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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話だったハズなのに!?  作者: VANRI


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帰国そして……

 国に帰り、四人にドミナー王国での出来事を話した。

 もちろん、キスのことは言っていない。言ったらどうなるかわかったもんじゃない。



「そうですか…そんなことが」

ミアが悲しい顔をする。


「ゼイン王子の行いは全て意味があったっていうのか」

トニーがつぶやく。


「なんにせよ、メアリーちゃんが無事に帰って来てくれて良かったよ」

フランはホッとしている様子。


「あいつ、子供の頃から嫌いだったけど実はいい奴だったのか……」

一人考え込むアーシュ。


「あの、それで……」

話そうとするがみんなの話が止まらない。


「あれ?それなら向こうの国もこっちの領土ってこと?」

と、フラン。


「まあ領土は広くても困らないだろうからな」

「正式に向こうに式典でも開いて発表しないといけないな」

 トニーとアーシュも今後について考え出す。


「それで、話があって……」


 バァン!と荒々しく扉が開かれた。


「やあやあ!マヌケども!!わざわざ来てやったぞ!!」


 皆口々に叫ぶ。

「ゼイン国王!?」

「死んだんじゃ……!?」


 皆が一斉に答えを求めてくる。

だから言おうとしてたのに。


 最期を見届けようとしばらくその場にいたのだが、何か違う。亡くなる前の弱々しい呼吸だったはずなのに、時間が経つにつれ正常な呼吸へと変わっていく。


「元々、病や毒は消せるみたいなんだけど、それは体内を回復させる力だったみたいで、だから外からの傷は治せなくても中の部分なら治せて……」


 自分で言っててわからなくなってきた。


「まあ俺は無敵ってことだ!ハハハ……」

上機嫌である。


 死ぬ直前にしてはよくしゃべると思ったんだよね。

目を瞑っていたのに、いきなりパカッと目が開いた時は心臓が止まるかと思った。


 外の部分が治せないから火傷の跡もそのままだったということか。生きてはいるけど、今回の事で全身ケロイドになってたら申し訳なさすぎる……


「メアリーを妃として迎えに来た!」


 ゼインの発言にフランが食いつく。

「はあ!?何言ってんだよ!そんなこと許されるわけないだろ!!」


「もう俺はメアリーから熱い口づけももらった!

しかもメアリーの方から!

しかも濃厚な口づけを!!」


「!!」 


 何いらんこと言ってんだよ〜!!濃厚じゃなかったし!状況的に私の方からだったのは本当だけど!!


 フランの堪忍袋が切れる音がした。

「ちょっとこっち来いよクソ国王!!お前の唇削ぎ落としてやる!!!」

剣をブンブン振り回している。


「落ち着けフラン!!国王に手を出したら大事件になるって!気持ちは俺たちも同じだ!」

トニーとアーシュが必死に抑えている。


 ゼインはそんな様子など気にせず、私の肩に手を回し横に座ってくる。


「やはり賑やかでいいなお前の国は」

と耳元で囁く。


 この人、みんなをからかって遊んどる〜!!


「ちょっとお前いい加減離れろよ!その汚い手離せ!!もうその手ぇ切って触れないようにしてやる!!」

フランの怒号が飛ぶ。


 うん。綺麗にからかわれている。



 ゼインはさっと手を離し、その場に座り直す。

「今日はお前に大切な話をしに来た」

「話?」

「この前はちゃんと話せなかったことだ」


 どうやら真剣な話らしい。

トニーたちも気になったようで集まってきた。


「まず、お前の魔力の発動要件は、

ショックに近い怒り、と、誰かを守りたい時だ。」


 確かに、思い返してみると当てはまることがある。

ドラゴン、ミルク、ルナ……


 ゼインが厳しい顔をして首を横に振る。

「これは良くない。感情に任せて発動させることはとても危険だ。


 そして……


 お前は自分の為だけには力を発動出来ない。人の身は守れたとしても自分の身は守れない。」


 そうだ……薔薇園で男に切りかかられた時は何も起きなかった。


「その証拠に、俺が剣を向けた時は何も起こらなかっただろ。

 自分の命より人の命を大切にしているんだろう。

それは悪くない。

 けれど、自分の命を大切にしないと結局周りも救えないこともある」


 真剣な赤い眼差しを向けられたまま話は続く。

「そして、左手からしか出してないようだが、お前は右からも出すことが出来る」


「え……じゃあなんでいつも左……?」


「無意識のうちに利き手じゃない方を使って威力を弱らせているんだろう」


 そっか。暴走したら怖いって思いもあるもんな。


「今の一番の課題は魔力をコントロールすることだ」


 自分の両手を広げて見てみる。

 ここから火が出るなんて想像できないのに。


「そこでだ!」


 ゼインが目を輝かせて、私の両手を握る。



「俺と旅に出ようではないか!!」




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