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東内 賢哉 とうない けんや

男性

24歳

キャビンアテンダント


担当女神:パナケイア


攻撃:6

防御:8

速度:12

知能:12

幸運:12


「は~、男性CAってほんとにいるのね。って、ステ高っ! ザコってほどザコでもない? いやまあ結局ザコか~。あたしに癒しの権能あっても魔法使えないスライムじゃ意味ないよね」


■■■テンセイ■GO■!■■■■■


 賢哉はとにかく〝動きながら考える〟が好きだ。

 どうしようじゃなくてまずやる、何かあったら改善する――これがいちばんだと思う。


 石の部屋に転生してからも、すぐに部屋の中を動き回って調べていた。


(この部屋は自分では出られそうもない。つまり私以外の、おそらく人間サイズの生き物がいる世界だということだろう)


(つまり――)


 がたっ。


「まだスライム道場やってますか~? なんて……うわっ」


(よし、出られた!)


 賢哉は少年冒険者の脇を抜けて、石の部屋の外へと出た。


 そこには、同じ石でできた通路が左右に伸びている。


(広い……)


(この少年をまくにはどちらに行くべきか。判断材料がないならとにかく動く。右だ!)


 ざしゅっ。


(なっ!? 横から攻撃?)


 出た扉のすぐ隣にも扉があり、そこからちょうど別の冒険者が出てきたところだったのだ。


「なんで部屋の外にスライムが出てんだ。おい小僧~、逃がすんじゃねーよ」

「ちょ、こいつ、まだピンピンしてるぜ? 新種か?」


 冒険者に2ダメージを与えた!


「あたた。でも新種なら見た目も何か違うはずだよな。ただの個体差だろ」


 ざしゅっ。


(そろそろマズいか……)


 スライムは薬草を使った!


「は? は? はああ!?」

「このスライム、薬草持ってやがった。なんだ? どこで手に入れた?」


(部屋の隅で自生していたのを拾っておいてよかった。……だが)


 ざしゅっ。


(結局は、またダメージを受けるだけだ。私が殴っても倒すには至らないだろう。ならば!)


「お、こいつ、逃げるのかよ」

「小僧ぉ~、今度こそちゃんとやれって」


「わかってるよ!」


 ぼこんっ。


(まだ、この少年の攻撃なら、なんとか……)


 冒険者に3ダメージを与えた!


「イッタっ! や、やばい。スライム道場舐めてた。さっき町に戻るべきだったか……!」


「うはは、しゃーねーなー」


 ざしゅっ。


(は、挟み撃ち……。しかしこれは想定内だ。あと一撃で少年のほうを片付けられれば!)


「なーにイキってんだ。まだお前のターンじゃねーんだよ」


(!? そうか、挟み撃ちということは、私が一撃殴ったあと、両側から……)


「そうだよオレがまだ殴ってない」


 ぼこんっ。


(ぐぅ……だ、だめか……。せっかくいただいた新しい命を、無駄にしてしまい申し訳ない……)

「シャッフぅぅぅ」


「なんかスタイリッシュな音出たな」

「スライム界の貴公子みたいなやつだったのかもしれない。アーメン。ぶははっ」


■■■ザンネン■マタ■ライセ■■■

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