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異世界転移の錬金生活517 温泉施設の建設

 おっさんは意識を取り戻した。

やっとの思いでモ〇ルポッドから外に出た。

服を身につけて、その辺りでうがいがしたいと強烈に思った。

おっさんは周りも確認せずに、小川で自分の欲求を満たした。


 いつものルーティンでもある。

ホノカちゃんも別に不審に思う様子もない。

人心地ついたところで、硫黄の臭いを頼りに一人と一匹はてくてく歩いた。

すぐに視界が開けて、蒸気と水の音が鮮明に辺りに響き始める。


 温泉露天風呂に到着である。

ホノカちゃんは正確無比に、前回到達点にピンポイント着地したようだ。

一〇・〇の演技点をあげようと思う。

こういうところに彼女の優秀さが隠れている。


 一人と一匹でモ〇ルポッドから荷物を順次取り出した。

周囲の木材を適当に伐採して、温泉旅館簡易版を作らねばならない。

イヤ、カッコつけるのはやめて、いつものバンガローを作ろう。

自分でハードルを上げてもしょうがない。


 慣れた手順で、お着換え部屋や休憩室なんかを備えたバンガローを設置した。

お着換え部屋は仕方なく男女で分けて温泉露天風呂につながる渡り廊下を設けた。

最後の温泉露天風呂は当然男女でわかれてないんだぜ、グヘヘへへ。

お、そうそうお着換え部屋に、持ち込んだみんなのお風呂グッズを置いた。


 休憩室には、モ〇ルポッドを設置した。

グレゴリーズが来てもいいように、休憩室は泊まれる感じにした。

そこの押し入れには、持ち込んだ布団や毛布をしまった。

雑魚寝して、間違いでも起こればいいと思うよ。


 こうして、モ〇ルポッドは荷物を吐き出し農機具だけになった。

ホノカちゃんは嬉しそうだ。

どうもモ〇ルポッド内部で、二人で寝たのが楽しかったようだ。

おっさんも楽しかった。


 満足げにうなずき、さっと外へ行った。

飯を獲りに行ったに違いない。

おっさんは弁当を一人でもそもそ食べた。

ホノカちゃんに不満はないが、こういう時はちょっと寂しい。


 こうして予定の作業は終了した。

おっさんとホノカちゃんは、温泉でリラックスをやっと敢行できた。

おっさんを連れて宇宙を飛ぶのは、いかにホノカちゃんでも疲れるようだ。

ううーんと気持ちよさそうに伸びをしている。

おっさんはその様子を見ながら、頭まで湯をかぶった。


 今日はこれで終了だが、明日は忙しくなる。

周辺地勢調査が待っているからだ。

足腰がもつのか、とても不安だ。

まあ温泉が近くにあるから、そういう安心感はある。


 翌日は頑張るぞといったが、結局ムリだった。

昼まで寝たり、温泉に入ってダラダラしているうちに日が暮れた。

弁当が尽きそうだが、しょうがない。

いざとなれば、ホノカちゃんに何か獲物の肉をもらおう。

火が使える調理場は一応あるし。


 その翌日に始まった周辺地勢調査は大変だった。

ホノカちゃんについていく感じだが、グレゴリが疲れてしまった理由がわかった。

高い機動性と高い走破性、高い耐久力。

休憩をはさみながらも、ずんずん高低差のある森の中を進んでいく。

人類にはムリな動きと姿勢制御が、困難を困難に見せない。

これで羽根で飛ぶことができれば、もっと調査が捗るのだろう。


 腹が減ったら、さっとどこかへ行く。

戻ってきて、おっさんに獲物の肉を分けてくれる。

それを火を起こして、塩コショウして焼いて食べる。

弁当はやっぱり尽きてしまった。

なんの肉だかわからないが、実に旨い。


 ああ、そうそう。

ホノカちゃんは例のモ〇ルポッドを持ち歩いている。

おっさんが汚れて疲れた感じになってくると、中に入れようとする。

おとなしく従って全裸になって中に入る。

浄化の魔法で服や靴も一緒にキレイにはなる。

おっさんの年齢による疲れはどうしようもないが。


 ホノカちゃんはおっさんをどう思っているのだろう。

すぐ汚くなるおっさんを、手間のかかる困った子だと思っているだろうな。

カレー臭に関しては文句をいったことはないけど。

聞いてみたいけど、いわれてショックなことも多そうだ。


 みにくいアヒルの子であるおっさんは昔、みにくいというのは見えないぐらい相当小さいのかと思ったよ。

悪い意味だと知って、怒った記憶がある。

シンパシーを感じていたに違いない。

おっさんは残念ながらみにくいおっさんになっただけで、白鳥にはなり損ねたが。


 おっさんたちは、こうして周辺地勢調査を順調に行った。

景色のいいとこも見つけたし、すごい滝になっている場所もあった。

距離が相当あるし、自分はホノカちゃんと一緒じゃないとたどり着けないけどね。

前もちょっと書いたが、上空から見渡せるホノカナビは優秀なんだ。


 温泉地の森は結構深かったしふもとまで降りてみたいが今回はタイムアウトだ。

ホノカちゃんに任せてしまったので、降着地点が人里離れているようだ。

日本風の縄文村発見には、まだまだ時間がかかりそうである。

むしろ人里離れたところから急に降りてきたら、不審がられそうである。

まあ、秘密基地感が強くて、これはこれでリラックスするにはいいけどね。


 ざっと片づけてまた、ホノカちゃんと宇宙へ行った。

新拠点ヨシオに、ホノカちゃんはピンポイントで戻ったようだ。

おっさんは例によって意識がないからね。


 周辺地勢調査の結果を、おっさんはみんなに伝えた。

ホノカちゃんもピヨピヨ一生懸命話していた。

考えてみれば、地点の情報はほぼほぼホノカちゃん頼りだからね。

グレゴリーズは聞き返しもせず黙って聞いているが、相当優秀な人たちだ。

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