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ZONE  作者: 北斗 白
海聖高校編
6/46

episode6

海聖高校編3話です

「私、今日からここの一年生で、高辻紅葉たかつじもみじといいます。良ければ教室まで一緒にいきませんか?」


正直に言って、騒ぎの発端ほったんに近い人物とは、あまり関わりたくない。

だが周囲の生徒がざわついているこの状況を突破し、この場を離れる方が、優先順位が高いと判断した。


「ご迷惑でしたか?」

「あ、教室までなら・・・。」


中学時代、彼女がいないことはもちろん、女子と話すことが少なかったので、応答に少したじろいだが、最終的な目的地は同じなので一緒に行くことにした。


「あ、あそこの掲示板にクラス分けが貼らさってますよ」


高辻が指をさした先----校舎入口の横には、丁度、教室の黒板の大きさ程ある掲示板があった。

近くに行くと、ラナンキュラスの花の額縁がくぶちで囲まれた掲示板に、ずらりと並んだ新一年生の名簿が、クラスごとに分けられているのが見えた。


「お名前をうかがっても良いですか?」


自分の名前を左側から探して一組分ほど見終わったくらいに、隣にいた高辻が口を開いた。


(そういえば、この人に名前を教えてなかったな。)


名前を言うことに抵抗はなかったので、教えることにした。


風谷蹴也かざたにしゅうやです」

「風谷・・・。あ、私の隣に名前がありますよ。」


二、三秒間をおいて、高辻は答えた。

クラスが同じで名前が隣同士という偶然の偶然。


「運命ですね」


「あ、そうですね。」と軽く流して、名簿にある自分の名前を見る。

名前を言ったとき、一瞬だが、高辻の表情がくもった様に見えたが、恐らく考えすぎだろう。


「さあ、行きましょうか。」


高辻は、幼い子の様な上目遣いをしながら、僕の制服のそでを、くいっと引っ張った。

いつまでも掲示板の前にとんしている訳にもいかないので、高辻に従って教室に向かうことにした。


◇◇◇


「高辻さんってシャンプー何使ってるの?」

「肌も綺麗! 今度すべすべになる裏技教えてよ!」

「メアド交換しようよ! 番号教えてもらってもいいかな?」


(・・・人気者だな。)


やっぱりな。と思った。

最初会った時は、落ち着かない状況で、高辻を見る余裕があまりなかったが、教室へ向かう道中、頭を整理し、冷静さを取り戻してくると、高辻の光っている部分が視野に映るようになってきていた。


丁寧な言葉遣いに、濃い折り目の制服。

風貌ふうぼうからして、誰がどう見ても、金持ちのお嬢様じょうさまだという事がわかる。

しかも、多くの男子生徒の気を引く程の容姿に、愛嬌あいきょうのある少し垂れた目と、くっきりとした二重も魅力的だった。

また、歩く姿勢も綺麗だった。

ストレートの髪をなびかせて廊下を歩く彼女の姿は、ファッションショーでランウェイを歩くモデルの様に美しかった。

その隣を歩く、そこまでイケメンではない僕は、モデルの隣をうろつくカエルの様に不釣り合いだった。




ZONEの感想、ブックマーク、文章、ストーリー共に、評価してくれた読者の方、ありがとうございます。

文章量を増やして、好評だったので、これからもこのくらい書いていきます!


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@hokutoshiro1010




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