異世界転移の錬金生活524 雪ウサギの救出
おっさんは高速ホノカちゃん輸送でロートル町に飛んだ。
順調に戻して飛び、気力体力が戻ってから娼館へ行った。
料理を必死でこさえて納入し、そのまま沈没した。
たまってたんだ、仕方ないだろ。
ホノカちゃんは、グレゴリが来るのを町の外で待っていた。
雪ウサギ様の討伐についてはグレゴリが話している。
救出するかどうかは、グレゴリの機嫌をうかがって話したい。
ホノカちゃんの感情も気にしつつだ。
そのうちに雪ウサギ様用の巣箱を台車改に搭載したグレゴリが現れた。
ホノカちゃんが呼びに来て、おっさんの個人的な楽しい時間は終了した。
そのままグレゴリとホノカちゃんと出発した。
いい加減に役に立ちたいが、おっさんは台車改上で置物扱いだ。
そのうち順調に例の冬洞窟拠点に到達した。
ホノカちゃんは体力的にまた強くなった気がする。
グレゴリは当然グロッキー状態で寝込んでいた。
しばらくは、そのまま安静にしていた。
例によって雪ウサギ様用の巣箱の設置を行う。
この辺りで、グレゴリとホノカちゃんに救出作戦を話してみた。
意外とグレゴリは拒否感がなさそうだ。
殺さずに済めば駆除も楽だ、と思っている感じだ。
冒険者の残酷な顔をしている。
問題はホノカちゃんである。
グレゴリに通訳してもらったが、意外と怒っていない。
むしろ、なんだか嬉しそうだ。
雪ウサギ様はひょっとしてペット枠で許される感じか。
まあ、単純に雪ウサギ様はかわいい感じではある。
名前をつけてやらんといかん。
帰ってグレゴリーズに相談しようそうしよう。
かわいそうなので雌雄二体を捕まえよう。
めちゃ増えだして、扱いに困る可能性もあるけど。
まあそうなったら避妊手術をお願いしよう。
この後はどうなったかというと。
無事雌雄二体の雪ウサギ様をグレゴリから救出した。
それ以外のヤツは、グレゴリに討伐されてしまった。
許すつもりはなかったようだ。
なぜ、そこまで。
コイツを駆り立てるものはなんだ。
すべてのヤツが雪ウサギ袋(冷蔵機能付き)に変わった。
金か、娼館へ貢ぐ金か。
グレゴリは雪ウサギ袋(冷蔵機能付き)をもってロートル町に帰っていった。
おっさんとホノカちゃんには、雌雄二体の雪ウサギ様の入った巣箱が残された。
よかったよかった。
連れ去られてしまったら、さすがにマズイ。
一人と一匹はその後、台車改で元の道を引き返し新拠点へ帰還した。
グレゴリーズにより雪ウサギ様は雌はリリス、雄はルシフェルと名づけられた。
エ・グリゴリという秘密結社には本尊の堕天使がいない。
これを機会に、ちゃんと堕天使の名を冠したメンバーができた。
よかったよかった、これで問題はなくなった。
こういうことを口々にいわれた。
何か理由がほかにある気がしたが、イヤな予感がしたおっさんには訊けない。
真実は意外と身もふたもない。
雪ウサギ様に実は大変な秘密があるとしても、知らなくていい。
そういうことだと思う。
少なくとも、雪ウサギ様を殺さず連れてきたことを喜んでくれた。
リリス様たちは、雑食で実は非常に飼いやすいヤツだった。
次々子供を産んで我々を困らせてきたりもしない。
ホノカちゃんは頭をナデナデして嬉しそうだ。
やはり、リリス様たちは単純にペット枠に収まってしまった。
彼女たちの巣箱は当然のようにカリカリに凍りついている。
そこに二体が収まっていて、赤い目で見上げてくるのが非常にかわいい。
しかし、暖かそうなホコホコした白い身体が非常に冷たいのが玉に瑕である。
冷気で攻撃されたことはないが、されたら終わりだ気をつけよう。
問題のミユキさんであるが、気にしていない。
冬の雪にふさわしいのは私だ、と今でも思っているようだ。
まあペット枠で堕天使の名前になっているリリス様たちは、完全に別枠だよね。
和風な名づけを急にやめたのは、それもあるんだろう。
リリスだから、和風だとユリとかユリコとかになっていたのかな。
ああそうそう、オオナムチ認定についてだ。
当たり前だが、突然自分の前にエヴァとして人間の女性が現れるなんてなかった。
相変わらず、おっさんはシコオのままだ。
唐突に政治家としてデビューを求められたりもしない。
不幸になったりしそうにないので、ほっとした。
スクは雪ウサギ様がおそろしい魔物だからすごい、と単純に感動していた。
シコオなおっさんに尊敬のまなざしを向けてくるのはコイツぐらいだ。
どうせ今だけなんだから、こういう関係性は大事にしたいとおっさんは強く思う。
そういえば、タケシ村は今どうなっているんだろうな。
そういうわけで、すべての課題は滞りなく終了した。
あとはくだんのカギのみである。
コイツが一番の大問題を孕んでいるわけだがな。
どういう心理状態になったら、おっさんはいったれ、と覚悟できるのか。
相手は誰が適当なのか、適当に決めて本当に大丈夫か。
実は娼館でもそんなことを考えてしまい、いまいち楽しめなかった。
真剣な恋をしているときに、バカなガキが陥る状態である。
すごくこういった行為自体に、罪悪感が募るようになる。
自慰もできなくなったりする。
ガキの身体は、そういう意味では結構繊細にできている。
しかしたまってくるのは避けられないので、繊細といってもしれている。
単純に身体が勝手にアイドリング状態に入るのだろうと思う。




