異世界転移の錬金生活305 グレゴリーズ登場
今日は、グレゴリが友人を紹介したいといってきた。
こういう流れは初めてで、ちょっと緊張する。
グレゴリは友達とつるんでいるイメージがない。
お世辞にも女受けしそうな顔はしていない。
なのに、である。
美女軍団みたいなのを連れてきた。
ククリさん。
ククリナイフという歪んだような形のナイフを持っている。
ちょっと女ランボーのような雰囲気でこわい。
顔になんかペイントしているのが、インディアンみたいだ。
しかし、こんな感じで美人とわかる白髪。
セオリツさん。
ちょっとウンディーネっぽい黒髪美女。
癒し系のおっとりした声と顔立ち。
なんかの杖を持っていて神官っぽいいでたち。
サクヤさん。
ちょっとノームっぽい金髪美女。
はきはきした喋りと賢そうな顔立ち。
格好は構わない感じで、ちょっと汚れている。
そうしたら、グレゴリがこういった。
実は俺の本名はニギハヤヒ。
エ・グリゴリというのがこのメンバーの所属だ。
人に名乗るときは、分かりやすくみんなグレゴリと名乗る。
自分はここまで聞いてさすがに気づいた。
はあ、日本の神話みたいな名前だ。
いまいち記憶ははっきりしないが、みんな神様の名前なのか。
確かにこの世界では違和感のある名前ばかりだ。
グレゴリ、という風に名乗る理由はよくわかる。
そうしたら、ククリさんがいった。
あたしはさ、どうもイワナガさんとかいわれてるらしいんだ。
黄泉の国でヨモツシコメとかいう化け物と一緒にされたり、いい迷惑だよ。
あたしは一生この肉体で戦い抜く格闘乙女なんだ。
嫁入りなんかする予定はない。
正しいのはサクヤと姉妹だってことぐらいだよ。
サクヤさんが話し始めた。
実は、あなたの国は結構世界にとって重要なパーツだったのだ。
要石のような存在だ。難しいことをいってもわからんと思うが。
私はそもそも子作りに興味がない、一生を研究に捧げる存在だ。
セオリツさんはじっとしていた。
困っていた。
おろおろしていたが、別に話すことはないようだった。
彼女は多分人並みに恋愛して子作りもするだろう。
グレゴリはそれをうかがった後、話し始めた。
お前の国でいわれる神話は、いろいろ雑音が入っている。
例えば俺はニギハヤヒが本名なのだ。
当時のヒトは発音が難しかったようで、ニニギという人が多かった。
今お前の国の神話では、別人のような扱いで登場してくるな。
その上、サクヤと夫婦になっていたり、めちゃくちゃだ。
自分は、寒気がしてきた。
あれ神様登場ですか。
グレゴリと信じていたものが、あっさり覆った。
エ・グリゴリという組織は何をするための組織なんだ。
ニギハヤヒだと。ニニギだと、サクヤだと。
ククリやセオリツに関しては、いまいち記憶にないんだが。
まあ、目立たない神様だったのだろう。
問題はこの西洋古代風の世界観で、日本の神様登場という違和感だ。
しかもこいつら、別に日本の神様風の容姿ではない。
まあ、神様なんだから容姿なんてどうにでもなるのだろう。
その後、グレゴリたちは、エ・グリゴリについて語った。
どうも、アダムに知恵の実を与えて、ノアの箱舟で大洪水から救った勢力らしい。
自分たちは神と名乗る勢力とは違うといっていた。
むしろ無神論者で、宇宙のすべての存在は等しく価値があるという思想らしい。
神と名乗る勢力にとっては、自分たちは毒ヘビのような存在だよ。
ただ、君たち人類とは違う宇宙人ではある、今の君の身分と同じだ。
君の場合も、厳密にはこの世界の住人というわけじゃない。
君の所属していた地球世界は、どうなってしまったかね。
グレゴリは相当真剣な様子で、自分に問うた。
多分だけど、この問いを投げかけるために、このメンバーを呼んだのだ。
そして、自分にはこの問いにはっきり答えられる材料がなさすぎる。
確かに、各地で領土をめぐる武力紛争を常にしていた記憶はある。
テロとの戦いといわれて相当時間が経っている。
核兵器が世界中に銃口を向け、生物兵器と思われるウイルスが蔓延していた。
おかげで、各国が渡航制限、出入国制限を盛んにしていた。
国内でも感染防止のため、外出制限したり行動を制限されていた。
大国同士の経済的軋轢も結構飽和状態だった記憶がある。
しょうがないので、上記のことをできるだけ詳しく、グレゴリたちに語った。
決定打は何だと思う、と聞かれたが、意味が分からない。
大国同士の経済的軋轢が、軍事的緊張に発展した可能性はある。
核兵器を使っちまうほどバカだろうか。
ウイルスをさらに強力にしてばらまくほどバカだろうか。
個人的な話になるが借金苦になり止めになったのも間接的にはこれらのせいだ。
おっさんは、自分のバカさ加減を知っている。
知っているからこそ、上記のようなバカを絶対にやらないと断言できない。
ちょっと優位に立ちたくて、後で必ず劣勢になると分かっている手を使う。
プライドの高い謝れないタイプは、たいていこのわなに陥る。
大国のトップなんぞになりたがるヤツは、大体この手のタイプだ。
参考になるかはわからないが、自分としては可能性が相当高いと思った。




