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異世界転移の錬金生活114 新拠点ヨシオ

 さて、皆さん、金属器を手に入れた。

クワ、ナタの二種類である。

正確には、その刃先部分のみである。

刃先部分もそのままではとても使えない。


 言うまでもないが、ひどくサビている。

そのため、これを砥石等を準備して落とす必要がある。

酸化部分を分離する等の手当てがいる。

まあ、溶かして火入れのやり直しまでできればやりたい。


 皆さんは覚えているだろうか。

ガラス質の素材を手に入れている。

これも高温を維持できるかまど、炉がいる。

そして、溶かした後の手当てが今課題である。


 ちなみに、石造りの立派なかまどは、今目の前にある。

ここは、廃村のある建物の中である。

この建物に、自分の成果物を全部納入している。

ちなみにこさえたばかりの新拠点はすべて撤去した。


 屋根に上がって、屋根に降った雨水をなんとか中に引き込む構造を考えた。

トイの類は壊れていて使い物にならないが、素材としては活用できる。

作った木材の構造物を新たにトイとして設置し、活性炭を仕込んだ。

中の水瓶に、ダイレクトインしている構造である。

室内がびしゃびしゃになる正直スマートとはいえない構造である。

これで雨が降ってくれれば。


 ちなみに、排水等を備えた風呂トイレの類はどこにもない。

ここはやはり真水が貴重な土地柄だった。

トイレはボットン式で、しかもそれを肥料として活用だろう。

それっぽい施設というか小屋はある。

あと、すきま風、ホコリ等が入るため、扉を木材で作成して立てかけた。

蝶つがいの類は金属の高級品で手が出ないのは、いうまでもない。


 さて、話を戻す。

かまどを使うかどうか、である。

溶かしてインゴット塊にしてしまう。

ガラス質で固め、不純物を取り除く。

これだけならば、できそうなのである。

その先には、進むのにテクニックやノウハウがいる。

具体的にはドワーフ、ノーム的な種族がいる。

自分にはとても難しい。


 結局この辺は、ある意味商材と考えてインゴット化した。

冷まして取り出すのに、結構な苦労をし、水をめちゃくちゃ使った。

この場合の水は、飲むのはためらわれる沼地の泥水である。

水瓶で何度も往復して確保した。


 こりゃ素人にはこれ以上無理だ。

自分に金属加工のノウハウがない以上、誰かにこれを生かしてもらう。

使える武器、道具等に加工してもらえるなら、売ったほうがよい。

持ち運びやすさからいっても、これがベストだろう。


 クワ、ナタとして使えなかったかって。

クワは農具、ナタは森へ行くなら便利だろう。

でも、自分はこれらなしで、森を越えてきた。

つまり自分にとってはさして必要を感じない。

そのうえサビがひどくて、もろくなっている。

途中で壊れてしまうのが、オチである。


 特にガラス質の素材は地味に持ちづらくて苦労していた。

これがとてもコンパクトにまとまった。

シャツの上から、鉄インゴットとともにつる草で縛って固定した。

これだけでも、文明を感じてしまう。

あとは、袋ものだ。

リュックが欲しい、切実に。


 ちなみに、かまどは超優秀で、この後も調理や炭づくりに活躍した。

また、粘土をとってきて、土器も多く作成した。

今回は、持ち運びを追求した土器を作ってみた。

これで、口径にあった木のふたを準備すれば携帯できる。


 いいかげん服のポケットに直接入れるのは避けたい。

洗濯して気づいたが、においとよごれが結構頑固である。

雨は、インゴット作成中にやっと降った。

室内に雨が流れ込み、大変だったがうれしかった。

ちょっと構造を考え直さざるを得なかった。


 もちろん、ためた真水を使って風呂にも入った。

体と髪を必死で洗ってそうとうさっぱりした。

石鹸の類は、野草を砕いたら出た油分で泡立てた。

風呂は、木材と目地を火入れした粘土で埋めて防水ばっちりである。

このノウハウも売れないかな。

課題は温め機能である。いまは水風呂である。

火を入れようとすると構造が複雑化する。


 しかし、しばらくこの村に滞在してみて感想がある。

屋根があるのはありがたい。

ちゃんとした居住空間が、夜の熟睡にすごい影響がある。

自分はそうとう疲れていたんだということが分かった。

あの野草を相変わらずしがんでいる。

しかし、回復している感は最近あまりない。


 なんだかんだで、出立したいのに、すごく後ろ髪を引かれる。

この廃村に名づけをしようと思う。

新拠点ヨシオである。

自分のものであることを全面アピールしたい。

今までの拠点はどうしようか、とさえ思う。

まあ、残しておいたほうが野草を取りに来たときに後々重宝するか。

自分の足跡でもある。


 ここの石材をちょっとづつ移動して、今までの拠点に輸送。

そこで改めて拠点を石で作る。

まあ、大工さんか石工職人さんが確保できたら考えてもいい。

つまり随分先の話になりそうである。

そのころにはこういった価値判断はしなくなっているかもしれない。

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