即興詩 『ブックマーク』 -しおりをはさむ-
物語を読みつづける
楽しい場所に栞をはさむ
響く言葉を栞に残す
物語を書きつづける
楽しいこと
嬉しいこと
時には
悲しみや
怒りも
物語への想いのように
栞を挟んでゆくように
心を物語に塗り込めてゆくように
恋するおもいや希望を
破れる悲しみや怒りを
疲れるこころや癒しを
安らぎや慈しみや
愛や憧憬や
温かく明るい色の栞を
暗く冷たい色の栞を
想いに落としてゆくように
心に刻んでゆくように
伝える手を通して
心を物語に与えて
命を塗り込めてゆく
なにかの碑を刻むことなのか
あらたな生命を生むことなのか
わからない
意味も
意義も
わからない
なにもかも
それでも
読みつづけるのだろう
栞を挟んで
書きつづけるのだろう
想いを込めて
栞を進む道へ挟みつづける
物語を書き続ける
自らが選んだ物語の道を