いた。きょとんとした顔でこちらを見つめてくる。


「ちょっと見せてね」

優しく声をかけながら布を外し、身体を見てみる。

痩せてはいるが、小さな傷はあっても大きな外傷はない。

 皮膚に触れるが熱もなさそう。

死にそう? どこが?



 違和感が湧いてくる。





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