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異世界転移の錬金生活120 虫のしらせ

 ただ、肉が食いたい。パート二である。

今までぼんやりとは語ってきたが、ちょっと具体的に語ろうと思う。

今、森を歩いていて、出会うものは三つ。


 一つ目は虫である。

蝶やバッタや、クモのようなもの。

だいたい見たことがあるような形をしている。

逃げ方はすさまじく速い。

はっきり言って捕まえられそうではない。


 二つ目は鳥である。

まあ、鳴き声なんかもするので、いるなとは思っていた。

しかし、こちらもほとんど影さえ見えない。

逃げ足が恐ろしく速いのだろう。

こちらはサイズも大きく、追いつめればいけるのかもしれない。

ただ、空に逃げられれば、どうにもならない。


 三つ目はカエル、トカゲである。

こちらは、視認したことすらない。

飛び上がって逃げているわけだが、目で追えない。

しかし、いることはわかる。

したがってどんな姿をしているのかわからない。

どんな毒をもっているかもよくわからない。


 ああ、異世界モノの定番、索敵系が欲しい。

こんな調子なので、注意力が散漫なおっさんなのだ。

都合が悪いことは認めたくない。

だから、今までぼんやりとしか語っていない。


 まあ、言いたいことは一つしかない。

この素早いヤツらをなんとか捕獲したい。

捕獲して始めてわかることがある。

これが戦い抜いたアイツの遺言である。


 一番は三つ目の強敵である。

正直、こいつらの脅威度がいまいちわからないままだ。

カエルやトカゲは高確率で肌等が毒だ。

触っちまった後で、深く後悔する羽目になりそうである。

だからこそ、この状況はまずい気がする。


 もちろん、二番目の鳥だってわからない。

猛禽類がどの程度かわからない。

恐竜並みのヤツがいても驚かない。

まあ、このレベルに出会ったらいずれにせよ祈るしかない。


 というわけで、一つ目の虫である。

ここは自力で何とかなるかもしれないレベルだ。

だいたい、それに付随する重大テーマがある。

はちみつだ。

ミツバチ的な虫に出会いたい。

出会ったら多少無理をしててでも、ミツバチの巣へ特攻である。


 確かに、他の存在と比べても集団の暴力イメージが虫にはある。

イナゴにしても万単位で群れるので非常な脅威になる。

こわさは確かにあるんだが、それをいったらすべてこわいのだ。

それなら虫はその中では、よりマシである。


 ただ、摂取できるタンパク質としては最低であろう。

一番おいしくないし、一番少ない。

まあ、ローリスクだからやむを得ないだろう。

調理等で工夫できないか考えようと思う。

佃煮とか、工夫できないだろうか。

ああ、それこそ、湯がいてはちみつ漬けとかな。


 そんなわけで、にわかに虫採りに情熱を燃やすようになった。

遊びで虫採りするのとは違う切実さだけどな。

それに細かい虫なので、数採らないと意味がない。

それと、今後の計画のためにも、ミツバチが必須だ。

並行して必死に探した。


 一番必須はやはり網である。

直接触らずいけるし、網目の細かさはコントロールできる。

捕まえた後、直接対決する必要はあるけど所詮は虫である。

ただ、虫を通さない目の細かい網は、結構重く固くなる。

そうなると、自分の準備した竿の木枠には収まらない。

例のわな同様の、バランスが課題となった。


 虫カゴも、重要である。

木の皮をずらりと並べて、軽量化と密閉性を実現。

さらに木の香りで虫に対する癒し効果がある。

虫に聞いたわけじゃないが。

木の皮をずらすので、虫の出し入れがやや難しい。

一匹入れて二匹逃がしていたんでは、何をやっているかわからない。


 あとは、捕まえた虫の検分作業である。

食えそうなもの、毒ありのもの、湯がけばいけそうなもの。

毒あり判定はまず見た目である。

なんとなく、この色はいかんという常識を信じた。

つまり、見た目が異世界っぽいヤツが結構いた。

逆に今、自分は改めてそんな世界にいるんだと確信した。


 そして、驚いたことに、検分作業中にヤツが現れた。

ミツバチだ。

どこにいたんだ、今まで。

探したんだぞ、おじさんは。

自分が必死で検分していたため、ある意味油断したのかもしれない。

正直、検分作業などどうでもよくなった。


 おっさんは、ミツバチを追って森をさまよった。

必死だった。

だって出会い方がレアキャラのそれだから。

エンカウントが相当低いはずだ。

これを逃すと一生かかってもおっさんのリアルラックじゃ。

おっさんの視力の問題もある。

その甲斐あって、おっさんは首尾よくミツバチの巣をゲットした。

ミツバチは当然襲ってきたが、殺さないようにした。

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