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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話だったハズなのに!?  作者: VANRI


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アーシュのお誘い

「メアリー!!出掛けるぞ!!!」

 朝っぱらから元気なアーシュ登場。


 私はあくびをしつつ、眠い目をこすりながら起き上がる。

「朝からなに〜?どこに行くの?」

「今日の服はこれだ!!」

「?」


 山の上まで登るらしい。

ドレスはもちろん、メイド服もワンピースで登りにくいのでアーシュが自分の服を持って来てくれた。


 着替えてアーシュと一緒に鏡の前に立つ。


「双子だ……」

「双子みたい……」


 声が重なって笑ってしまう。


 アーシュの服は少し大きめだが着れないことはない。

そして何より、二人並ぶとそっくりである。


 ミアが感心していた。

「確かにアーシュさんがドレス姿の時も違和感ないですもんね。逆でもそうなんですね〜」


 さあ、出掛ける準備は出来た!!

 でもどこへ??


 一緒に城の外へ出るとすぐに声を掛けられるアーシュ。顔が広いってすごい。

 皆、私の方を不思議そうな目で見てくる。


「アーシュさま!」

一人の女の子が私の手を握った。


「あれ?アーシュさまじゃない!?」

私の顔を見上げビックリしている。


「ハハッ似てるもんな」

アーシュがその子を抱き上げる。


 アーシュに抱きつき私の方を見る。

「わたし大きくなったらアーシュさまとけっこんするの!」


 なんとも可愛らしい。小さな手でしっかりアーシュの服につかまっている。


「そうか!」

腕を伸ばしその子を高く掲げる。


「じゃあ楽しみに待ってるよ!

できれば胸がボンッと大きい娘に育ってくれ!ハハハ」

「わかった!!」


 幼子に何言ってんだよ!

女の子は高く上げてもらって手や足をバタバタさせて喜んでいる。

 近くに母親がいてその様子を微笑みながら見ている。


 その女の子とハイタッチをしてアーシュが戻って来た。


 耳打ちする。

「見たか?母親」

「え?何かあった?」

「胸が大きかったろ。あの子はいい成長をするぞ」


 え、あれ本気やったんかい!



 小高い丘まで登るらしい。

しばらく歩くと息が上がってきてペースが落ちてきた。

 アーシュを見ると呼吸が荒れることなくスイスイ上って行く。私に気づいたのか何も言わず私に合わせたペースに落としてくれた。


 少し山道を登り、小高い丘の上に着いた。

国が一望できるアーシュお気に入りの場所だと言う。


 そしてそこには、国王と女王の墓があった。


「他の民衆の墓は別の場所なんだ。

この丘は王族のだけ。人が来ないからのんびりできるんだよ」


「そうなんだ……」


「メアリーは覚えてないだろうけど、何かあるとよく一緒に来てたんだよ。

 だからまた一緒に来れたらいいなってずっと思ってたんだ」


 青空が広がって雲がいくつか泳いでいる。

鳥が列を成して飛んで行くのも確認できる。

山をなでるそよ風がサーッと気持ちよく吹いてきた。

 王都はもちろん、ドラゴンの森の方まで全部見通すことが出来た。


「これは、お前が守った国だ。

 一つ一つの家にそれぞれ家庭があるだろ。それを全部守れたんだ。

 みんなのためにドミナー王国へ行ってくれた。

だから今のこの景色があるんだよ」


 そう言ってもらえると誇らしい気持ちになってくる。自分がした事の意味があるってこんなに嬉しいことなんだ。


「いつもありがとうな」


 先日のドミナー王国のことを気にしてくれていたんだろう。ガラにもなく気を遣って。

 いつも支えられているのはこっちの方なのに。


 それからしばらく芝生に寝転んだり、墓前に最近の出来事を報告したりとゆったりとした時間を過ごした。気づくと夕暮れ時になっていた。


 その帰り道、買い物に来ていたミアを見かけた。

アーシュはすぐに花を摘んで持って行く。

二人は仲良さそうに談笑している。


 話が終わると、ミアに手を振りながら戻って来た。

「悪い悪い、ちょっと話すことあって……」


疑問に思い聞いてみた。

「ミアとも一晩過ごしたりするの?」

「え!あいつには手ぇ出したことねえよ!出せねえんだよ!!」

「出せない……?」

「なんか静かな所で二人きりになると緊張するし。

他の女の子なら大丈夫なんだけど」

 深刻そうに答える。


「よっぽど相性悪いんだろうな〜」

と付け加える。


 な、なんてピュア……!!こんなに遊んでるやつなのに!!女性経験豊富でも恋愛経験ゼロのパターンあるんだ!!


 一緒に城に入ろうとしたが、アーシュは何か忘れていたようで慌てて外へ出て行った。


 目で追うと少し先で女の子が待っている。金髪で胸がざっくり開いたドレスの女の子。

 アーシュに会うと抱きつき、アーシュもその娘の腰に手を当てて歩き出した。


 その時前方からミアが歩いて来た。

アーシュとドレスの女の子に会釈をして通り過ぎる。



 何だか複雑な気持ちになった。

「本当、自分の思ったとおりにはならないものね……」


 こんな言葉いつかトニーが言ってた気がする。

いつだったかな……



 その数日後、アーシュに双子の弟がいると国中の噂になっていた。








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