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蒼
寝て、目が覚めると真っ青な世界がそこにあった。全面が青。右も左も、前も後ろも、上も下も青。とにかく青かった。自分の手を見てみると明るめの青だった。水色に近い。なんとなく自分のシルエットが分かる。微妙に水色になってるから。よく見てみると、私以外にも水色っぽい人型のオブジェクトがある。よくよく見ると濃い青色が家や道路のシルエットで広がっている。
私は水色の人間が行きかう、濃い青色の道路の上で、鮮やかな青空のもと呆然と立ち尽くしていることが分かった。音は聞こえなかった。言語なしでこの世界の住人は道路を敷いたり建物を建てたりしたのだろうか。