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もしかして寝ている時に見る夢って、記憶庫から流れ込んだ自分のものじゃない記憶かも。

 ある日、俺は次に書く小説のネタ出しをしていた。異世界に召喚された男が、現代科学を使いチートするといった内容だ。ベットでゴロゴロしながら、あーでもない、こーでもないと色々アイデアを考えていた訳だが、そうこうしているうちに段々眠くなり、ついウトウトと居眠りをしてしまったわけだ。

 その半分眠った様な状態で俺はアイデアを考え続けていた。


「魔力を、魔道具に通すことで魔法が発生するって言うのが良いかもしれないな」と思った俺は、ふと前に読んだ漫画で似た様なことをしているのを思い出した。


「漫画の中では×××を使って××していたな。このアイデアはなかなか良いな。このアイデア使えないかなあ。でもそのまま使ったら盗作だしなあ」などと考えていた俺は急に違和感を感じた。

「ちょっと待て、変だぞ。俺はそんな漫画いつ読んだ?」

 読んだ覚えのない漫画の内容を何故か知っている。それに気がついた瞬間、その漫画の記憶はシュルシュルと消えていった。何とか記憶に留めようとしたが、全く無駄で掴もうとした瞬間に指先からすり抜けていく様に綺麗さっぱりとその記憶は無くなってしまった。俺に残されたのは、そんな奇妙なことがあったという訳のわからない事実だけだった。


 起きた瞬間、それまで見ていた夢の内容を思い出せなくなることがある。寝ている間というのはパソコンのデフラグの様に記憶を整理しているらしい。不必要な記憶を消して必要な記憶を長期に覚えていられるところに書き写すといった様なことをしていると聞いたことがある。

 つまりその時の夢は不必要な情報として消されてしまったということだろう。今回のことはそれと似ている。半分寝かかっていたため俺のその時の記憶が不必要と判断され消えてしまったのだろう。

 しかしそうすると、消えてしまった漫画の記憶とは何だったのであろう。夢の中で漫画の記憶が捏造された?

 俺はもう一つ仮説を考えてみた。寝ている間は何か別の記憶庫の様な物と繋がっているのではないのかと。起きた瞬間に記憶庫との接続が切れたので記憶が失われてしまった。ちっとも科学的ではないし、むしろスピリチュアルっぽい。でもこの仮説は今回のことを説明するに、妙にしっくりくる。


 そうすると前に見た不思議な夢を思い出した。その中で俺は嫁さんと買い物に行き、河川敷の道を歩きながら家路についていた。途中の公園で少し休んで、たわいもない話をした。

 ただそれだけの特に変わったこともない普通の夢だ。だがその夢を見て起きた時、俺は泣いていた。もう取り戻すことが出来ない過去の記憶だったからだ。

 だが俺はずっと独身で結婚したことはない。付き合ったことのある彼女とも同じ様な事はなかった。ただの夢とは何故か思えず、ずっと引っかかっていた。

 

 これも記憶庫があって、そこから流れ込んだ記憶が夢になったのだろうか。


 

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