表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/179

異世界転移の錬金生活105 拠点づくり

 しかし、切羽詰まらないと動かない自分をなんとかしたい。

ずぶぬれになりながら設置した屋根を見ながら、そんなことを思った。

これを早くに作っておけば、こんなに苦労せずに済んだ。

ただ、この案は切羽詰まったからこそ出た案なのである。


 あと、森の中で火事になって雨が降って、結果活性炭がゲットできる。

この流れはただラッキーで、偶然の流れなだけである。

真水はこの方法でないと多分得られない。

炭が手に入ったことで、火種の問題も希望が出てきた。

火が使えれば、土器も作れそうである。


 あとは、灰汁である。

野草の中には、これを使って灰汁抜きしないと危ないものがある。

逆に言えば、危ないものというのは、薄めれば薬となるものもあるだろう。

麻薬に代表されるものは、危ないが薄めてうまく使えば鎮痛剤になる。


 自分はもともと、ゲームとかで登場するポーションの類は、この鎮痛剤の類をいっているのではないか、と思っている。

治っていないが、自然治癒力で治っていく間の痛みをとっている。

痛くなければ、本人の認識上は治った、となる。

しかし、現代人の認識ではラリッているだけ、ということだ。


 骨が折れていたり、臓器が痛んでいたり、傷口から破傷風にならなければ、とりあえず出血が止まっていれば、自然治癒力で治っていく。

だからこそ、ポーションでは治らない、的な設定がある。

治癒魔法の類は、この辺をフォローしている設定が多い。

この世界がどうなっているかはわからないが。


 この考えをベースに、麻薬の類を鎮痛剤として薬剤にする。

これをとりあえずの大目標に設定するか。

どうなっていくか、わからない。

人里に降りたとき、なんの材料もないままだと、金銭的な意味で生きていけない。

その人里が、そもそもどこにあるのかわからないけど。


 どこにいこうか。

とりあえず、木の炭と草の灰、枯れ枝、つる草、粘土等。

探せるだけの物資をここへ集めよう。

ここは、拠点化しよう。

例の儀式を執り行うべきだろう。

この屋根を大事に守ることが今の生命線である。


 半日ぐらいをかけて、物資を集めまくった。

特に、木の炭と草の灰は相当量が集まった。

枯れ枝とつる草、大き目の葉を使って、また疑似的な板を作る。

さらにとんがり屋根を作り上げて固定する。

大き目の葉を地面に敷き詰めて、活性炭をまた設置した。

二棟もつくると慣れてくる。


 ここには、物資をそのまま、入れておいた。

穴を掘り、灰汁を作って、そこにゼンマイを漬け込んだ。

粘土はいまだ調査中である。

目の細かい泥でいけるのだが、そうとう深く掘らないといけない。

今の道具立てでは厳しい。


 それよりも、例の儀式が先である。

二棟の屋根、灰汁のくぼみ、そのほか。

これをおおう四隅を立柱し、結界をつる草で張る。

つる草を束ねたものをつくってお祓いをする。

前回を思うと、とても贅沢な儀式となった。


 うれしい。いい。いいぞ。

非常に人間的な行いの数々である。

特に今後に備えて屋根を増加させたのはいい判断だろう。

陰干し乾燥させておきたいものが、今まではどうにもならなかった。

ここで、野草のなかで乾燥させるとよさそうなものを置いておける。


 気になるのは、灰汁のくぼみが野ざらしなことだ。

ここも、将来的には屋根設置だろう。

今はとりあえず大き目の葉で隠してある。


 それから、やっと乾いた服を身に着けた。

逆に靴と靴下を脱いで、水を絞り出した後、干した。

はだしになったため、もう外出できない。

いつもの野草をしがんで繊維状になったのを吐き出す。

ちょっぴり元気になるのも慣れた感覚だ。


 今後について整理をしよう。

火種の確保、土を掘る道具類、粘土で土器。

それから、大事なたんぱく質系統の食料確保。

ポーションにする草の確保。

山菜等をうまく使って、ビタミン類はとれそうである。

いつもの野草もあるし。


 あとは、どんぐり、栗、穀物の類が必要だ。

今のところ探せないので、季節でないのだろう。

秋になったら探せると信じたい。


 こうやって落ち着いてみると、急務なのは火打石の類だ。

これさえあれば、糸や布の類は有限だが服が使える。

火が起こせれば、炭もある。

土を掘る道具類は、石を上手に使うしかない。

石器の類はどうしてよいやら案がない。

おっさんは腕力もないのだ。困ったね。


 ということで、課題は周囲の石の活用だ、ということが分かった。

縄文人に戻りたいが、現代人にはどれも厳しい。

なんでも便利な金属器、工業製品に頼ってきたつけである。

ああ、金属ナイフの類があれば、だいぶん楽だったのに。

その辺の石にこすり合わせるだけで、けっこうな火花が出そう。

土をむりやり掘り返すぐらい余裕である。


 お、定番のゴブリン様が出たりしないか。

ゴブリン様が何らかの石器の武器を持っていらっしゃる可能性がある。

これを何らかの方法でいただければ解決するんじゃないか。

倒しでもすれば、レベルさんが向上したりしないか。

ああ、この手の小説に毒されすぎか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ