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エンジョイゲーマーズ!  作者: 狼噛 ウルフ
8/11

第8話 ここは地獄か?

「「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!」」


 ここはマイライフクラフターズと呼ばれる、電脳世界の中。

 その中でも洞窟と呼ばれるエリアからは悲鳴が響いていた。


「何体いるんだよあれ!!」


「パッと見ただけでも20超えてるって! しかもミュータントやインファーナルも混ざってる!!」


「あ、先輩そっち爆d「回避ー!!!」」


 突如背後から飛んできた爆弾を寸前でなんとか回避する先輩、もといイリーナ。


 敵mobが持っていた弓と矢を強奪したが、相手は特殊能力持ちの群れ。

 あちこちから現れる敵たちに囲まれないよう逃げ回りつつ弓で射抜くが元々数回射抜く必要があるのが通常より硬いやつばかりで全然死んでくれない。


「あちこち爆発しすぎだって待て待て!!!」


「あ、あそこにロケラン持ちのゲリラが…」


「ファーーーーーー!?!?」


〜数分後〜


「はぁ…はぁ…なんとか…生き残った…」


 ちなみに先輩は途中で死んだ。

 ノックバック効果のある剣で横から斬られて、錐揉み回転しながら吹っ飛んだ先にあった爆弾で爆散するという中々に芸術点の高い死に方をしていた。

 なお骨は拾えなかったので細々と集めていた鉱石の一部をロストする形となった。


「あ、ウィル君おかえりー。なんとか一部は持ち帰れたね」


 拠点となる採石場に戻ってくると先程死んだイリーナと再開する。

 ちなみにボイスチャットがとんでもなくうるさかったと紫苑に言われた。


 繋がってることを忘れて叫んでたわ…


 なお、拠点の方は簡易的な倉庫と作業場、人数分は無いがベットが置いてあった。


「ちなみに寝たら夜を飛ばせるなんて親切な機能無いよ」


「おうふ…」


 今のゲーム内時間は夜。

 外には大量のモンスター達が徘徊していることだろう。


 シュー…(拠点内に突然起爆寸前の爆弾が湧いた音)


 ダッ!!!(反応したウィル、シュウ、紫苑、イリーナ、アルト、神楽が壁際まで走る音)


 ドーンッ!(爆弾が起爆した音)


「キャァァァァァァ!!!!」(逃げ遅れたシルヴィアの断末魔)


「シルヴィアー!?」


「待って今のでベット吹き飛んだ!」


『誰か助けてください! いやぁぁぁぁぁ敵多すぎー!!!』


「ボイスチャットから悲鳴が聞こえる…」


「今外に出たら袋叩きだよ…」


「リスポーン地点からここまで無事に帰ってくるのは不可能…」


 シュー…


「またかよ!」


「これ特殊能力持ち倒すまで爆弾召喚され続けるよ!?」


『たすけてぇ!!!』


 結局…朝までにウィル、神楽、アルトは死亡しシルヴィアと共に外でリスポーン狩りを喰らった。


「大丈夫かー君たち……あれ、こここんなにデコボコだったっけ…?」


「爆弾魔やら能力持ちやらミュータントやらに爆破されまくりましたからねぇ…」


 朝になり、敵が殆ど死んだので紫苑が迎えに来てくれたが、明らかに爆弾の生成量が上がっている爆弾魔、高速で走りあたり一面を炎上させるインファーナル強化の敵、ロケランやらグレランやら戦車やらで暴れるゲリラに爆弾魔のミュータントまで出てきたため初期スポーン地点の森は既に焼失もしくは爆失していた。


「こっちも大変だった。途中から拠点の天井ぶち破って入ってくるやつとかいたから」


「爆破以外のブロック破壊もあるのかぁこの世界」


 通常のこのゲームならここまで酷くはないのだが…これクリアできるのだろうか…


「もう…普通のゲームやりたい…」


 死んでは殺されを一番多く経験したシルヴィアの心は少し折れかかっていたのだった……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そうして敵の妨害をなんとか乗り越えながらも敵の湧く地点を潰していった。

 そして堀を作りようやく静かな夜(当社比)を過ごすことに成功した。


 たまにロケランや砲弾が飛んでくるが避けるだけでいいし少なくとも地下拠点は安全だ。


 そうこうしていると時間は早く進んでいくもので、いつの間にか下校時間だ。


「それじゃ、今日の部活は終了。

お疲れー!」


 神楽…じゃない、飯坂先輩の音頭で解散する。


「今日のはヤバかったな…」


 敵の射る弓矢を持っていた剣で弾いても捌ききれないんだが。

 ひとまず普通に暮らすことができるエリアが作れただけでも十分な成果じゃないだろうか。


 帰宅後、晩御飯を食べてお風呂に入ったら自室に戻り、今日やるゲームを吟味する。


「ま、いつものでいいか」


 と結局はファングラのカセットを入れてヘッドギアを被る。

 小さな駆動音と共に意識が電脳世界へと入る。


「と、言っても一人じゃなぁ…PKKでもするか」


「お、ウィルやっほー」


 声のする方を見ればシュウが丁度ログインしてきたところだった。


「お、丁度いい。PKK行こうぜ」


「お、いいねぇ」


 そうして、二人はベルタの街を出て、ビギンズの方へと駆けだす。


「掲示板によると今年参入してきた初心者ばかりを狙ったPKが流行ってるらしい」


「うっわぁ酷いなそれは」


「だから俺たちが」


「懲らしめてあげなきゃね?」


 なお、正義のヒーローぶっているが、ただPKの持っているアイテムを奪いたいいだけなので、やっていることはPKと大差ないのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「絶対殺してやる!」


「おう、頑張れよー。今回は負けたけど」


 5人で初心者狩りをしていたPK(こっちも初心者)を2人で蹂躙し、最後の一人が消える寸前恨み言を言っていたので適当に返す。


「あんまいいアイテム持ってないねー」


「まあ、まだPKなりたてだろうしな」


 PKとして成り上がろうとしたところにガチ勢にボコられた形である。

 まだ始めたての初心者が相手するには力の差がありすぎた。


「【刀技:天断】」


 その声を聞いた瞬間それぞれ回避を選択。

 その刹那には先程まで立っていた場所に凄まじいエフェクトの尾を引きながら衝撃波が通過する。


「うっわお前らかよ…」


「いつまで追ってくるのさ?」


「無論、こういう性分でね?」


「さあ! 今日もバトルしようぜ!」


 そう言って砂煙を払いながら現れる二人組のPK。

 片や、狐系の耳と尻尾を携え、先程衝撃波を放ってきた刀を振る女。名を『Yui』。


 片や、鬼の証である角を額から生やし、背丈程はある大剣を振る男。名を『ジャック』。


 そうして、二人のPKと二人のPKKが対峙した。

Q.結局なんのMODが入ってんの?


A.たくさん。取り敢えず元ネタと共に紹介すると…


【ミュータント】

元ネタ:Mutant Creatures

『突然変異種』という意味のMOD、ハルクみたいなゾンビとかを追加する。


【インファーナル】

元ネタ:InfernalMobs

『地獄(悪魔)のような』という意味のMOD。特殊能力持ちのモブを追加する。


【ゲリラ】

元ネタ:GVCReversion2

戦車とか戦闘機とか銃火器とかを追加するMOD。



インファーナルのヤバいところは追加モブにも効果がある。

 つまりインファーナル強化のミュータントとかいる。ヤバい。

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