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異世界転移の錬金生活310 オトナは復活した

 グレゴリーズが復活した。

うるさい。あたし復活とかうるさい。

なあなあ、そろそろ出かけようぜぇ。

暇だよねえ。もう休憩飽きた。

グレゴリは相変わらず空気と化している。


 いや、おっさんも異論はないよ。

気持ちを入れ替えて、森の中を歩いて緑や水気で癒されたい。

正直、ここのところ生理用品について考えたり充実はしていた。

でも、不健全な感じは否めない。

内心ちょっとドロドロしたものがたまってきた。


 男性が女性の秘めたる需要について考えるのはよくない。

生理用品に関しては、作ったとしても商品化するめどが立たない。

誰に話せばいいのか、誰がこういう商品を恥ずかしくなく買うのか。

今までにない価値観に女性が乗っかるだろうか。


 こんなものは、共感力の高い女性が先頭に立って開発すべきだ。

生理について真剣に悩んだ経験は男性にはない。

変態になる因子を多分に備えているこの生理という現象。

男性としてはなかなか毒気を抜かれる現象だ。


 まず、股間が血まみれになるなどという軽く絶望しそうな話である。

実は男性はちょっと血を見ただけで、真っ青になる生物である。

男性が股間が血まみれなんてなったら、あ、俺死んだ、となるのである。

それがほぼ毎月襲ってくる。お腹は鈍痛が続く。

血が足りなくて貧血気味になる。

まず精神的に男性には耐えられそうにもないのである。


 忘れたい。

頭からこの手の想念を追い出さないと、変態どころじゃなくなる。

ちょっと元気をなくしながら、グレゴリーズの後をついていった。

そんなことより、植木鉢のようなものを考えよう。

鉢植えが充実した旧拠点は、今までとは雰囲気が違う。

生活のうるおい的な部分は、やはり男性は女性にかなわない。


 グレゴリーズはテンションがとんでもないことになっていた。

楽しそうで大いに結構である。

おっさんもたまってきたの。絶対そうだよ、しばらくしてないよね。

一人になったらしてんじゃないの。えー、絶対あの顔はしてないよ。


 うるせ、うるせ。

落ち着いたと思ったら、またそれか。

おっさんの性の生態の何が面白いのか。

くそー。

おっさんは女性がそばにいる環境で、厚かましく一人でするほど変態でない。

あの顔とは、どの顔なのか。

見たらわかる顔なのか。

ちくしょう。たまっているのが悪いのか。


 グレゴリは、ますます空気と化している。

反応すらしていない。ここまでくると見事である。

自分だけが、妙に思春期の若者並みに反応している。

それを見てクスクス笑うグレゴリーズ。

くそ、神様や宇宙人でなければ殺したい。


 ここからまた、連日のバンガロー作りが始まった。

明らかに彼女たちは慣れてきている。

自分も何本どんな長さの建材がいるのか、いよいよ完璧に把握している。

こいつに慣れると危険だな。

ククリナイフや武術の心得だの、自分は縁もないからだ。

あんな太い木を一刀の元に切り裂くとか、ムリである。


 しかしである。

怪我の功名というか、これで自分たちの宿泊所は女性もお迎えできる充実ぶりだ。

これを使ったティムが発動する日を、楽しみに待てるというものだ。

人間相手には発動しない、というオチが待っているかもしれんが。

しかし、そうだったとしてもありがたい流れである。


 そうこうするうちに、新拠点ヨシオに到着した。

すぐにピクシーちゃんはどこかへ行ってしまった。

グレゴリーズはいつも通り自分の石造り拠点の周囲にバンガローを作ろうとした。

そこで、自分は周囲の石を指し示し、鉄インゴット・クサビ大を取り出した。


 グレゴリが中心になって石材を切り出し、新拠点ヨシオの屋根拡張を行った。

隣家の倉庫部分は倍の面積にした。

それ以外の生活施設を取り壊し、母屋につながる形に修正した。

倉庫は新拠点ヨシオの母屋に接続され、その間を石の屋根材がつないでいる。

その渡り廊下部分に予定通りトイレを設置した。


 結果として、母屋部分はそうとう拡張し、女性陣も余裕で宿泊できる。

部屋割りもして、壁でプライベートもばっちりである。

あとは、ベッドや布団だとか、タンス等の収納があれば生活もできそうだ。

まあ、ワカ町で大工に頼めば、すぐにでも揃うだろう。


 ここでしばらくミツバチさんやクマ、ピクシーちゃんと戯れながら過ごした。

グレゴリーズは、なんか定住する気満々である。

おっさんはともかく、ここはいいとこだー。空気が澄んでいい気持ち。

癒しの空間です。ティムした魔物もいい感じの子ばかり。

むしろグレゴリだけが、ロートル町に行きたがっていた。


 気持ちはすごくよくわかる。

例の娼館だろう。

自分ももはや娼館と贅沢品の商人以外とは付き合うメリットがあまりない。

あとは道具屋のタヌキおやじぐらいだろうか。

しかし、主たる収入源がやはりここなのである。


 だからグレゴリをかばう体で、ロートル町に定期的に行く必要があると話した。

ワカ町はむしろ、生活雑貨を必要に応じて買う程度である。

それには、ここで適当に育てた養殖キノコで十分すぎる。

下手すると、不足する鳥類の卵をここで卸すよう要求されるかもしれない。


 結局のところ、落ち着いたところでワカ町にみんなで出かけた。

ミカエル君にやはり卵を強奪され、養殖キノコの代金等で大工を手配した。

そうそう病院施設のおっさんにも、ポーションを渡した。

ワカ町の途中一日の距離に、例によってバンガロー式の宿泊所を建設した。

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