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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話だったハズなのに!?  作者: VANRI


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フランとメアリー

 今夜はフランの部屋にお呼ばれをした。

珍しいお菓子が手に入ったからみんなで食べよう、

とフランに誘ってもらったからだ。


 もう夜なのでドレスではなく、動きやすいワンピースに着替えた。


 部屋をノックするとフランがいつもの笑顔で出迎えてくれる。

「あ! メアリーちゃん! その格好も可愛いね!

さ、入って入って!」


 奥のテーブルには見たことがないお菓子が大量に積まれている。椅子はひとつ。

 ……? ひとつ?


 嫌な予感がしてパッとドアを振り返るとフランが鍵をかけているところだった。


「フラン、みんなは……?」


 笑顔のままフランが答える。

「呼んでないよ。メアリーちゃんと二人っきりになりたかったから」


「え? それどういう……」


 私の言葉を待たず、フランが背を押して椅子へ座るよう誘導する。

「さあとりあえず座って」


 フランはその横のベッドに腰を下ろした。

「メアリーちゃんに聞きたい事があったんだ」


「な、なに……?」

ゴクリと唾を飲み込む。


「この間の夜、僕が書庫にいたの見た?」


 すぐに答えれず言葉に詰まる。

 こういう時なんと答えればいいのだろう。

見たと言われれば殺される? 見てないと言うのが正解?

 こうやって聞くという事は見られたと知っているから……?


「メアリーちゃん」

ビクッとして顔を見る。


フフッと笑うフラン。

「すぐに答えないってことは、見たって言ってるのと同じなんだよ」


「!!」


 やはり知っていて聞いていたのか。

でもそういうことならこちらも聞きやすくなるというもの。


「……あ、あの女の人とはどんな関係なの? 」


「ああ、あれ? 」

フランの目が一気に冷たくなる。青い瞳だからか余計冷たく感じるのかもしれない。


 声がぐんと低くなる。

「あいつとは身体の関係。はい、他に質問は? 」


 誰この人……こんなフランの声や視線見たことない。


「あの人は誰なの?」

「は? お前に関係ないだろ」


 お前ってフランに初めて言われた……


「だ、だって! あの人見たことないし!

 関係ない人が城に入ってるのとか危ないし……! しかも黒いコート……」


 フランがいきなり立ち上がったので口を閉じる。

「ああ、わかったわかった。」


 腕を乱暴に掴まれる。

「お前も抱いて欲しいんだろ」


「は? ちょっと違っ……」

「さっさとこっちに来いよ」

腕をぐんと引っ張られ雑にベッドへ押し倒される。


 だれこのひと……

いつも笑顔だったフランは?

悲しんでいると私より悲しい顔をして心配してくれたフランは? 困った時に助けてくれたフランは?


 目の前にフランの顔がある。でもこんな顔知らない。

 フランは私に馬乗りになったまま上着を脱ぎ始めた。


 嫌だこんなの。

「違う!! あなたはフランじゃない!!

あなたなんか知らない!!!」

涙が出ると同時に叫んだ。


「あ?」

フランは私の口を押さえた。

そして、ゆっくりと怒りを込めた声を発する。

「お前が俺を語るなよ。俺のこと何も知らないだろ」



 とその時、ドアをドンドン叩く音が聞こえた。

「フラン! 鍵閉めて何やってんだよ! メアリーの声も聞こえたぞ!」


 トニーだ! トニーに助けを……!


 フランから素早く口を塞がれる。

フランはドアを振り返って答えた。

「あれ〜? 鍵閉まってました〜? おかしいな〜

今すぐ開けに行きますね」


 そして私の耳元で囁く。

「トニーに言ったらトニーを殺すことになるからな」


 更に鼓動が速くなる。

絶対言えない。敢えて私でなくトニーを……と。


 フランはさっとベッドから下り、上着を着ながらドアを開けに行く。

 私は涙を拭き急いで髪や服を整える。


 ドアが開いてトニーが入って来た。

「お前またメアリーに変なことしてなかっただろうな?」

「え〜しませんよ〜。メアリーちゃんが好きそうなお菓子を手に入れたからあげようとしてたんですよ〜」

と、テーブルを指さす。


 トニーは、テーブルの上を見て納得しているようだった。


「ほらメアリーちゃん、トニーさんが心配するから帰らなきゃ」

と、笑顔で手招きをする。しかし目が笑ってない。


 私は小走りで部屋の外へ向かう。

出ようとした時に、腕を強く掴まれる。


 ビックリして顔を見上げる。

「また来てね、メアリーちゃん」



 その後はトニーに部屋に送ってもらうことになった。

「全くあいつは油断も隙もないな……」

「そうだね……」

と、苦笑する。


「あれ?」

トニーが何かに気づいてこちらを見る。


「お前泣いた? 目が赤いけど」


「え!?」

絶対トニーには言えない。トニーに危険が及んでしまう。

 敵ならまだしも、味方と思っている人には心を許しているから簡単に殺されるかもしれない。


「眠くなってたくさんあくびをしたからかな……」

「そっか、それは早く寝ないとな。

もう夜にフランの部屋とか行くなよ〜」

と、頭を軽く撫でられる。


 その日はベッドに入ってもなかなか寝付くことが出来なかった。




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