積み木の狭間で
うは
「頭に一突き!って感じですね」
「気になるな。」
「煤っすよね。」
「あぁ、なんでこんなに、周りがすすだらけなんだ。」
「何かを焼いたとか?」
「いや、燃えた跡は無いな。それにボヤの通報もない。」
「謎っすね」
「これでもう4件目だ。」
「煤跡殺人事件。なんて」
不気味な事件だな。
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ビルとビルの隙間から路地裏に太陽が差し込む。
太陽光で起きる。なんて人間らしい。
この体にはなんとも似合わない。
触手のように伸び、だらんと地面に垂れ下がった影のような腕。
なんだか肌も灰色だ。
通った道は煤だらけ。どこにも逃げられない。
「はぁ」
一晩中走り回った後、気を失ったように寝たせいで頭がすごく冴えている。
都会の曇りきったこの空気もなんだか今は美味しい。
昨日の夜を思い出すと、恐怖かなにか。
体が震え出す。
「花楓...居るかな。」
「八幡殺したの、あんた?」
「!?」
急に目の前に顔が現れた。
殺した?そんなこと、した、した覚えは。
「あ、ぁぁあ、あ!ぁぁぁぁぁぁ」
パシンッ
頬に衝撃が走る。
「フラッシュバックは後にして。あいつのこと嫌いだったけどね、ここでのルールなの。仲間が殺されたらやりかえす。」
ここでのルール?ここってなんだ。
ヤクザかよ。やられたらやりかえすって。
「じゃ」
彼女に向かって噴水のように血が噴いた。
不思議と痛みもなく、混乱もしなかった。
だがその落ち着きに反して、意識は失せていく。
死ぬ。
本当は昨日、楽しみだったのにな。
「花楓...」
「!?花楓っつったか!?」
「聞き間違えか?」
あは