episode13
海聖高校編8話です
「三対一四角形パス用意!」
「おう!!」
視界の中央で青い縦ラインが入った白い服が一斉に散らばる。
「ぎりぎり始まっちまったかー」
「でもまだ最初だから良かったじゃん」
嫌々に「ちぇっ」と吐き捨てる奏真を横目に、散らばった選手たちの練習に眼を凝らす。
ボールタッチを見ると、止めて蹴る。この基本の「柔」の技術は大方できているように見える。
それに対となる「剛」の能力も先程の選手たちの声掛けからもわかるように、十分に持ち合わせている。
「良いチームだな」
「だよな」
やけに食い気味に反応した奏真が気になって声の方に顔を向けると、奏真は鼻の下を伸ばし、美男子とは思えないような、にやけた顔で、僕と全く違う方向を向いていた。
「ほら見てみろよあの女の人、めっちゃ美人だぜ」
奏真は餌を与えられた子犬の様に、興奮気味に鼻を鳴らしながら答えた。
ここで僕の心の中で、雨宮奏真って人は、俗に言う残念系イケメンなんだなと認識する。
奏真の視線の先には、如何にもクールビューティーという言葉が似合いそうな女性が腕を組んで立っていた。
さらっとしたポニーテールにキリっと鋭く整った目元、黒縁眼鏡に黒のジャケットがクールな雰囲気とマッチして、良くドラマなどで登場する、仕事が得意そうな秘書みたいな人という印象を覚える。
少し眺めていると、女性が僕らの妙な視線を感じたのか、こちらに向かって速足で歩き出した。
「やば! あの人こっちに向かってくるぞ!」
手で口元を隠しながら僕の耳の辺りで奏真が呟く。
「そんな気持ち悪い目でジロジロ見てたから怒ったんじゃない?」
焦っている奏真をからかっていると、後髪を揺らして歩いてくる女性との距離が更に短くなっていき、やがて女性は風に吹かれてなびく後髪を左手で整えながら口を開いた。
「貴方達、サッカー部志望の新入生かしら?」
「いえ、貴方様のお婿になりに来ました」
「何言ってんの。まあ、サッカー部に入るつもりなんで一応見学しに来ました。
意味不明な言葉を発した奏真を軽く指摘して適当に答える。
「そう。私はサッカー部の監督を務めている、黒崎瞳よ。貴方達の名前は?」
「あ、俺雨宮奏真って言います」
「風谷蹴也です」
お互い自己紹介したが、黒崎監督は固まったままだった。
眼を見てみると、明らかに先程とは異なる目の大きさで、口も半開きのままだった。
奏真の名前を言った時からだ。
「あの・・・監督?」
何か気に障ったことを言っただろうか? いや、僕達は名前を言っただけだ。と思考の中で自問自答を繰り返す。
「あ・・・いや、雨宮・・・奏真君だったわね。あなた、もしかして中学時代U-15日本代表だった?」
「・・・え?」
二人を視界に入れた眼球運動の途中、眼から脳にかけての神経が狂い始め、次々にエラーを起こしていく。
「おお| 流石美人監督! 良くご存じですね!」
エラーした神経が脳細胞の細部まで伝わり、遂に僕の思考がショートし始めた。
最近春休みへと突入し、睡眠時間が増えました、北斗白です。
今回は遂に監督が登場しましたね!
これから「サッカー」というのに直接的に関わってくるのではないのでしょうか!
ていうか完結するのに何か月かかるのやら、。
気長に投稿していくので、皆さんものんびりとお読みください!
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@hokutoshiro1010




