異世界転移の錬金生活301 異世界は世知辛い
自分はヨシオ。
日本人だ。
ただ、頭が悪く、ひどい人生を送ってきたアラフォーだ。
借金で首が回らなくなって自殺して、あっという間に生まれかわった。
いきなり変な世界に放り出されて、ろくに説明もない。
異世界転移というヤツだ。
もちろん、日本人のアラフォーの風貌のままである。
特殊といえる能力は、巣箱やわなを使ったティム能力だろうか。
ここまでで、ある野草を薬草として認識でき、それを使ってポーションも作れる。
このポーションは冒険者の実績として、非常に高値で売れる。
現在の主たる収入源はこれである。
何か月も森の中、泥川沿いをさまよい歩き、やっとロートル町にたどり着いた。
トンボにやられて生死の境をさまよい、ワカ町の冒険者に救われた。
泥川沿いをさまよいたどり着いた海辺の廃村を、新拠点ヨシオとして整備した。
結果として、自分の拠点として非常に便利に使ってきている。
あと、途中途中に中間拠点、旧拠点、出張拠点、橋拠点をそれぞれ築いてきた。
雪ウサギ討伐のため冬洞窟拠点への道程で、春拠点、夏拠点、秋拠点を築いた。
簡易的な宿泊所もだいたい一日の距離ごとに置いてある。
野菜、根菜の類は、結構塩で漬物化している。
それ以外は、果物を使ったジャムや酒を作っている。
野菜や果物、酒に関しては、ギョーブ系列の八百屋に卸し多少の現金収入も得た。
キノコの養殖も始めたが、これはワカ町にちょっと卸しただけである。
わなで小魚も獲る。ソードフィッシュと名付けた。
コイツは、冒険者の実績になる。
それ以外に食料として干物にしている。
海にもコイツに似たヤツがいて、それもわなで獲る。
名前はまだない。塩味のきいたうまいヤツだ。
潮干狩りで砂浜を掘ってわなを作り、アサリを採る。
はちみつは、ミツバチさんの全面協力により、ウズラ卵は、ウズラさんの全面協力により定期的に回収できる。
今のところはうまいことやっていると思う。
ただ、悲しいかなそれほど量は採れない。
雪ウサギ袋(冷蔵機能付き)は、卵や肉の冷蔵輸送に使っている。
あとは持ち運びには必須の土器である。
陶器とガラスコップについては、精霊の館という娼館にすべて売った。
娼館には、自分の作った調味料をベースにした高級料理を定期的に卸している。
これらの現金収入は結構バカにならない。
新拠点ヨシオには、鉄のインゴット、クサビ・大が安置されている。
石材の切り出しにはクサビ・大が必須である。
ガラス製品製作用の鉄パイプも安置されている。
ギザギザありの千枚通し、火打石の打ちがねは、普段持ち歩く。
自分の武器については、石オノと石投げヤリ数本で十分である。
主たる戦闘力を担っているのは、ピクシードラゴンのピクシーちゃんである。
この子は、自分を親鳥と思っているため、全力で守ってくれる。
火の魔法を使う結構過激な女の子である。
半透明の肌と内側が赤く光っている感じが、最近のガン〇ムみたい。
大き目の瞳と、蝶のような羽根がチャームポイント。
現地の認識では鳥の魔物であるが、羽根とは別に前足後ろ足がある。
からし、胡椒、山椒、丁子、生姜、ニンニクを最近やっと手に入れた。
これら南方系の香辛料は、贅沢品専門の商人から買っている。
爽やか系のいけ好かない感じの兄ちゃんである。
ときどき悪そうな顔をするのが、いかにも悪徳商人っぽい。
仕入れ経路とか聞いちゃいけない感じがすごくする。
トマトソース、ホワイトソース、マヨネーズ、各種ドレッシングが完成した。
魚醤には山椒を混ぜてみたら、ちょっと蒲焼のタレ風味で非常によくなった。
哺乳類の肉の生姜焼きは、自分の記憶通りの味で泣きながら食った。
からしはまあ、大根とかでキムチでもつけようか。
問題は丁子であるが、これもなんとか考えよう。
もちろん、娼館の料理にも即反映したため相当喜ばれた。
好きになりそうだ、といわれてしまって本気で照れていたらキモイといわれた。
おっさんをこういうネタでからかうのは、残酷なのでやめていただきたい。
今回は新拠点ヨシオからのお届けとなる。
まあ、お察しの通り、はちみつがあっという間になくなるのだ。
正直にいって、甘味を抜くとおいしくない料理になる。
これは一見甘くない料理でも同じである。
おかげで、定期的に何日もロートル町を離れることになる。
離れている間、例の娼館はフラストレーションをため続ける。
帰ってくると即料理を納入しないと、店に入れてももらえない。
一度味を覚えると自分の料理は中毒になるようだ。
あと、ミカエル君たちが定期的にロートル町に来る。
理由は例の娼館にいって、自分の料理を食べるためらしい。
ミカエル君も若いのにちょっと娼館が癖になっているようだ。
君のお尻も、以下略。
自分的にはマリアさんが気になる。
重戦車のおかあさんが寂しがるから帰ってやれ、といいたい。
かわいい息子が娼館通いというのは問題だろう。
まあ、子離れはできてそうだけどな、あの親子。
旦那には会ったことはないが、きっと立派な人だろうな。
ミカエル君は例のマヨネーズ作りで苦労しているそうだ。
具体的には鳥類の卵が大変だといっていた。
頑張れば産業になりそうだから頑張ってます、といった。
農業、漁業、牧畜なんかはワカ町のほうが向いてそうだ。
ミカエル君には改めて胡椒入りのレシピを伝えた。
ああ、そうだ。
ミカエル君に、はちみつ輸送をお願いする手があるな。
どうせこちらに来るわけだから。
そのときにミツバチさんからはちみつをもらって来れば。
ううん、ミツバチさんはミカエル君のいうことに従わないかも。
ダメかもな、難しいもんだな。
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