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看護師が異世界の令嬢に転生しスキルを使って無双する話  作者: VANRI


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1/12

わたしはだあれ?

 全身の痛みで目が覚めた。

知らない天井。手も足も、頭でさえ動かそうとすると電気が走るように痛む。


「痛い……」

思わず口から出てしまう。


「メアリー!!目が覚めたか!?」


 長髪で金髪の長身男性。なんだろこの格好?昔の貴族みたいな格好。外国人?日本語うまいな……


 一直線に私の寝ているベッドへ走ってくる。


 え?何なに?なんで近づいてくるの!?こわいこわい……痛くて身体動かせないのに!!


 ぐっと顔を近づけられる。


「どうした??なんでそんな変な顔してる?

傷がそんなに痛いのか?」


 え?私?誰かと間違ってる??




 一旦落ち着こう……。


 私何してたっけ……?

 昨日夜勤してたよね……夜勤明けで運転して帰ってたら……いきなり対向車線から大きなトラックが突っ込んできた……



 ……で?


 全然この状況になる理由じゃないんだけど。


 死んだの?死んで生まれ変わった??


 生まれ変わったと仮定して、この子は?この子の魂か意識かはどこに行ったの?

死んだ私の方に行ったとしたら、この子はもう……



「メアリーちゃん!!!」


 今度はさっきの人と違うタイプの男性。

肩までのフワフワな金の髪、格好はさっきの人と似てる。


 やはり私の元に駆け足でやってくる。 


 泣き出しそうな顔をして私の目をみつめる。


 かっ……可愛い!!めっちゃ美形じゃん!!青い瞳に引き込まれそう!!


 私が何も言わずにいると、ぱっと最初の男性を助けを求めるような目で見上げた。


「トニーさん!!なんで!?なんでメアリーちゃん何もしゃべらないの!?」


 やっとのことで口を開く。




「だれ……?」 


 長身の男性が意地悪そうに笑う。


「ほら、お前のこと忘れたってよ」


「そんなぁ〜」


 フワフワの髪を揺らしながら泣きそうな顔を見せる。



「いや……私、だれ?」




 驚いた二人が慌てて呼びに行ったようで、続々と人が集まってきた。メイド服や騎士?や執事?みたいな服装で仮装パーティーのようだ。


「先生!」


 長髪の男性が先生という白髪の老人に駆け寄り、私の状況を説明している。


 先生が近づいてきて、顔を見る。手や足の包帯を眺めている。


 周りは言葉も発さずその光景を見守っている。何人かは祈るようなポーズをしている。


 痛みが強いのに触られたらどんなに痛いか……

と構えていると、

老人は私に触れることなく皆の方を振り返り、

 

「わかりませんな」

と首を振った。


 周りがわっと落胆の声を漏らす。


 そりゃそうだろ!!アンタは医者か!?医者なのか!?聴診器はどうした!?ライトはどうした!?瞳孔は見ないのか!?麻痺があるのか調べないのか!?


 百歩譲って道具がないなら問診で会話して症状聞くべきだろ!!そもそも脈は測れるだろ!!


 長身の男性は「ありがとうございました」と頭を深々と下げている。


 そんなやつに頭下げんでいい!!

こんなのが医者なんて先が思いやられる。


 老人は偉そうにゆっくりと歩いて部屋を出て行った。


「トニーさん、どうしましょう」


 栗色髪のメイド服の子がすがるように言葉を発した。


 なるほど長身はトニーというのか。

私はメアリーと呼ばれているからそうなのだろう。

この女の子小さくて可愛いな。メイド服も似合ってる。


「いつもどおりコイツの世話してやってくれ。

しばらくはミアだけで接してもらう。」


 ミアはこくんと頷きながら心配そうに私の方をている。


 トニーとフランは集まった使用人達へ部屋から出るよう促し始めた。


「お姉さまッ!!!」


 使用人達と入れ替わりに女性が走って来た。


 後ろに束ねた金の髪がゆらゆら揺れる。

ベッドサイドに来るなり抱きつかれる。


「痛っ!!」

思わず口に出た。


 その子は驚いてパッと手を離した。


「ごめんなさい!!でも本当に何もわからないの!?アーシュだよ!?みんなはわからなくてもアーシュのことはわかるでしょ!?」


 全然わからん。記憶を探ってもかすりもしない。

お姉さま?妹か?


 そういや親が来ないな。こんなに周りが集まるのに親は?


「お父さんとお母さんは?」


 一瞬にして部屋が静まり返る。

あまりにも静かになったので外の風の音がよく聞こえ、風が吹いていたことに気づかされる。


 トニーとフラン、ミアとアーシュはお互い目を合わせて動揺している。


 なんだろう。言ってはいけない雰囲気が漂っている。



 トニーが腹を決めたような表情になり静寂を破る。



「亡くなったんだ、二人とも」



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