今堀 昭弘 いまほり あきひろ
男性
23歳
医療用画像放射線機器組立技士
担当女神:ニュクス
攻撃:4
防御:12
速度:6
知能:8
幸運:5
「スライムに防御力なんて意味ないって? そうなるかどうかはあなた次第! ……なんつって~。なんとかなるときはなんとかなるけど、なんともならないときは来世に期待ね。諦念でGOGO!」
■■■テンセイ■GO■!■■■■■
(なんか軽い女神だったな~。まあ難しい顔されるよりは気分楽でいいね)
昭弘がそう思えたのは、黒衣の男の様子に気づくまでだった。
(なんて……なんて深い苦悩が感じられるんだろう)
黒衣の男は、シルバーペンダントを前にして頭を抱えていた。
周囲ごと真っ暗闇に染めてしまいそうな、そんな雰囲気である。
昭弘はとても近づくことができない。
(なんだこの闇。すごい……)
黒衣の男は、苦悩ながらにつぶやく。
「まさかスライムからドロップするアイテムがこれだとは。装備品としての価値はまるでないが、他の入手経路が一切ないと思われる、激レアアイテムだ。我ほどの図鑑埋めラーであっても、初めて見た」
「モンスター図鑑のスライムのドロップ欄にNEWがつくと同時に、アイテム図鑑のほうにもひさしぶりにNEWがついて、本当に狂喜したものだ。あの姿はスライムにすら見られないでよかった」
だが――と、ひときわ低い声で、
「なぜ、よりにもよって銀なのだ。我はこのジョブとなったことで銀アイテムを持ち運ぶことができないデメリットを与えられている。そのことを受け入れたうえでのジョブ選択だったが、まさか、これほどまでに悔やむことになるとはな……」
これが冥府魔道に堕ちるということか……とうなだれる。
「もう、ジョブを替えてしまおうか……」
いやいや、そんな馬鹿な、と自分で即座に否定する。
そして――
「我は割り切る!」
高らかに宣言した。
「図鑑は埋まった。我はそれが目的であり、冒険者として人生のすべてを賭けている。なれば、物など不要。現物のアイテムなど、そこらへんのミジンコ冒険者にでもくれてやるわ。フハハハハ!」
(おお、割り切った……?)
ジュバッ。
(って、むしゃくしゃしたみたいに唐突に俺を殺すなよ……)
「割り切ったぞ……。誰か勝手にありがたく拾え、家宝にするがよい」
1%以下だぞこれは……そうつぶやきながら、黒衣の男が去って行った。
■■■ザンネン■マタ■ライセ■■■




