1.憂鬱な一日
通学路にて
「明友ー聞いてくれよ。昨日のことなんだけどさ」
……毎日亮の惚気話を聞かされるのは勘弁してほしい。
「毎日毎日、お前の惚気話は聞き飽きた」
「まあそうだよな。お前彼女できたことねぇもんなー」
亮のせいでまた朝から憂鬱な気分だ。
こうして俺の憂鬱な日々は始まる。
だが俺にも憂鬱な日を過ごす必須アイテムがある。それはライトノベル、通称「ラノベ」だ。
俺はもはやラノベを読むために学校に来ているといっても過言ではない。
だが最近はラノベを読んでるときになぜか視線を感じる。
「亮、今俺のこと見てた?」
「お前なんか見るわけねーだろ、興味ない」
「今誰かに見られた気がしたんだが。」
「モテないお前がみられるわけないだろ。気のせいだ」
相変わらず亮のいじりはひどい。
「知らないのか?人生に3回はモテ期が来るって言われてるんだぜ」
「おいおい、それ何年後の話してるんだよ」
その時チャイムが鳴った。
「お前ら早く座れー、チャイム鳴ってるぞ」
亮はニヤニヤしながら席に戻っていった。ムカつくやつだ。
「早速だが委員会決めるぞー」
昨日、夜更かししてラノベを読んでいたせいか眠い。やばい、眠気、が...
「危ない!」
「ありがとう。明人くん、最後の最後なのに助けてくれて!」
「全然大丈夫だよ。―—ちゃん」
「おい起きろ」
先生の声が頭に響く
「おい明人!いつまで寝てるんだ!」
「あ、すいません」
「もう残っているのは図書委員しかないから図書委員で決定だからな」
まじか、できればやりたくなかった。
「わかりました。すいません。」
亮のニヤニヤした視線が刺さる。あいつはムカつくことしかできないのかよ。
もう一人の図書委員は......中園さん、女子かこれはまたなんてことを。
女子と委員会が一緒とか心配だな。
そしてチャイムが鳴る。
「じゃあ号令」
「起立、礼、ありがとうございました。」
図書委員か、だるいな
「明友、よかったじゃねーか。めっちゃかわいい中園さんと同じ委員会で」
「確かにそうだけど、もっと楽な委員会がよかったな」
「まあ図書委員はだるいもんな」
「あーやばい、眠い、寝るわ」
そう言って俺は眠りについた。