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ZONE  作者: 北斗 白
海聖高校編
8/46

episode8

海聖高校編5話です

「・・・は?」


その言葉を、脳内でもう一度繰り返す。

サッカーを、、、辞めないで下さい、、、?


「辞めないで下さいって、どういう意味?」

「その言葉通りの意味です」

「なんで僕が昔、サッカーをしていたってわかるの?」

「三年前、私は親の仕事の関係で、海聖地区から遠く離れた、南水なんすい地区に住んでいました」


(・・・南水。)


額に汗がにじむ。


「その地区では毎年、全国に繋がるサッカー大会、フットボールトーナメントの地区予選が開催されていました」

「・・・。」

「その地区予選当日・・・。」



「今日の演奏もなかなか良い出来でしたわね」


週一度開かれるピアノ講習を終え、電線の影上を歩く。


「ん・・・あれは」


見ると、春には満開だった桃色のしだれ桜が薄緑色を帯び始めていて、いかにも初夏を象徴している様だった。

もうすぐ夏か。そんな言葉を頭の片隅に置きながら前方へ向かって歩き始めた。その時だった。


「速く走れや馬鹿野郎!」


道路を挟んだ向かい側のグラウンドから、凄まじい罵声が聞こえる。

罵声の方を見てみると、緑のフェンスで囲まれた、一面に広がる芝生の上で、選手たちがボールを追いかけている姿が目に映った。

どうやら、サッカーの試合中に誰かしらがミスをしたらしい。

右腕につけている時計で時間を確認すると、帰宅する時間には余裕があったので、近くの横断歩道を渡り、試合を見ていくことにした。


「わぁ、すごいですわ!」


交差するフェンスの間に手をかけ、フィールドを見渡す。

いつもは、ピアノ講習が終わったら寄り道も一切せずに家に帰っていたので、目の前の新しい景色はとても新鮮で、私の心が奪われるには簡単だった。

だが、奇麗な花萌葱はなもえぎの景色に見とれるのもつかの間、すぐに芝生から違和感を覚えた。


「あの人・・・が死んでる・・・」


視線の先の選手は、明らかに他の選手とは明らかに雰囲気が違う。

競争心、覇気が感じられない。


「蹴也! パス!」


その選手にボールが渡る。だが、足についたボールは、何秒もしない内に取られてしまった。


「何してんだよ下手くそ!」


恐らく同じチームメイトであろう選手から野次やじが飛ぶ。


(あ、眼が・・・)


彼の眼の色が、また曇った。

芝生に感じた違和感。それが彼だと分かった瞬間だった。




今回は蹴也の過去に入りました!

自分の感性に任せて手を動かし中です、まだまだ物語は続くので気長にお読みください。

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@hokutoshiro1010


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