友情育む蝿の王
私は正門の前に立っていた。
筆記試験で無様を晒し1週間も布団で涙を流す毎日だったがどうやら合格していたらしい。
送られてきた制服を身に纏い、杖も念入りに手入れをしてきた。他に学生として行う行為と言ったらやはり友人を作ること。
そんな考えに耽りながら校内を散策している時
「ん?あれは?」
小さな少女が3人に囲まれている、聞き耳を立ててみるとどうやら金銭を要求しているようだ。
「仕方あるまい、ここは勇者の追憶として弱者の手助けといこうか」
声をかける、3人組の内の1人が此方に振り向く。それと同時に私は小さく跳ね、相手の顎を蹴り抜く。
呆気に取られた残りの2人、とりあえず片方のみぞおちにおもいっきり拳を叩き込む。
最後の1人が魔法の詠唱を始める、なのでアッパーカット。魔法の詠唱が途切れ倒れる。倒れた相手の頭にジャンプして踏み抜く。
そして最後に少女にかっこよく決め台詞
「そこの少女、問題なかっゲブォッゲフッ」
最悪の所で噎せた
「えっと、あの...」
まずい困惑している、ここは何か気の効いた返しを...
「私と友達になってください!」
は?この少女なんと言った?
手を掴まれブンブンと振り回され困惑は加速する
「私ミカって言います!あなたと友達になりたいんです」
「う、うむ。よろしく頼む?」
そして私には友人ができた。