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【完結済み】アラフォーのおっさんによる異世界転移の錬金生活  作者: 薙尋
なあ、地球の人類滅亡したってよ3
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なあ、地球の人類滅亡したってよ006 ツクヨミと空海

 今回は竹取物語である。

しかし、一部に前回語った天下分け目の関が原、壬申の乱の話がある。

関連を下記に述べたく思う。


 竹の中に月の姫・迦具夜カグヤ姫は現れる。

竹取翁サカキノミヤツコに世話をされながらカグヤ姫はすくすく育つ。

御室戸斎部ミムロドインベの秋田により名づけられる。


 まず、迦具夜カグヤ姫だが、モデルは垂仁天皇の妃・迦具夜カグヤ比売である。

その父親は竹取翁サカキノミヤツコだが、大筒木垂根王オオツツキタリネノミコである。

よって筒木との地名が残る、京田辺市周辺が舞台であるとされる。


 五人の貴公子に求婚される。

石作皇子イシヅクリノミコ車持皇子クラモチノミコ、右大臣・阿倍アベノ御主人ミウシ、大納言・大伴オオトモノ御行ミユキ、中納言・石上イソノカミノ麻呂足マロタリである。

宣化天皇の四世孫で「石作」氏と同族だった多治比嶋タジヒシマ、母の姓が「庫持クラモチ」である藤原フジワラ不比等フヒト、阿倍御主人、大伴御行、石上麻呂がモデルである。

ちなみに全員、前回取り上げた壬申の乱に参加し、天武天皇・持統天皇に仕えた人物である。

記紀神話の関連でいえば、藤原不比等がもろにその関係者である。


 彼らは課題を出され、全部失敗し断られる。

これらの課題は、非常にボーダーレスな国際感覚のある上流階級の人間にしか考えられないそうである。

遣唐使なんかに参加して、外国でしばらく勉学に励んだ人間にしか書けないものだそうな。


 帝にも求婚されるが断る。

しかし、その後も帝とは交流が続く。


 この帝は、平安時代初期の嵯峨サガ天皇であるといわれている。

兄である平城ヘイゼイ上皇との争いである薬子の変が起こった。

嵯峨天皇は坂上田村麻呂を派遣して兵を動かし、平城上皇が出家して決着する。

平城上皇の愛妾の尚侍・藤原フジワラノ薬子クスコは自害した。


 平城上皇の子で甥にあたる高岳親王を皇太子としていたが、廃している。

この高岳親王が、のちの空海十大弟子のひとり真如シンニョである。

このことから、空海こそが、竹取物語の原作者であるとの説がある。

『三教指帰』と対句の多い文章の運びがそっくりだそうである。


 迎えが来て、迦具夜カグヤ姫は天羽衣を着て月の世界へ帰る。

帝は不死の薬をもらうが、迦具夜カグヤ姫喪失を悲しむ。

その薬は、不死山(富士山)に捨てさせ護摩炊きをする。


 ここにも空海らしさが感じられる。

不死の薬を護摩炊きさせ、嵯峨天皇に対し、兄弟間の醜い諍いをやめさせ、権力に対する執着を捨てて、慈悲の心を持つように求めている。

ちなみに嵯峨天皇の教師のようなことを空海はしていたそうである。

つまり、竹取物語自体が、こういう政治的な諫めの書だった、というわけである。

壬申の乱も兄弟間の継承争いである。

薬子の乱もやはり兄弟間の継承争いだ。


 もちろん、竹取物語の原作者は、紀貫之など、諸説あってはっきりしない。

ただ、上記説はかなりの説得力があるように思われるがどうだろう。

空海は、阿刀氏の母を持つ人で、この阿刀氏というのは物部氏同族である。

阿刀大足が母方の伯父で、この人が子供のころの教育係だったようだ。

物部系阿刀氏は宗教家として大成した人が多いようである。


神道 -記紀神話の宇宙観- より抜粋。

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