大藤 主税 だいとう ちから
男性
60歳
入国審査官
担当女神:ムネモシュネ
攻撃:4
防御:8
速度:3
知能:16
幸運:10
「ナイスミドル~。でも、スライムになるから全然どうでもいいわよね」
■■■テンセイ■GO■!■■■■■
主税は気づいてすぐ、寝ている女から距離をとった。
危険を察知したのだ。
(このダイイングメッセージ、間違いなく、あの女のことを差している)
床の、『女』の文字を見る。
この文字は体液で書かれたのだろう。
スライムにとって体液とはすなわち血のようなもの。
つまりこれは、命をかけてあとに続く者へと書き残した、必死のメッセージなのである。
(わたしの前にこのような尊敬すべき人物がいたこと、無駄にしてはならない)
「あ? まだ1時間経たないのか。体内時計がおかしくなっちまった……」
女がぶつぶつ言いながら、まどろんでいる。
どうすべきか……。
(攻撃を加えても敵わないことは、間違いないだろう。わたしまでダイイングメッセージを残すことになったら申し訳ないし、斬られたときにそこまでの気力が続くかも自信がない)
「っ! いや、いるな!? そこだっ」
カンッ。
何かを投げたが、当たらなかった。
(わたしの攻撃する番か。いや、この距離では何もできない)
「移動しただけとはな。何か策があって距離をとっているわけではないのか……つまらん」
ざくっ。
(うぐ……すまぬ、『女』のかた。わたしには何も未来へと繋ぐことができなかった……)
■■■ザンネン■マタ■ライセ■■■




