表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/179

異世界転移の錬金生活402 稲作のはじまり

 さっそくなんだが、例の簡易的なイスやテーブル。

コイツを作成してみたいと思う。

参考にするのは、もちろんワカ町の大工さんが作成した普通のものだ。


 自分は竹細工を使って、ピクシーちゃんの新巣箱を作成したりしてきた。

軽量の竹で、何とかイスやテーブルを作れないか試してみたい。

折りたたんで運搬が可能になるのが、理想の形態である。

前世でのイメージはあるが、その通りいくかは微妙である。


 わかりやすいところで、イスの座る部分を作ってみる。

ピクシーちゃんの新巣箱も、ここから作り始めたのだ。

ここが定まると、全体のサイズ感も決まるだろう。

可動部分は、最後に詰めよう、そうしよう。


 しかし、こさえているうちにカグヤさんに見つかる。

ここからは、カグヤさんとセオリツさん監修になった。

つまり、とんでもない高性能なブツになる。

いったいどこの誰と戦っているのか、おっさんは。


 座り心地がまずヤバイ。

前世のワーキングチェアのような感じである。

そのうえ折りたたむと、とても軽い。

折りたたみの機構は、セオリツさんの謎織物接続である。

弓のようなバネ機構もカグヤさんの作成物である。


 耐熱、耐火性能もいうまでもない。

どうせ宇宙空間に飛び出しても大丈夫なんだと思う。

どうしてイスやテーブルを抱えて宇宙に行くのか本気でわからない。

おっさんは息ができないと、死んでしまうのに。

おっさんには、大気圏突入の能力はないのに。


 かといって、おっさんにモ〇ルスーツのようなものを作成されても困る。

いけそうなだけに困る。

ピクシーちゃんは大喜びしそうなだけに、本気で困る。

宇宙旅行はおっさんの頭ではハードルが高すぎる。

宇宙飛行士は、おっさんの中ではタフな天才エリートの頂点である。


 よっておっさんのできることは、イスやテーブルを完成させることのみである。

余計なことをいって、これ以上ややこしくしてはいけない。

いいものには違いないので、便利に使いたいと思う。


 あと、料理に関してだが以前終わったようなことをいったな。

あれは嘘だ。

やっていると、思い出してくる味や飲み物が出てくる。

具体的には、カカオ、茶葉、アーモンドやピーナッツなど。

そう、チョコやお茶、ナッツ類が料理のアクセントで欲しい。


 南方系っぽい食材が多いため、例の贅沢品の商人が妥当だろうか。

その前に、しっかり検索や調査をする必要がある。

本ワサビのように、探せばある場合もあるからだ。

誰と探しに行くのが妥当だろうな。

グレゴリがいつものパターンだが、グレゴリーズの誰かでもいい。


 グレゴリーズに相談したら、サクヤさんに決定した。

地味な学究肌オタクで、フィールドワークも苦手っぽいので意外だった。

ただ土いじりには定評があるため、見つけたい植物を探索できるらしい。

土の組成をいじれるともいっていた。

具体的には何ができるのか、おっさんにはわからない。


 あと、本当にフィールドワークが苦手なのは、カグヤさんだそうだ。

ただ歩くのはめんどくさいので嫌いだそうな。

竹林から新拠点ヨシオまでの道のりは、ギリギリ我慢したそうだ。

田畑を縦横無尽に動き回って疲れも見せないのに、不思議である。


 そうなのだ。

カグヤさんは田んぼを本格稼働させた。

コメがやはり和食には必須だそうだ。

今から非常に楽しみであるが、来年まで待たねばならない。


 それに穀物を収穫や脱穀するのに、繊細な道具が多数必要である。

まあ、宇宙人が束になってかかれば、造作もなく完成するだろう。

おっさんは手出しせず、手伝うぐらいで十分だろう。


 そう思っていたが、違うらしい。

おっさんが頑張らないと、自分たちで勝手に作りこむのは違うらしい。

この辺りの宇宙人ルールが、自分的には不可解である。

結局ガッツリ頑張る羽目になり、まあ苦労した。

そもそも農機具をちゃんと見たことさえない。


 カグヤさんやサクヤさんに、無能だといわれながら思い出し思い出し作った。

金属の刃物の類は、ロートル町に手配した。

これをククリさんがなんかしたら、多分硬質化した。

接続部分やそのほかの補強は、セオリツさんが当たり前に作りこんだ。


 どうも書いているだけでも、いかんブツができた気がする。

十束トツカの剣だの、天叢雲アマノムラクモの剣だの、布都之御魂フツノミタマだの。

あれらが実際どうできたか、おっさんはなんとなく悟った。

石材が豆腐のように切れるカマやらスキやらクワやら。

もう、農機具と呼んでいいのかもわからない。


 ちなみに鉄インゴット、クサビ・大に関して、今回ククリさんにいじられた。

かまどで熱することなく形が自由に変わる。

これを物理的な力でククリつけるんだそうである。

ぐぐっとこうやる、と見せられても、おっさんにはムリだ。


 まるで魔法のようだったが、よく考えると魔法だった。

魔法の才能はおっさんにない、というのはちょっとした絶望である。

クワはこれを素材にしたので、分けられたクサビは小さく手ごろな数本になった。

もちろん、それぞれ硬質化している。


 いやあ、便利になったものである。

今までなんだったんだ。

鉄インゴット、クサビ・大が特にお役立ちアイテムに生まれ変わっている。

地味に持ちづらくて今まで苦労していたのだ。

農機具もどう見たって前世にもないレベルの匠の逸品ぞろいだ。

おっさんなんかが使っていいのかと心配になるレベルだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ