異世界転移の錬金生活403 サクヤさんがんばる
カカオ、茶葉、ナッツ類の検索、調査開始である。
思っていた以上に、サクヤさんはすごい。
シメジだの、ミョウガだの、サトイモだの。
未発見だったものが次々みつかる。
特にシメジは見た目が悪すぎて、例によってまあ試せない。
ブロッコリーやキャベツ、ハクサイなんかも、よく考えてみればそれとわかる。
色味や形状がシュールでまさか、という感じなのだが。
しかし、キャベツはアカムラサキのヤツが前世でもあったはずだ。
おっさんはこういう部分で色や形なんてどうにでもなるのだという理解をした。
植物というのは意外と柔軟な生物なのだろう。
変化を好まず動かないイメージがあるが状況に合わせて進化は盛んに行っている。
勝手にこちらで悩んでいたのが、今ではバカらしい限りである。
通常状態の色味がシュールでも煮込んだり塩ゆですると色が変わる場合もある。
料理として出来上がってみると、意外と大丈夫な見た目になる。
おっさんは素直に今回の探索行の成果を喜んでいる。
特にシメジの味わいは結構いろんな料理に必要だ。
あと、キャベツやハクサイはサイズが相当小さい気がする。
前世のものが大きいのは、農家の皆さんによる努力の賜物だったのかもしれない。
農家の皆さんによる遺伝子的な厳選が進んでいた可能性はある。
あと、種を管理している専門メーカーも前世にはあったな。
なんにせよ、目標は遠そうだがそれ以外で成果が出た。
土の組成である程度、育つ植物が判断できるらしい。
収集は謎の魔力で根っこごと掘り出すので、傷つけることもない。
サクヤさんの土属性能力は、こういう場合無敵である。
また帰ったら畑が大きくなりそうである。
農作業の人手が足りなくなってきそうである。
今は謎の宇宙人テクニックでどうにか回っているが。
秋の収穫シーズンとか、今から非常に恐ろしい。
グレゴリには当然協力してもらう予定である。
ニギハヤヒが必死で農作業をやっているのはおもしろかろう。
えらい神様のはずなのに、結構扱いがひどい。
しかし本人は意外と楽しそうにこなしそうである。
数日で台車が植物でいっぱいになり、帰還する運びとなった。
当然戻ったら農作業が待っている。
取ってきたものを必死で植えて育てる。
種が取れるものは、これで来年もいけるわけだ。
作った農機具がさっそく大車輪の活躍だった。
そのあとは、例によってのピクシーちゃん輸送で娼館へ行った。
料理を出前し、また娼館で命の洗濯を行った。
以前と思うとタイムラグがないため、娼館も不満はなさそうだ。
おっさんの気力体力だけが不満を訴えていた。
つらい。
しばらく充電してまた新拠点ヨシオに戻った。
ピクシーちゃんはやっぱりロートル町はイヤみたいだ。
飛行用拘束具を取り出すと、やっぱり嬉しそうである。
おっさんの気力体力だけが不満を訴えていた。
つらい。
しばらく休んでまたみんなで農作業をやった。
植わっているものが食欲をダイレクトに刺激してくる。
旨そうだなあ。
色味など、慣れればかわいく見えてくるから不思議だ。
おっさんは異世界に、なんだかんだで馴染みつつあるのを感じた。
カカオ、茶葉、ナッツ類の検索、調査ですか。
いや、やるよもちろん。
でも、こういう展開になったことでわかっていただきたい。
課題に気づいていないだけで、結構抜けや不明分がある。
まだまだ異世界を調べつくしたとは、お世辞にもいい難い。
つまり料理回は永遠に不滅なのである。
人類にとってはなおざりにはできない問題が食事にはある。
よく考えなくても、コメさえいまだ手に入ってはいないのだ。
和食としては足りない要素がまだまだ多い。
今回の探索で、ロールキャベツや各種ハクサイの鍋料理に取り組める。
そういえば、しばらく食っていないなという話になる。
ハクサイが白じゃなかったり、キャベツが薄緑じゃなかったりする。
そんなことは、上記の話の前にはどうでもいい話である。
みんなでロールキャベツやハクサイ鍋パーティをやり、ハフハフ食ったよ。
孤独感の強い自分にとってはいろんな意味であったけえな、コレ。
やっぱりコメがいるな。
この汁にご飯を漬けて食いたい。
あと、チクワとかハンペンとか魚の練りモノが欲しい。
ソードフィッシュとかで作ってみるか。
娼館の料理としては、これも厳しいな。
汁物はダメではないんだが、鍋は多数でつつくのが旨いわけで。
娼館の場合、小鉢に鍋で煮込んだハクサイを少し入れるぐらいだろう。
おしゃれだけど、鍋とは違うものになる。
いろいろ考えられるだけでおもしろい。
カカオ、茶葉、ナッツ類のアクセントも料理にもちろん必要だ。
ただ、この辺りは主にはなりづらい食材たちである。
そういう意味で、今回の探索行は非常に重要だったとおっさんは思う。
おお、そうそう。
植物を育てるにあたり、もう一つ重要な要素がある。
ミツバチさんである。
花のオシベメシベが受粉するのに、とても重要な役目を負う。
種ができるのも彼らのおかげである。
畑が広がるたびに、不満もいわずに頑張ってくれている。
過労で倒れないように、おっさんは応援している。
はちみつも重要だけど、それだけではない。




