隣国からの招待
王室にトニー、フラン、アーシュ、ミアが集まって何やら会議をしている様子。
「どうする……」
と、トニー。
「今の状態のメアリー様では国政に聞かれても何もわかりませんよ、アーシュさんではダメですか?」
「いや、今回は食事会メインだし、向こうの目的はたぶん……」
アーシュが何か言いかけた時に登場してみた私。
「なになに?私に関係ある話??」
「向こうの目的はお前だよ、メアリー」
と、アーシュにがっつり肩を掴まれる。
「どういうこと……?」
話はこうだ。
隣国のドミナー王国から招待が届いた。それには、王女メアリーとの食事会を希望すると書いてあったという。
しかも騎士団は最低人数で来いと。
「なんで私……」
トニーが難しい顔で口を開く。
「国王と女王が亡くなった今、どんなやつが国を統一しているのか見たいことと……」
「結婚も視野に入れてだろうな」
と、アーシュ。
トニーも頷く。
「結婚すればこの土地も支配することが出来る。この国にしかフェアリーの木はないし、産物も豊富だしな。」
「僕は反対だ。みんなもそうだろ?
あの王子にまたメアリーちゃんを会わせることなんか出来ない!
それにあんな奴と結婚なんかさせない!!」
「また?またってことは会ったことがあるってこと?」
記憶がないからわからない。皆は知っているということだろうか。
皆言いたくなさそうな素振りをする。
「私は会ったことがないんですけど、あまりいい話は聞きませんね」
「断るか……?」
トニーに答えるアーシュ。
「断ったことが原因で戦を仕掛けられることだってあるんだぞ」
アーシュは式典など公式な場にメアリーとして参加しているため、他国にも詳しい様子。
「そんなことで戦を……?」
ミアも信じられないといった感じだ。
「あの国も王様と女王様が亡くなって、問題児である
王子を抑える立場がいないから何でも好き放題やってるらしい」
アーシュは淡々と続ける。
「騎士団を最低人数でってのも気になる。
もし罠で、メアリー殺害が目的だったらどうする」
「それも否定出来ないが、大勢で来られて攻撃を仕掛けられるのを防ぐ意味もあるだろう」
と、トニー。
「メアリーは……どうしたい?」
トニーに話を振られハッとする。
私にも大いに関することなのに、あまりにも事が大き過ぎて他人事のように聞いてしまっていた。
皆の視線がこちらに向けられる。
「私は……
行ってもいいと思う。」
「メアリーちゃん!危険なんだよ!?
命を狙われているかもしれないんだよ!」
「うん……難しいことはわからないけど、
行かないことが戦争の火種になる可能性があるなら行く方がいいのかなって。」
「でも……自分の命の危険を冒してまで行く必要があると思う!?」
「その危険から私を守るためにあなたたちがいるんでしょう?」
「それは……」
フッと笑いフランの肩に手を置くトニー。
「観念しよう。俺らの姫様は案外強いってことさ」
「あの王国に行くってことは、森を抜ける必要があるな」
アーシュが地図を指さす。
国と国との間に大きな森がある。
そこはどちらの土地でもなく、自由に出入り出来るようになっているそうだ。
そして……
「ドラゴンか……」
フランの言葉に反応する。
「ドラゴン!?ドラゴンがいるの!?」
ドラゴンなんて空想の生き物が存在しているのか!?さすが異世界!!!フェアリー止まりじゃなかったのか!!
「ああ。いるけど、怖がらなくて大丈夫だ。
他の動物と同じで理由なく襲ったりはしないから」
トニーが冷静に返してくれる。
「もし襲われても心配しなくて大丈夫だからね」
フランが安心させようとしてくれている。
「あそっか!魔法でやっつけたりするってことね!」
「違う違う。魔法なんて使う必要ないよ。
トニーさんの剣術の腕なら一発で心臓貫けるから」
トニーはそんなに剣術が強かったのか。騎士団のリーダーだけのことはあるな。
「ドラゴンは大丈夫なんだけど……」
ドラゴンは?
何だか含みのある言い方じゃなかった今……?




