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モナリナさんに、お礼を言って、ギルドを出る。

採取許可証の申請に来ただけなのに、変に時間と気力を費やした気がするシェナ。


「おじさんのパン残っているかな?」


ネルの森に入る前に、市場のおじさんのパンを買いに行こ。

だが、


「おい」


シェナの足が止められた。

シェナの目の前に屈強なスキンヘッドとモヒカンの男2人が、道を塞いでいる。

2人ともシェナよりも屈強で長身。

比較的に小柄な分類に入るシェナと並ぶと大人と子供のようだ。

確か、ギルドに最近入った新入りの2人だった、と思う。ちょっと虚ろ覚え。


「よう、半端エルフ」

「ちょっと、顔貸してもらおうか」


シェナを見下ろす2人はニヤニヤと、意地の悪く笑っている。


「駄目。私の顔は貸し出し不可だから、顔を借りたかったら他を当たって」


真顔で溜息をつきながら新人2人の男に怯む事なく言い放つシェナ。


「あ、そう・・・」

「そうよ。じゃ、私、用事あるから」

「おう、すまなかったな、って!おい!!」

「・・・チッ」


小さく舌打ちするシェナ。

上手く言い包められて横を通り過ぎようとしたシェナを見送ろうとしたスキンヘッドの男が我に返って再びシェナの行先を塞ぐ。


「随分とナメてくれるじゃねぇかよ」


額か頭だかわからない所に青筋を立てるスキンヘッド男とモヒカン男。


「ナメられるような、頭してるからでしょ」


怯まずにシレっと言いのけるシェナ。


「ッ、マリリちゃんの言ってた通りの生意気な奴だな」

「ああ、人を馬鹿にしやがって」


また、あの受付嬢か。


「聞いたぜ?お前、ガストのAランクパーティーで問題を起こしてクビになっただってな。一体何しでかしたんだ?」

「・・・さあね」


モヒカン男の嫌味にシレっと流すシェナ。


「ッ、ふざけてんじゃねぇぞ!!ゴラァ」


飄々としたシェナの態度にスキンヘッド男がキレた。

シェナの胸ぐらを掴もうと手を伸ばして来た。

咄嗟に伸ばした手をシェナは躱したが、スキンヘッド男の手はシェナに届かなかった。


「ぐあ!!」


スキンヘッド男の首に1人の男が腕を回し、締め上げる。


「おーい。こんなギルドの前で騒ぎ起こすもんじゃねーぞ?」

「!!ディーノさん!?」

「よっ!」


シェナが目を見開く。

藍色のくせっ毛の髪。細めな灰色の目は人が良さそうな印象を与えるが、顎の無精髭が遊び人の雰囲気がある。


「いつ、街に帰って来たんですか?」

「おう、シェナ。ついさっきな。いや、クエスト自体はそんなに手こずら無かったんだけど、帰りの町で賭場はったら、サイフすっからかん。あはは。

お願い、シェナ、お金貸して」

「会って早々、お金催促ですか」


いつものディーノに呆れるシェナ。


「今私も金欠だから、貸すのは無理です」

「アララ、そいつは残念」

「それと、そろそろ離した方がいいですよ?」

「ん?何を?」

「ディーノさんの腕の中で泡吹いて顔どこか頭まで紫色になって来ているスキンヘッド」

「だあ!!??バ、バズーー!!!」


ディーノの登場に後ろ下がっていたモヒカン男がディーノに締め上げられ文字通り顔色を変えたスキンヘッド男を見て叫ぶ。


「あ、悪い」

「・・・・・ディーノさん」


悪気が無く軽いディーノに呆れ顔のシェナ。

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