episode4
今話から海聖高校編です。
「オーライ! オーライ! 」
家から徒歩十分。野球部の声と共に、海聖高校のグラウンドが見えてきた。
周りの木から舞い落ちた桜の花びらが、グラウンドを淡い桃色に染め上げている。
花びらは、グラウンド横の校門付近まで落ちてきていて、校門から校舎までの道は、まさに桃色の絨毯が敷いてあるようだ。
今日から静かで平穏な日々が始まる。
どんな人がいるんだろう。
そんなことを考えながら絨毯の上を歩く。
その時だった。
右耳の方から、シュルルルと音を立てた「何か」が近づいてくる。
「危ない!」
恐らく、隣のグラウンドで練習していたサッカー部員の声だろう。
道にいた大半の生徒は、第一にその声の方に目を向ける。
だが、声が聞こえる前から、「何か」の正体、サッカーボールに気づいていた僕は、ボールの軌道を追っていた。そして、その軌道を予測した。
多分、どちらも本能的に。
運が悪く、軌道の先には、女性の姿があった。
(俺は、サッカーを辞めたはず・・・。)
(でも・・・。)
ドンッ!!
気づいた時には、もう、体が動いていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
お知らせですが、次話、episode5から、文章量を増やしたいと思います!
現段階では、一応週一更新でやっているつもりですが、週一の割に文章量が少ないと感じました。
無理に多くはしませんが、今後もお読みいただけると幸いです。
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@hokutoshiro1010