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異世界転移の錬金生活318 ピクシーちゃん輸送

 移動手段回の続きである。

ピクシーちゃんが大きくなっている気づきによって、展望は開けた。

しかし、おっさんを抱えて飛ぶのはイヤかもしれない。

ピクシーちゃんの意向も、もちろん重要である。


 あとはおっさんのメンタルの問題である。

若い時には大空に対するあこがれ感は普通にあった。

宇宙の神秘みたいな話はドキドキするものだ。

わけもわからず、相対性理論すげービッグバンすげーと思っていた。

そして情けないことに、いまだにわけがわかっていない。


 しかし飛べる生物に縛り付けられて飛びたいか、というと。

一発で気絶してわけがわからないまま、飛ばされる気がする。

気がついた時には、三半規管がえらいことになって戻す。

それでも止めることもできず飛ばされ続ける。


 大型ジャンボジェットで飛ぶのとは、わけが違う。

むしろ個体としては自分よりやや小さいのだ。

ゼロ戦に乗ってドッグファイトしている風情だろう。

それより大気の影響は大きそうだ。


 ムリだ、こわすぎる。

ピクシーちゃんに速度を調節してもらうしかない。

しかし、飛行ってそんなに自由になるものなのか。

素人考えだが、どの鳥も必死に飛んでるイメージしかない。

ゆっくり時間をかけて上空に昇っていく鳥なんて知らない。


 もちろんピクシーちゃんもゆっくりしてるイメージはない。

特にミツバチさんと一緒にいるときは、皆と編隊飛行をしている。

実にトッ〇ガンっぽい空軍な感じである。

肘と肘であいさつする感じである。


 これに限らず、なんかうちの女性陣はふっと男性性を出す。

それもあって、妙なカッコかわいさがある。

おっさんの妙なおさまりの悪いだらしなさとはえらい違いである。

男性性も女性性もなく、ただただダメな人である。


 そうなるとだ、結局おっさんはどうしたいかという話だ。

上記リスクを飲み込んででも、速く娼館に行きたいかどうか。

料理の業者として頑張る必要があるのは当然として。

端的には、それぐらいたまってんのかという問題だ。


 そうなのだ。

自分の拠点であるのに、自分の領分プライベートスペースはほとんどない。

自分の寝室はあるが、ここでも意外と自由にやれる感じではない。

ちょっと変な物音を立てると、翌日ワイワイいわれる。

自分の寝室に乱入してきて、部屋の臭いを嗅ぎまわる。

まあ、おかげで自分の寝室もみんなが掃除してくれてきれいなんだけど。


 ヤラしい、ヤラれそう、ヤラないか、ヤラなければ、ヤル気満々。

なに活用か知らんが、相当いわれるのだ。

ヤルがゲシュタルト崩壊するゲスさ加減である。

みんな聞いてんのなという話である。


 そういう意味では一番オトナなのは、ピクシーちゃんかもしれん。

慌てないし騒がない、なにしてんの、とドンと構えている。

だからこそ、一番遠慮もないんだけどね。

付き合いの長さによるところが大きい気がする。


 まあ、おもしろ話はこれぐらいにして。

おっさんはみんなに相談して実験してみることにした。

ピクシーちゃんは意外とやる気満々だった。

ぐっとこぶしを作って、強い目をして自分を見た。


 飛行体勢が崩れると危険だから、そうとうしっかり固定しないと。

固定する方が大きいから大変だわ。

まあ、セオリツさんが生地から工夫するから、よっぽど大丈夫かな。

絞めすぎて、おっさんが生命維持できなくなったり。


 いっそ打ち出の小槌の縮小バージョンでも作って、おっさんのサイズを小さくしちゃう。

ああイッスン法師か。それともスクナヒコナ。

小さくした後、元へ戻せなくなるぞ。

かわいくていいんじゃない。


 え、こわっ。

おっさんのサイズを小さくの部分で、思わず自分の息子を見ちまった。

その後に、何を話してるのか正しく理解してさらにゾッとした。

宇宙人の発想こえー。

できる辺りが特にこえー。

ひょっとして、スクナヒコナとかイッスン法師、オヤユビ姫とかは実話なの。

あっあっ、そういえばカグヤさんってお話の中で最初小さかったよね。


 このスーパーアイテム打ち出の小槌は、忘れよう。

実在しているとわかっても、わからなくても、どちらでもイヤだ。

急に身体を大きくされたり小さくされたり、こういうことに悩みたくない。

イッスン法師の話は、結構なサバイバル話だった気がするぞ。

おっさんの今の境遇と被るではないか。


 この辺りを皆に切々と訴えたら、ようやく許された。

じゃあしょうがないから今のサイズで、とかいわれた。

小さくして、ニ〇スのふしぎな旅的なロマンを求めたいらしい。


 それ、当事者じゃないから、ふしぎな、で済むのだ。

本人はふしぎではなく、必死だったはずだから。

同じような巻き込まれ方をしたおっさんだからこそわかる。

巻き込まれた渦中では、不思議とか考えている余裕なんかない。


 ただね、固定具を見て自分は青ざめるわけである。

予想はしていたけどね。

予想以上のシロモノだった。


 別の意味で自分は死んでしまう。

しかし、死なないように相当工夫をしてあるのだ。

つまり死にたいような目にあっても死ねない感じである。

頑張って耐えるしかないし、耐えるより受け入れろ的なシロモノだ。

まあ、戻しながら進む感じになるだろうか。

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