異世界転移の錬金生活416 おっさんは語る
おっさんは地球最後の一人としてエヴァを探している。
そこで、今までいまいち語ってこなかった繊細なネタを語ろうと思う。
それは、結婚観とか恋愛観である。
イヤー、気恥ずかしいなあ。
歳をとろうがカレー臭だろうが、この手の話を真剣にするのはつらい。
うまくいっていないし、うまくやってきていないので、尚更である。
心は傷つきやすい少年のままなのだ。
逆に恋愛経験豊富な輩は、おそらくそういう繊細さは失っている。
もしくはもっと深く傷ついてしまって、余計繊細になっているか。
どうでもよくなっているか。
レイプされた経験があると余計自分を粗末にしがちだ、というよね。
おっさんは結婚したいと思ったことはない。
しかし、オトナに選ばれるとイヤでもそのワナに陥る。
そもそも結婚はオトナの幸せのためにある。
ガキの仕事に金銭的な期待を込めて、生活のために結婚を選ぶ。
あくまで、オトナ側がね。
バカなガキにそもそも選択権など存在しないのだ。
結婚式に一度でも出てみれば、イヤでも気づく現実である。
ガキはあくまで今までの不行状を責められ、オトナは幸せを宣言する。
ガキには人生の先輩とやらから、この生活を守る覚悟をあくまで求められる。
オトナは両親に感謝をし、涙を流して勝ち取った成果を友だちに誇る。
この場合の生活とは、毎月毎月のガキのお給金のことである。
幸せの絶頂のオトナと真っ青な顔で緊張感の高い状態のガキ。
非常にその後の人生を象徴していると思うのは、おっさんだけだろうか。
ちなみにガキとオトナの寿命は今でも一〇年ほどの開きがある。
大きな声ではいえないが、この差はきっと働かされたかどうか、苦労してきたかどうかの差である。
だっておかしいだろ、遺伝子は日本人で同じはずだぞ。
おっさんはだから思うのだ。
娼館にて金銭で身体を提供してくれるオトナと、結婚にて生活で身体を提供してくれるオトナと。
意外と違いはそこまで大きくはない。
だから娼館のスタッフさんを軽蔑したり貶めたりは、何か違うとおっさんは思う。
仕事にしているかしてないかが大きい、と捉えるかどうかだけだ。
まあ、あとは不潔だとかの潔癖感の違いだろうか。
しかしそもそも最近、処女のまま結婚まで行くオトナはほとんどいない。
素人女性と玄人女性の間に潔癖といったところで、さして差はないと思う。
こう思ってしまうのは、おっさんがすれているからなのか。
イヤ、そうした部分以外に真実があるんだとか、愛はお金では買えないとか。
こういう議論はあると思うよ。
感情の部分が意外とどうにもならないのは自分だっていろいろ経験してきたしね。
不潔だと思ってしまった。ムリだと思ってしまった。嫌いだと思ってしまった。
こういうのは結局、戻れない違和感に育つね、確実に。
だから余計おっさんは思う。
恋愛期間中にしっかり最後まで何度かヤッとけ、と。
どうせ最近、処女のまま結婚まで行くオトナはほとんどいないんだから。
ここで違和感を感じるとか楽しくないと感じる場合、結婚はやめとけ、となる。
こういう違和感は大きくなることはあっても逆はない。
初めてヤル時はともかくそれ以外の時は、意外とお互いの本性や本音が出やすい。
浮気や不倫関係の話も同様のことがいえる。
やるヤツはいつもやる。
そういう違和感を感じるヤツはまたやる。
おモテになって結構ですね、と距離をとる以外に対処法はない。
こういうものは麻薬とかと同じで、病気か性癖の類だと思う。
やめようとすると、それはそれで大変な努力がいるのでムリだ。
イヤー、キレイごとなしで結構赤裸々に語ったつもりである。
これ結婚を夢見るオトナに見られたら殺されるんじゃないの、おっさん。
ああ、逃げるわけじゃないけど、だからおっさんの個人的意見にしかすぎません。
バカなガキのいらん子の意見です、ごめんなさい。
まあ意見とは関係なく理想的な夫婦として長年添い遂げられる立派な方はいる。
まあ、パーセンテージは相当低いとおっさんは見ているが。
ただ、本当に今でも愛し合ってるじゃん、この二人、というのはある。
それ以外は、何らかの事情で我慢をなさっているのだろう、確実に。
外からはその辺りはよくわからないものである。
ああー、もう終わり終わり。
おっさんはもう耐えられない。
こういうネタをえらそうに語れるほど女性経験豊富ではない。
気恥ずかしさで死にそうだ。
それより、ピクシーちゃんがオトナっぽいのだ。
妄想でなく突然ピクシーちゃんオトナバージョンに成長しちゃったらどうしよう。
今だってクラス一の美少女風で緊張してしまうのに。
オトナの姫さまっぽくなったら、声をかけることもできなくなりそうだ。
そうなったら、一緒に寝るなんてもってのほかである。
性的なワルいことを教えてしまう自信がある。
いらんことばっかり教える悪い親になってしまうではないか。
今だって飛ぶと戻してばかりいる変な親なのに。
ただあくまで誤解してはいけないことがある。
ピクシーちゃんは見た目通りの思春期の少女ではなくれっきとしたオトナである。
確認できずどうしようもないが、おっさんより長く生きている可能性さえある。
見た目通りの対応をすると、子ども扱いしてバカにするなとなる可能性がある。
性的なワルいことを教えてしまうという感覚自体が、失礼である可能性がある。
むしろ積極的にヤレよ、どうしてヤラないの、となってしまうかもしれん。
複雑だろ、どう思う。
どうしたらいいと思うよ。
人間同士だってわかり合えないし、傍にいたってわからないことが多い。
ましてや種が違うということは、相当な壁が立ちふさがるのだ。
おっさんは異世界に来た当初、異性を魅力的と感じるかわからないと悩んでいた。
こういう問題が実は解決されたわけじゃない、というのが実情だ。
ドラゴンの娘を自分の伴侶としなきゃいけないかもしれない。
それとも、宇宙人の娘を自分の伴侶としなきゃいけないかもしれない。




