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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話  作者: VANRI


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2/12

治癒魔法

「そうなんだ……」


 申し訳ないが、見たこともない人が死んだと聞いても全く悲しみが沸いてこない。それが親だと言われてもだ。


 なんと答えたら……


「バッカじゃない!?記憶喪失とか言ってぶりっ子しちゃって!男の気ぃ引きたいだけでしょ!!」


 甲高い声が聞こえてきた!!


 キタキター!悪役令嬢的なアレだよね!?やっぱいるのね、そういういかにもって子が!!


 少しワクワクしながら辺りを見回すが、それらしい姿は見えない。

……と思ったら、いた!!!!


 くるくるのピンクの巻き髪、同じくピンクのミニのドレス、右手にステッキ、背中には羽根……


 しかも、ちっさい!!!

 私の右肩に乗ってる!!!


 妖精さんだ!!!!


 ……あれ?あれあれ??

勝手に思ってた。タイムスリップして中世ヨーロッパの令嬢に生まれ変わり。

じゃなかった!!!


 もうアレじゃん!妖精出ちゃったら異世界的なアレじゃん!!!


 「可愛い……」

ボソッとつぶやいた。


 めっちゃくちゃ可愛い!!この小さい手!足!指なんて小さすぎてよく見えん!たまらん!触りたい触りたい!でも小さくて壊れそう!尊い!!


「な、なによ、可愛いとか言っちゃって。いつも見てるくせに……」


 照れてる!!照れてもじもじしてる!


「ルナ、今日もやってくれるか?」

トニーが静かに妖精さんに話し掛ける。


 ルナは「わかってるわよ!」と言ってステッキを持った手を上にかざした。


 何やら呪文を唱え始める。

ステッキの先がポゥと明るくなり、私の身体全体を緑色の光が明るく照らし出す。明るくなった部分の痛みが消えていく。


「え……なにこれ……」


 ミアがそばに来て教えてくれる。

「治癒の魔法ですよ。この一週間、毎日ルナがやってくれました」


 数分後にすっと光が消え、ルナが膝の上に寝転がる。

「あ〜もう疲れた〜〜」


「一週間……」

と、つぶやいたのをルナは聞き逃さない。


 ゆっくりあぐらをかいて睨んでくる。

「どうせ遅いって言いたいんでしょ!他のフェアリーなら三日で出来るでしょうけど、私は出来損ないだから出来ないのよ!!」


 自然と涙があふれてくる。


 フランが慌てる。


「大丈夫!大丈夫!泣かないで!

もう〜ルナ言い過ぎだよ〜」


 ルナも少し申し訳なさそうな顔だが、フンとそっぽを向く。


「違うの、違うの!一週間も私の為に……」


 いや、この子の為にか。この体の子とルナの絆があるのだろう。こんな小さな身体で毎日毎日。

自分に自信がないのなら、治せるか、目を覚ますか不安だったろうに……


 手のひらに乗せて顔の近くに連れて行く。


「ありがとう。本当にありがとう。今、私が目を覚ましているのは全部あなたのお陰だよ」


 涙声で震えてうまく言えない。ちゃんと伝わっただろうか。


 ルナが両手で顔を覆い、わっと泣き出した。


「メアリー全然全然起きないんだもん!三日経ってダメでどうしようって思って、五日経ってもうダメなのかもって思ったの、止めようかって……」


 しゃくり上げながら続ける。


「でも会いたいと思ったの!またメアリーの笑顔見たいって思ったの!だから命が尽きるまで毎日するって決めて今日までやって来たの!!」


「ああ……本当にありがとう。」


 私も涙が止まらない。抱きしめたいが小さいので頬を近づける。ルナは頬にほおずりをしている。


 ああ、なんてこの子はみんなに愛されていることか。

 きっとこの子がみんなを愛している子だったんだろうな。



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