なあ、地球の人類滅亡したってよ012 アマテラスとスサノヲ
さて、神話伝承の本筋についてとうとう語ろうと思う。
シュメールの神話からスタートする。
エンリルとエンキである。
ちなみに、エンキは蛇身神、エンリルは牛頭神である。
エンキとエンリルは兄弟である。
宇宙創世は、エンキをはじめとする五神によって行われる。
エンキは、人間に知恵を与え、ノアの箱舟を作らせた神である。
エンリルは、人間を大洪水で滅ぼし、神話では最高神とされる神である。
ちなみに大戦争の末、エンキからエンリルへ最高神の継承が起こっている。
このあたりが聖書における、蛇が知恵のリンゴをアダムに与え、神が人間を大洪水で滅ぼし、一方でノアに箱舟でいろんな種を助けさせる物語の元ネタである。
ただ、聖書もさすがに自分の神ではないからか、蛇は不吉の象徴にされたし、牛頭というのは悪魔のシンボルとなった。
もっと気付いてほしいポイントがある。
それは、エンキは蛇身神、エンリルは牛頭神であることである。
ヤマタノオロチをスサノヲが討伐した物語を思い出してほしい。
スサというのはシュメールの都であり、そこの王だからスサノヲなのであり、だから牛頭天王なのだ。
スサノヲが泣きわめくと嵐が起こるのも、まさにエンリルだからである。
前にスメラミコトは、皇の尊という意味だ、という話をした。
三輪大神は蛇身神エンキであり、それに仕える巫女がアマテラスだ。
三輪大神は神話の中で治世に詰まるとああしろこうしろと知恵をくれる神である。
アマテラスとスサノヲがなぜ兄弟なのか、という問題のこれが答えだ。
つまり離れ離れになった種族のそれぞれの長が、実は同じ宗教を継承していた。
その証こそが、この日本神話のシュメール神話化である。
天孫族と出雲族は、結局シュメールによってつながることができたのだ。
壮大すぎるストーリーが日本で完成したわけだ。
しかも、あんなに対立していたエンキとエンリルが日本の地で和解している。
しかも天孫族が優位に立ったということは、蛇身神エンキの復権が成っている。
日本人にとって王政復古や大政奉還という言葉が特別な意味を持つのは、あるいは民族の記憶に上記物語があるからかもしれない。
シュメール神話は、日本神話の古層であるのは疑いもない。
縄文の文化がすなわちシュメール文化である可能性まである。
縄文人は非常にアクティブな海の民である。
世界のどこにでも出向いていく優秀な民族であった可能性は高い。
そこでユーラシア大陸の反対側にしれっと文明の芽を蒔いていた。
これが世界の文明の原点となった可能性はある。
日本人が思っている以上に、日本の文明は世界に影響力がある可能性がある。
小八洲大八洲理論というのも、あながち妄言ではないのかもしれない。
世界は日本のひな型で、日本は世界のひな型なのかもしれない。
日本で今起こっていることは、形を変えて今後世界で同じように起こるのかもしれない。
神道 −記紀神話の宇宙観− より抜粋。




