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異世界転移の錬金生活224 ミツバチさんがんばる

 ワカ町を後にして今新拠点ヨシオに戻ってきた。

結構お金が入ってきた。

しかし、雪ウサギ袋(冷蔵機能付き)など、結構失ったものも多い。

これからロートル町に向かうのに、手薄な感じは否めない。


 あと、大事に陶器やガラスコップを輸送する必要も新たに出てきた。

ううむ。商人の資格がない癖に、ほぼ行商人のような生活だ。

少なくても冒険者という感覚はない。


 そうそう、ミツバチさんはどうしようか。

ピクシーちゃんがいる今なら、抵抗せずついて来てくれる可能性がある。

蜜を集めるために草花を管理しているからこそ、移住は困難かもしれないけど。

どうもピクシーちゃんが生活圏を侵さないのもそのせいかもしれない。


 ただ、こまめにはちみつが採りたい。

今となっては新拠点ヨシオは位置的には不便だ。

ワカ町はまだまだロートル町と思うと見劣りする。

陶器をはじめ売れないものが結構多い。


 こういうことなら、橋拠点か秋拠点をメイン拠点にしたほうが便利だろう。

今から冬洞窟へ行きたいのだから尚更だ。

しかし、新拠点ヨシオには、倉庫機能があり優秀だ。

あと、石切り場としてもまだまだうまみは大きい。

おっさんはいまだに町の石屋には売る以外で関わったこともない。


 ああ、ダメだ。

今はまだ時期じゃない。

そもそも、これでワカ町には小鳥の卵採取という産業が始まった。

結構な特産品化する可能性があり、そうなればロートル町を超えるかもしれない。

それまでの辛抱なのかもしれない。

そもそも魚介類の関係は、海に近いワカ町のほうが盛んだしね。


 とりあえず、今回は陶器、ガラスコップを輸送しよう。

考えてみれば、これ以外は持ち運びが難しいものはない。

メイン拠点を移し倉庫を廃止するなら、その時でもいい。

正直、娼館での南方系ハーブの商取引がどう決着するのかわからない。

このあたりの方向性を決めないと、メイン拠点の引っ越しには手がつけられない。


 結局ミツバチさんのご機嫌次第だろうな。

意思が確認したいなあ、強要していい問題じゃないし。

はちみつを採られたくない、というのは当たり前だとしても。

引っ越しオーケーかどうか、ここは知りたい。


 そもそもハチには引っ越すイメージないんだよ。

巣を壊されて追い出される、というのはあるけど。

巣を壊されても壊されても、めげずに作り続けるイメージがある。

多分草花を管理している縄張りが明確にあるんだろうな。


 今のところ確かめるすべがないんだから、このまま現状維持するしかない。

しょうがない。

市場にも出回らないはちみつは、こうやって苦労して確保するしかない。

多少の不便は今後の課題として考えるしかない。

草花を一本一本まめに回って蜜を少しずつ回収するのが一番大変だろうしね。

生産者が一番大変な思いをしているんだから、ありがたくいただかないと。


 前にいったな。

ミツバチさんには働き者のいい女臭がすると。

借金で苦しんだ働きの悪いおっさんには、とやかくいえる資格がないのだ。

今まで通り、おっさんは応援するので頑張ってもらいたい。

おとうさんは今はまじめに働いている。


 気を取り直して準備を進める。

一番大事なのは、漬物や保存のきく食料である。

何しろ、今は例の雪ウサギ袋(冷蔵機能付き)がないからだ。

肉や卵も保存がきかないため、塩漬け必須である。

つまり、塩が今まで以上にいるのだ。


 おかげで、また塩田に出向き、一日作業をした。

驚くほど大した量が採れないのだ。

昔はこんなに苦労していたとはな。

まあ、実はワカ町でも大量に購入していたため大丈夫である。


 そして、ピクシーちゃんは相変わらず自由に遊んでいる。

どこかに行ったかと思うと、急に帰ってきてピヨピヨやりだす。

楽しそうで何よりである。

相変わらず親に食事の面倒はかけない感じである。

ワカ町にいる間も、基本的にはこんな感じだった。

おかげでいまだに彼女の食生活がわからない。


 ときどき、ミツバチさんを引き連れていることもある。

仲良くなったようで、相当ほっとした。

ただ、油断していない動きの統一感から軍事教練のようにも見える。

あれ、ミツバチさんがすごく強そうに見える。


 ミツバチさん(働きバチ)がレベルアップし、風魔法初級を覚えました。

風を操り機動を制御するスキルが身につきました。

お尻の針を意思のままに飛ばせるスキルが身につきました。

こんな感じのインフォが流れているのではないか。


 おっさんを置いてきぼりにして、若者だけがスキルアップしていく。

こういう構図は、社会でもよくあるよね。

ある日みんなに気づかれるわけさ。

このおっさん、いらんだろ。

めんどくせえな、しがみつくんじゃねえよ。


 今日はどうしたんだろうな。

痛い話が止まらない。

ああ、なんでわざわざ痛いことを思い浮かべてしまうんだ。

頑張っていこう。

いらんことを考えてはいかん。


 おっさんは、相変わらずだ。

いまだに前世の記憶に支配されている。

今世は、そんなに痛い目にはあっていないのにな。

一人になって、ちょっと思い出してしまったのだろう。

旅立ちの準備を重ねながら、作業に没頭して考えるのをやめた。

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