異世界転移の錬金生活308 オトナの相手は大変だ
冷静に宿泊をどうするのか考えてみた。
グレゴリーズは、四人いる。
簡易宿泊所も含め各拠点は、基本的に一人用である。
グレゴリ一人だった時は、ここに二人で雑魚寝だった。
え、ムリじゃね。
特に女の子三人はムリじゃね。
よく考えたらさ、クサイとかなんとかいってる場合じゃなくね。
ここに雑魚寝とかやったら、確実に間違いが起こる。
イヤ、自分は起こしてみせる。
やったらー、コラー。
まあ各拠点はまだ、石造りの結構ちゃんとした施設なのだ。
雑魚寝といってもそれなりに距離間隔を持つことは可能だ。
しかしこれから向かう簡易宿泊所はムリだ。
そもそも屋根が例の木と葉っぱ、つる草のコラボである。
雨でも降れば、時折やや雨漏りはする程度のものだ。
どうするつもりだろう。
あ、ひょっとして謎の宇宙人パワーが辺りを席捲する展開か。
陰陽五行説パワーで、ニョキニョキ建物が生えるとか。
自分とは違って、めっちゃ風水とかこだわりそうだな。
どこかの亜空間がくぱぁと開いて、みんなを導き入れるとか。
個人的には強殖〇甲ガ〇バーみたいな、くぱぁ感が見てみたい。
こんなどうでもいいことを考えていると、グレゴリがいった。
みんなをこき使ってくれていいので、宿泊所は作り直そう。
みんな野宿はオーケーな程度にはタフだが、流石に女だしな。
身体を流水で流せる程度の施設はいるだろう。
ああ、やっぱりそんな贅沢な話はないか。
そのうえ今でも新拠点ヨシオにしかない水風呂を装備させろと。
まあ、女の子だからいろいろありますよね。
というか、宇宙人でもそういう月のモノ的な話があるの。
ちょっと意外と生々しい宇宙人事情が垣間見えてドキッとした。
意外と神様とかいったところで、こんな生々しさなのかもしれない。
間違ってヤッちゃってデキちゃった系の話もあるんだろうな。
グレゴリも自分みたいにコソコソ隠れて男の劣情を処理したりしているのか。
ああ、コイツも意外と例の娼館に通ってやがるんだった。
え、ということは間違ってヤッちゃうことは自分にも可能か。
宇宙人とそういうアバンチュールを楽しんじゃっても許されると。
子作りには興味ないといってたし、流石に妊娠はしないよな。
種が違うもんな、そりゃそうだ。
とうとう簡易宿泊所にたどり着いた。
グレゴリーズはやはり黙っていなかった。
え、掘っ立て小屋、掘っ立て小屋がある。
ゴブリンだ、ゴブリンがいる。
自分を指さして騒ぎやがった。
人類なんぞ面白い猿みたいなもんなんだろう。
そりゃあ、ゴブリンにも見えるってもんさ。
そんじゃあ謎の宇宙人パワーで住居を用意してくれよ、お願いだから。
自分だってこれに満足しているわけじゃない。
結局みんなを説得して屋根材をいろいろ探してもらった。
グレゴリは武術の達人だし、ククリさんもそうだ。
持っている武器がそのまま伐採用の道具になった。
太くて長い優良な建材がどんどん準備されていく。
一気にバージョンが上がって、バンガロー風な建物ができた。
難があるとすれば、建材の乾燥が甘いことぐらいだろう。
中には、水風呂施設を準備させていただいた。
今回のしっかりした屋根材から、トイをつたって真水もとれる。
雨が降れば、即水風呂にも入れる。
ただ、降りそうもない。
今までためてあった真水を惜しげもなく投入して水風呂を入れた。
今まで水瓶にためておいて本当に助かった。
自分をほめてやりたい。
次の宿泊所はどうだっただろうか。
いまいち自信がない。
しかし、自分の簡易宿泊所の中に女性が三人もいる。
水風呂を嬉しそうに浴びている。
もちろん絶対に覗いたりはしていないが、真水が彼女たちの色になる。
このあとグレゴリと二人でこの風呂に入るのだ。
ああ、おっさんはまたしてもいかん感情に支配されそうだ。
この水は捨てずにとって置きたくなるが、まあ変態的だよな。
グレゴリに心底心配されそうな振舞いは自重すべきだ。
そもそもこの女性陣が風呂に入る行為はこれからも続くのだ。
今からこんなに思い詰めていたら身が持たない。
冷静になれ、冷静になるんだ自分。
結局、グレゴリと一緒に水風呂にいって驚いた。
水が全部抜かれている。
グレゴリーズがいうには、自分たちの目がキモイ。
男は一日二日ぐらい風呂に入らなくても平気。
私たちは少なくとも、ちょっとクサイくらい気にしない。
日ごろのグレゴリの扱われ方がわかった気がした。
これは早急に石造りの拠点にたどり着かねばならん理由ができたな。
石造りの拠点なら、自分たちも水風呂に入らせてもらえるかもしれん。
ダメかもしれん。
なあ、ニギハヤヒって英雄で神様じゃないのか。
少なくともこんな扱い許されるキャラだったか。
まあ、おっさんはいいのよ、どうせね。
でもさ、まるでダメなオッサンがクサかったら何も残らないよな。
せめてカレー臭的なものはちゃんと処理してないとさ。
清潔感は大事っていってませんでしたか、偉い人。
やっぱりさ、オトナはバカなガキに冷たいわけよ。
おっさんはこういうの慣れてるわけよ、ダメな人代表だから。




